71BコンパチC 各バージョンの詳細については こちら をご覧ください。

 

71BコンパチCα74~

2020年3月10日

71BコンパチC α74

今回は少しいつものコンパチとは異なりますが、いわゆるカマ替えの71Bですね。私がコンパチミッションを作り出す以前の71C化の手法であることが一目瞭然です。リヤエクステンションは当時定番のR32用を使っていますがこの方法だとミッションメンバーを切り貼りで3CM程後ろにオフセットしなければなりません。またリヤエクステンションのシフトボックスも巨大ですのでハコスカだとフロアトンネルに干渉する場合があります。ハコスカでこの状態で20万Km走ったということですのでかなり長距離走っています。

 試験機にかけて試験するとゴトゴトゴトというようなひどい異音がします。通常の回転試験ではこれでは不合格レベルの音がしています。

シフトについて4速がかなり違和感があり、5速もすこし変です。ほかのポジションは良いようです。

メインインプットをゆすってみると明らかに私がやっているものとは振れガタが大きく感じられます。

ミッションケースからばらしましたが先ずミッションケースの加工がかなりひどいことになっています。画像で分かりにくいかもしれませんがベアリングが入るカウンター(画像上側)側の肉厚を5mmも削り取ってあります。これはカマ替えが流行った当時良く聞いた噂で、この部分を周囲の面まで削って71Cではカウンターについているシザースギヤ(チャタリング音キャンセル機構)との干渉を逃がす必要があるというものですが、これについて私は何度も検証してこんなに逃がす必要は全くないという結論を出しているところで、自分はこんなに広範囲に深く削ることは全くしていませんで71Cコンパチ化を実現しています。

これがノーマルの71Bのフロントケースで上記の画像と大きく異なることが分かると思います。

 私も71Cコンパチ化でこのままではだめなことはわかっていますが、追加工の量ははるかに少ない量で良いことが分かっているので、できる限り強度を減らさないために最小限の加工しかしていません。

この部分の肉厚を測るとノーマル16mmに対して11mmしかありませんので、ここは70%も板厚が減っていることになり、特にカウンターベアリングの先端を保持するベアリングが入るところですから影響がないはずはありません。

この5速のニードルベアリングをガイドするカラーですがこんな変な摩耗状態です。理由はよくわかりません。

メインシャフトのセンターベアリングですが明らかにガタが大きいのですが、ベアリングの仕様を見るとここにCX21という記号が見えますが、私はこの仕様は使っていません。外観的には激しく長時間使って摩耗したようには見えないので非常にガタが大きいのが不思議なのです。

こちらはやはりガタの大きかったメインインプットのベアリングですが緒言記号が消えてしまっています。

これは外輪が連れ回りした証拠で状態としては非常にまずい状態で、このままずっと使っていればいずれはミッションケース側がどんどん摩耗して穴径が拡大してゆくことでしょう。削れてはいますが記号を何とか判読するとやはりCX21という記号が見えます。

このベアリングをミッションケースに入れてみるとそこに置いただけで下の方までスルッと落ちてゆきます。完全にケースに対してガタが出ている状態です。

画像取り忘れました

分解前の現状ギヤ精度測定

 1ST  2ND  3RD      5TH

エンドプレイ

0.40 0.14 0.43 --- 0.19

バックラッシュ

0.19 0.28 0.24 --- 0.05

 

この中で太字は規格限度からかなり大幅に外れています。

 

ただ不思議なのは各ギヤやシャフト類はほとんど新品状態に見えるので最近メンテしているのかもしれませんが、それではなぜこのギヤ精度なのでしょう?

そう考えるとつまりギヤ以外の所に問題があると考えてよいと思います。

 以上、現状がつかめました。

このカマ替えのうまく動かない71Cミッションに対する私の考える対策としては

・フロントケースの交換、ベアリング逃がしフロントケース削り加工の最適化

・ベアリング ボールとニードル含めてすべての交換

・オーバーホールとしては当然フルオーバーホールとなります。

 

もっとより良くするには

・4速までダブルシンクロの 71BコンパチC Ωバージョンにバージョンアップ

・リヤエクステンションをこの不格好な71Cから 純正の71Bリヤエクステに換える。純正ミッションメン  

 バーをもとに戻すことになりますが何とかなると思います。

全部バラバラにしてから組みなおしています。

オーナー様とのご相談でだいたい上記の改造方針で固まり、進めてゆきます。

特に大きな変更は純正でもなかった仕様の4速をダブルシンクロ化ですが、そのため今回はαバージョン改めΩバージョンとなります。

 ただしリヤエクステンションについて71Bに換えることを何回か進めたのですが、今までこの71Cで慣れているからということでリヤエクステはこのまま71Cで行きます。

 

ギヤ精度 

エンドプレイ

0.32 0.19 0.21 --- 0.20

バックラッシュ

0.15 0.27 0.21 --- 0.08

この中で特に3速のエンドプレイが改善している。

2速3速のバックラッシュは相変わらず上限ぎりぎりだが、ベアリング類すべて交換してこの状態だとギヤ自体の摩耗とか作りということであろう。

 

今回交換したパーツ達です。

シフトロッドを組みます。このミッションはR32ベースなのでバックのシフトにリンクが付いているバックリンクタイプです。71Bでバックギヤを入れるときにギヤ鳴りしてギヤを摩耗させてしまうことへの対処設計変更ですが、動きとしてはバックに入れる前にリンクで他のギヤの回転動きを抑えるというものですがうまくいかなかったようでメーカーはこの部分の処理に苦慮してこの後バックにシンクロ付きに推移してゆきますが、それでもこの現象は解消できないで終わったところではあります。 でもこれらはみんなユーザー様が車が完全に停止してからバックギヤに入れるという当然のことを守ってくれれば全て問題なかったところなんですけどね。

シフトフォークの組み付けが完了です。

コンパチミッションとしては今はほとんどが71C最後期のバックシンクロタイプに推移しているのでこのバックリンクタイプは久々でした。

 

ケースに組んでいきますが71Cのリヤエクステンションは外観はがっしりしているようにみえるが中から見るとその壁の肉厚は極限まで薄くされている。こうすることで71Cのギヤの重量増分をキャンセルしているのではと思われる。

 

71Bのリヤエクステの肉厚はやはりかなり厚く安心感がある。


 

そして71Cのもう一つ大きな違いがこのリヤエクステに内蔵されるシフトブロックである。71Bはシフトロッド直結であるが71Cはここでもう一度つなぎなおされていて、左右のシフトコントロールは下側に出たツノを左右の大きなネジの中に内蔵されているコントロールピンで押えることで行っている。

 

横にするとこのように段違いの構造でこの段差分横方向のシフトストロークをクイックにする働きをしているのだが、機構的にかなり無理があるように思える。この構造故、前後のシフトストロークも71Bとほとんど変わりません。(クイックかどうかはシフトレバー支点下の長さで変わる)


今回も回転試験をして完了です。


2020年3月15日

71Bコンパチc α75

引き続き今度は完全なコンパチc αバージョンを作ります。メインシャフトは新品の在庫品を使います。

1-2速のギヤ組

今回は3速は新品ギヤを使います。ドナーの仕様や状況でこの辺は臨機応変で進めてゆきます。

 

αバージョンは2速3速がダブルシンクロ

1速、4速は大径シングルシンクロとなります。

ギヤ精度測定

エンドプレー 

0.37 0.08 0.18 --- 0.09

バックラッシュ

0.05 0.11 0.19 ーーー 0.05

 

良い値です。

シフトフォークも組みました。

今回はバックにシンクロが付くバックシンクロタイプです。5速のギヤ比は71C定番の0,75です。

シフトフォークは全てアルミで軽量化され、その分断面積を大きくして強度を稼いでいます。