100日時計の魅力

先日工房の時計が壊れ、代わりにゼンマイ柱時計を入手していますが、その時同時にたまたまこの時計も衝動買いいたしました。これで○○○円 3ケタです!

この時計のどこに引かれたかというと 文字盤にある 100DAY のロゴです。

これは一回フルにゼンマイを巻くと 100日間!動き続けることを表示しています。

我が家には4台のゼンマイ時計がありますが、どれも30日巻きでせいぜいです。

 

これは日進時計(当て字は自信なし)というところで作ったメイドインジャパンです。

このころは日本にもたくさんの時計メーカーが有ったんですね。今は2社しか思い浮かびませんが。

このような技術は日本からは消えてしまったんでしょうか?さびしいです。

この時計は計時をするために振子の代わりに下部に4個の重りがついており、これを柱の頂部の固定具でつりさげています。この間はピアノ線のような弾性のある針金でつながれた状態で、この重りが水平方向で回転反復運動をします。この反復の間隔が一定であることを利用して脱進器で時間を拾っています。重りには軸受の様な回転力をロスする部分がなく、ピアノ線の内部ヒステリシスのみで機能していますから非常に効率が良いのです。今でも時計屋さんに行くとこのような回転する飾りが付いている電気時計を見た事ありませんか?それはこれを真似して、逆にモーターで重りを回しています。内部はクオーツです。

今回、不動とのことで入手していますが、わたしはこのピアノ線が切れているだろうことは覚悟していましたが、幸い問題なく歯車もきれいな状態です。もしピアノ線が切れていたらエレキギターの弦を流用するつもりでした。

 

訂正です。今日 一級時計技能士のところへ行ってこんな時計手に入れたよと自慢していたら、その時計は時間合わせが難しいでしょ とおっしゃる。何故と聞くと重りをつっている線がよじれるからとお答えになりました。それってピアノ線みたいなもんでしょというと、「違います。厚さ0.08mmの平板です」との御宣託でした。 あー 切れたらどうしよう あー よじれたらどうしよう やっぱりゼンマイ時計の世界は甘くはないようです。 

3日間動かしましたが問題なく動いています。精度もかなりいいようで、時間誤差はわずかです。(私はこの手の時計は±10分は精度がいいと考える人間です)

文字盤のデザインも上品な感じで良いです。金メッキがさすがにはげてきていますが、ビンテージを珍重するならこのままがいいですね。

この時計は10秒に一回しか脱進しませんので、コチコチ鳴る音が少なくすごく静かですので、リラックスする為の部屋に向いていると思います。またゆったりと回転して反転前後で緩やかになる回転運動を見ていると魔術にかかったかのようにゆったりとした気分になります。