S20エンジン用 71A3分割ミッションスペシャル γ29~

ここからは前ページγ28からの続きです

 

リヤエクステのシフトリンケージの分解です。スプリングの付いたプランジャーはヘドロのようなオイルがこびりついています。

右上のプランジャー2本はフルOHでは2本オーリングに改造するのですが今回は最小限仕様なのでこのままオーリング交換して組みます。

ここで問題発生、黒いシフトブロックを抜かないと組み付けが出来ないのですが、支点軸を横から打ち込んで固定しているφ2mmのピンがどうしても抜けません。向こう側にへにゃへにゃに曲がったピンポンチが見えます。この固定ピンを打ち込むとき支点軸側の穴と軸をちゃんと揃えないで打ち込んだと思われます。---ここも私のやったことでは無いので身の潔白の為記しますーーー

 

この後このピンをドリルで揉んで外そうとしたのですがこのピンはピアノ線のような材質でとても固く歯が立ちません。放電加工で抜くしかないかも。

黒いブロックを抜かないとこの組み付けのところで打ち込みパイプとブロックが干渉してだめです。打ち込みのところで穴がずれてしまっています。

仕方ないので手持ちの代品と交換ですが、もちろん一つのミッションケースに一つしか付いていないのですからそれなりの金額で25000円となります。

 

今回はオーナー様がこの部品を持っていましたので代品で送っていただき費用アップにはなりませんでした。

ここのストライキングオーリングはオイル漏れが多いところなのでサービスで2重オーリングとしておきます。

さて、フロントケース側に来ましたが、このフロントオイルシール取り付け面もやはりリヤと同じように縦キズが入ってしまっています。シールプーラーが安物使っているのか掛け方を間違えているのか、やはり荒いやり方ですね。

さて、ここに来てまたしても問題発生でフロントケースにはエンジンバックプレートやセルモーターやクラッチオペレートを固定するためのネジ穴M10p1.5が9か所あるのですが、その中でも特にバックプレート固定用のねじ穴が5か所ほとんどこのような状態で入り口側から3mmくらいネジがズル剝けています。奥にはまだネジが残っているので締め込みは出来そうですがあまり芳しくないことではあります。このS20用71A3分割ミッションはかなり高価(だいたい15万円ぐらい)ですが、その大部分の価値はこのミッションフロントケースにあります。L型用なら2足3文ですが、S20ではこのケースが貴重です。で、このネジ穴をヘリサート修正するにはかなりのリスクが有りますので、1穴5000円の加工費となります。実際のところこれをやってくれるところはかなり限られると思いますが、なぜなら失敗したら他のを持ってきてなんてことがそうそうできないですから。

フロントケースについてはオーナー様がいろいろ探してくれたのですがあまり良いものが無く、元品の5カ所の損傷具合を分別してひどかった2か所をヘリサート、他の3カ所は再タップでしのぎました。10000円の費用アップです。

 再タップ部分は入り口側が以前としてネジが有りませんので組み付け時ネジが奥まで達しているか長さ確認が必要です。

何とか完成して回転試験までこぎつけました。

 

今までの費用を合計すると

単純オーバーホール 155000円

ボールベアリング交換2個 7000円

シンクロリング3速4速交換2個 24000円

3-4速スリーブ交換 8000円

5速裏スラストニードルオプション 30000円

ヘリサート2か所 10000円

送料・梱包 5000円

合計239000円(税除く)

 

γバージョンの全ベアリング・シンクロ・シンクロブレーキ・弱点修正ハンドワークなど含んで5速裏ベアリングオプション付きで345000円ですので単純オーバーホールの方が費用は安いですが、単純オーバーホールの場合組み付けまでの初期保証しかなく、その後の修理は全て有料となります。ベアリングシンクロはもちろんのことほとんどの部品は交換していませんのでどこまで持つかは運しだいですね。