2016年2月21日

 

いままでこの強化クラッチをつけていたのですが、これは30年ほど前に恐る恐る購入した初めてのチューニングパーツだったのですが、そのまましばらく取り付けなかったものを最近つけてみたのですが、踏み込みが重すぎる!

 

体のほうが持ち上がってしまうくらい重いです。足の老化防止にはなるけど運転しずらい。

そこで今回は久しぶりに正統派の新品調達です。

 

なぜかというとしばらく前にこれと同じ商品の中古を某オクで手を出して使えないものつかんで泣きを見たからです。(最初からこっち買っとけよ・・・)

カタログでしか見たことないこのメカメカしい感じ、いいっすね。

カバーを外すとこんな感じ。

 

全部削り出しのような感じですが、この形は前職で得意としていた品物にすごく似ています。私ならほとんどすべて4mm厚の鉄板から霊感、いや冷間プレス成型で作れる自信があります。そうすると今よりもちろん安く、またもっと大事なことでずっと軽く作れます。(無駄な無垢部分をなくせるからです)

構成はこのようになっていますね。メタルディスクは同一のものを裏表で使っているようで特に識別番号はないようです。

クランクと結合する部分が重要ですが画像のようにφ80.01 クランクはφ80.00、かなりの高精度です。ここががたがただったら使いもんになりません。

 

フライホイール重量は5.5kGでした。

 

クラッチ含めてトータル10kGほどのようです。

結構重いです。

こちらがいままで使っていたフライホイールクラッチセット。

ついでですからパイロットブッシュも交換しておきます。あまり痛んではいませんでした。

 

クランクシールは悩んだんですが結局交換しませんでした。

組付けました。

クラッチプレートが2枚になったので芯合わせはちゃんとスプラインのあるものでやらないと2枚のディスクスプラインの回転がずれてだめですね。丸棒ではできません。


2017.1.20

ミッションを扱っていますが極くまれにこのメインシャフトに異常が発生したものが見られます。

 

これは71Cのシルビアのメインインプットシャフトで左側先端がクランクの後端に刺さり、スプラインはクラッチディスクがかみ合うところです。

クラッチディスクがかみ合うスプライン部を拡大するとこのようになっていました。

スプライン歯面は回転トルクに負けて変形してしまっていてスプライン面に完全に段付きが出来ています。しかもその形からクラッチディスクは2枚であることが分かります。

 

相当強大なパワーがかかったと思われますが、メタルのツインディスクなどにした場合、あまりにも圧着力が高いとパワーの逃げ場が無いのでここにしわ寄せが来るのだと思います。このようになるとクラッチディスクは段付きの中で動きが制限され、クラッチが切れずらい、ひどければ切れないでオーバーランなどのことが起こってくると思います。

対策としてはシャフトの材質をもっと強いものにするしかなさそうですね。また、変形状態から熱処理硬度はかなり甘い感じです。HRC45ぐらいにすればいいかもしれないけど、今度はクラッチディスクがどうなることやら。


LSDについて

 

デフ分解組みたて詳細についてはこちら

 

上段が今までのプレート類。下段が新品のプレート類です。

黒いのがスプリングプレートでフリクションプレートを押す役割ですが、いわゆる皿バネですがコイルスプリングが長い線のたわみであるのに対して、短い直線(実際は面)のたわみなのでヘタルのが早いというのが欠点です。交換が無難。交換して再度組んでイニシャル測定で6kgでしたが、しばらく走るとプレートがなじんで5kgに落ち着く感じです。

 

 

 

ここでLSD(差動抑制)について考えてみることに・・・。富士の岡田さんに知恵をかりました。

 

・結論としては(当たりまえのことかもしれませんが)イニシャルトルクはLSD作用の強さと関係が無い。これは岡田さんとも一致した意見です。

 これは片輪が完全に浮いた状態を考えればわかりますが、ノーマルデフでは浮いたタイヤが空転するだけで全く前には進めません。コーナーで内輪が浮いた時もそうです。このときデフの内部ではピニオンメートギヤがデフケースの中で回転して浮いている側のタイヤだけを回転させています。ちなみに両輪が着地して直進している時はデフケースの中でピニオンメートギヤは左右釣り合って回転せず両輪に均等に動力を伝えています。

でもこれだとスポーツ走行では前進力をロスしてしまうので考えられたものがLSDですが、これはピニオンメートケースの中に摩擦クラッチを取り付けたものですがその圧着力はケースにあるカムで得ています。ピニオンメートケースのカムの中でピニオンメートギヤの保持シャフトにあるカムが乗り上げることでピニオンメートを収めたケース(上画像のメートギヤがのっかっている部品)が左右に開くことでフリクションプレートを圧着します。ただフリクションプレートだけでは先ほどのように完全にタイヤが空転している時はカムにも力が作用しないので乗り上げることができずLSDは作用しませんので、そこにスプリングプレートである程度回転抵抗をつける必要があり、それがイニシャルトルクですが、その抵抗力によってカムが乗り上げ作用する力が発生しますのでイニシャルトルクは単にLSD作動のきっかけを作っているだけです。で、イニシャルトルクはLSDの強さそのものではないということです。ではLSD作用の強さは何で左右されるかというとフリクションプレートの面積・枚数と、カムの形状角度となりますね。

 でもLSDというとイニシャルトルクいくつにすると良いかなどの話しはよく出ますがなぜでしょう?   先ほどの話からするとイニシャルトルクを強くするほどLSDの作動がスリップの早期に起こることになりますので結果的には効きが良くなった印象になるのでしょうね。イニシャル2倍にしたからLSD2倍効くとはならないと思います。ここまでは全くのタイヤ空転時の話ですので、タイヤグリップ状態からそこまでの間のわずかに滑っているなどの時のことはそれらの複合作用があるので頭の中でシミュレーションするのはやめときますが、走りのレベルにもよりますがタイヤが路面に接触しているかぎりカムが作動する場面はかなり少なく、通常の走行で一番効果を発揮するのはダート走行や雪道の時ではないかと思います。また、Uターンなどで左右のタイヤの回転に差が出た場合も同じことが起こっていると思いますが、イニシャルが高いと早期にロックに移行するのでロックしたとたんに前進できなくなるか摩擦版がむりやり滑らされるかのどちらか、またはそれが交互に起こると思います。


R192のオーバーホール 

Z432R用です 車体記事こちら

デフをやりましょうということで方針が固まったので早速観察をいたします。

                                           左が180 右がR192

サイドフランジ幅   225  250

コンパニ~リヤマウント 500 510

コンパニ~サイドフランジ400 400

リヤマウントピッチ   80  80

重量 (LSD付)  31Kg  31Kg

 

 

R192・R180ほぼ同じですが幅と長さが少し大きい

今回右側のR192をオーバーホールしますが

現状 ギヤ比は40:9 4.444

バックラッシュは実測0.21 少し大きめ

オーバーオールプリロード 2.73kg/CMとかなり少ない(しかもシール付きで)

LSDのイニシャルトルク 3.5~4.0Kgとまずまずの値

ピニオンのプリロード   1.28Kg かなり少ない(摩耗している)値です

 

入手できる補修パーツは限られますので、完璧にするのはかなり難しそうですが、プリロードは何とか復元したいものです。

 Z432R記事はこちら

 


ドライブシャフトの盲点?
 

ドライブシャフトオーバーホールの詳細は こちら

さあ、完成です。

 

これで150馬力を受け止める準備が整いました。

ジョイントもしっかりしていますので、このまま行きます。

動きが渋いようでしたらジョイント部のニードルベアリングを交換した方が良いです。

 

このドラシャは両フランジタイプと言われる物ですね。

 

前にいろんなタイプのドラシャの画像がありましたが、その中にデフ側が直接ボルト固定でユニバーサルジョイントあわせ面が1セット省略できるタイプがありましたが、そのタイプの方が軽量化出来そうです。

機能的には同等だと思います。

 んー・・・。まじまじ見ると左右のユニバーサルジョイントの位置関係が45度ねじれているなー。

整備要領書にはどうそろえろとは指示がないし、左右単独でもバランスしているので問題なさそうだけど・・・。 

十字ジョイントの場合十字ジョイントのある方向の時には傾いた状態での回転抵抗に差が出るような記憶があるんだけれど・・・。 

最初のドラシャの集合写真を見ると左から2番目を除いて全部で同じ方向を向いているなー。

 

んー・・・。 

 

やっぱりいつまでたっても気になって十字ジョイントについて調べて見た所。GMDという十字ジョイント製造会社に技術説明があり、やはり位相を揃える必要があるようです。集合写真の多数意見がやはり正しく

ヨークが同一方向であることが必要です。45度はだめです。そして90度のやつが1個あったけどあれは何かいな・・・。やはりこれをずらすとドラシャの回転が不均一になり振動や定期周波のうなり音・ジョイントベアリングの破損などにつながると思います。(思えはプロペラシャフトにも同じような機構があるけど大丈夫だろうか・・・?。)

 

ともかく もとい! です。

 

整備要領書にはこのようなあまりにも技術的初歩の常識は書かれていない場合が多いですね。わたしは今回は○十年前に学校で習った機構学の授業をおぼろげながらも思い出し、初めて役に立ったと言う気がします。やはりあなどれない学校の一般教養授業と先生に感謝!

 

結局やり直しました。

この画像の状態が正規ということでいいと思います。

ヨーク同士が位相がそろっている状態です。

 

バンドを結局2セット分無駄にしましたが、それだけの必要性はあったと思います。

 

これでドライブシャフト特集は終わり、組みつけに入ります。 

その3に戻ると続きが見れます。

 


ドライブシャフトの長さについてこれがもっともちじんだ状態で415mmです。この状態でR200デフへドライブシャフトボルトを付けない状態で組み付け可能で、フルストロークまであと10mmぐらいではないかと思います。

 

訂正:画像よりこれが最も伸びた状態で415+10=425mm 正確に測ると430mmぐらいとなる様です。

 

最も伸びて430mm

最も伸びた状態で495mmです。したがってストロークは。これならボール列をもう1列増やせそうな感じがします。おや・・・・。

 

訂正:画像より最もちじんだ状態で395mmです。

 

ストロークは35mmです。