2019年12月26日

71BコンパチC α33→Ω23

 

2014年6月にかなり初期の段階でのαバージョン33を採用していただきました大阪のハコスカL3.1のオーナー様から5年経ったのでメンテナンスをしてほしいとご依頼がありました。自分の作ったミッションが仕事を終えて帰ってきてくれることはうれしい限りです。

 早速分解します。

そして精度測定

2014年 α33製作時の精度

       1ST  2ND  3RD  5TH

エンドプレイ0.42 0.22 0.28 0.07

バックラシュ0.15 0.25 0.22 0.03

 

 

2019年 5年後のα33 の精度

 1ST  2ND  3RD  5TH

 0.30 0.25 0.35 0.07

 0.15 0.24 0.25 0.07


ギヤ精度は5年ではほとんど変化していないですが、3RDのエンドプレイが大きめになってきたと言える変化は見られます。

緩みが出やすいM38は全く緩んではいません。

メーカー製作したままの71Cの中古だと50%ぐらいは多かれ少なかれ緩みが出ていて、加締めでかろうじて止まってゆるゆるしている場合が多いです。

ギヤ類、シンクロリング共に異常は見られないようです。ただシンクロリングはルーペで拡大しないとわからないほどの摩擦面のギザギザの先端が減ってくるとシンクロの効きが悪くなるので摩耗の判断が難しいです。メーカー取説ではシンクロとギヤの間の距離が0.8mmまで減ったら限界となっていますがそれだけでは目安に過ぎないと思います。

シフトフォーク系も問題なさそうです。

 

今回は負担の大きなメインベアリング系の2個と

カウンター先端ベアリングを交換

 

最新バージョンの4速までダブルシンクロのΩバージョン化。高速でのシフトが楽しくなります。

 

シンクロリングは大事を取って全数交換

 

シール類はもちろん交換ですが残りのパーツはそのまま流用してゆきます。また、外観をきれいにしたいとのことでブラスト加工することにします。

 

5速のギヤ比をもっと高くしたいとの要望がございましたがこの時点で71Cのハイギヤード0.75のギヤ比なのでミッションではこれ以上高くはできません。L3.1で大きなトルクが出ているのでしょう、このギヤ比でも低すぎなようです。デフが4.1だとのことですがL3.1で高速走行なら3.9が良いと思います。私の所でもR200の在庫とオーバーホール、LSDの調整が可能ですのでお申し付けください。デフ変更で計算上現在が100Km/Hで3200rpmなら3043rpmに回転が下がります。

メインインプットはΩバージョン化してゆきますので、ダブルシンクロが取り付けできるように改造しています。

ダブルシンクロにすると

上側の大径シングルのシンクロから

下側の3ピースのダブルシンクロになりますので、シンクロ負荷面積が格段に大きくなり、シンクロ作用が強化されます。

5速は0.75ギヤ比

シンクロは交換してゆきます。

α33時代はまだこのサイドロック加工が思いついていなかったので、今回追加してゆきます。

Ωバージョンで組み付け完了しました。

ギヤ精度

  1st  2nd  3rd     5th

エンドプレイ

 0.36 0.21 0.27 -- 0.22

バックラッシュ

 0.10 0.22 0.18 -- 0.07

良い値です。

 

組み付けに入りますがフロントベルはブラストかけて新品の様です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リヤエクステンションも同じく何かのオブジェのようになっています。


 

試験で違和感が有ったのでスリープを新品に交換

3-4シフトフォークも重い鋳物製からアルミ製新品に交換

最終回転試験をして完成です。ブラストかけたので新品の様です。

これでコンパチシリーズも進化して最終型の4速もダブルシンクロのΩバージョンとなりました。


2020年2月8日

自分用の71BコンパチC Ω24クロス

ここで現在の力量で自分用のミッションを組んでサーキットでの走行試験に備えます。品質確認のために定期的に身を挺してトライをしております。

 

この個体にはバックアイドラーにシザースギヤが設定されていますが、性能にあまり関係のないところですがその効果を確かめるために使ってみます。

組み込むギヤはカメアリクロスギヤで2.4から始まる現在市販されている中では最もクロスしているギヤとなります。

カメアリのギヤは初めからこのように真っ黒に表面に潤滑処理がされています。

サクサクとシフトフォークまで組みました。

ギヤ側、今回は5速は0.83として5速全開時のエンジン回転をより高回転側に変更してゆきます。おそらく藤野メインストレート第一コーナー前で230Km/hで7000rpmあたりになるはずです。

 

 

ギヤ精度

    1ST  2nd  3rd    5th

EP 0.35 0.10 0.15---0.20

BR 0.15 0.23 0.30---0.07

ケースに組んで完成ですが今回はケースをブラストしたのでものすごくきれいになってまるで新品のような状態になります。フロントケースはL1刻印の初期物、リヤエクステは71B最後期のものを使用しています。

 

この後の車への搭載

富士スピードウェイでのいきなり全開走行の状況がこちらでご覧になれます


2020年2月17日

71BコンパチC Ω25 CROSS

 大阪の方よりハコスカ用にΩバージョンでご要望がございました。仕様としては上記の自分用とほとんど同じ仕様で、カメアリクロス・5速0.83・イーザ方式クイックシフトなどなどとなります。

 

画像では部品を集めに入っていますがメインシャフト・メインインプット・1-2ハブスリーブ・3-4ハブスリープ・1-3カメアリクロス・カメアリクロスカウンター・5速0.83ギヤ・バックメインギヤ・5-バックハブスリーブなどなどほぼ90%を新品部品で組みます。今回の私のもそうですが新品部品で組みますと最初の数100Kmはシフトが固めですがだんだんと入りやすくなる現象を経験できます。

 

センタープレートは私のと同じ様にオイル偏り防止フラップレアアイテム付きを使います。

ここも同じくミッションオイル温度測定用センサー取り付け穴を置けておきます。(センサーとメーターはオーナー様の要不要判断でどうするか決めてください。とりあえずはプラグで塞いでおきます)ミッションオイルがだいたい100度を超えると入りが悪くなってくるようですのでミッションオイルの寿命判定などにも参考になりそうです。

組み立てに入った。

今回はハブスリーブも新品使用。

3-4速側の組み立て。

箱はメインインプットの新品が入っている。この後、このメインインプットギヤをダブルシンクロのΩ化に改造してゆく。

5速バック側の組み立て

バックシンクロ付きでほとんど新品で組んでいる。

5速のギヤ比は0.83を選択している。こうすると5速の加速感が素晴らしく良くなる。

ギヤ部の組み込が終わり精度測定

 

 

エンドプレイ

0.31 0.18 0.13 --- 0.24

バックラッシュ

0.12 0.22 0.13 --- 0.08

71Bケースに組んで完成です。

リヤエクステは左サイドに小判型のバックチェック機構がある(今はまだ取り付けてない)タイプなので、5速からはストレートにはバックに入りません。一旦ニュートラルに振ってからバックに入れるようになります。

 シフトブロックは耳長タイプで私の考えたイーザ方式クイックシフト化しています。

 

外観的には今回は特殊ブラストがメニューにしなかったのでピカピカではないですが、それなりに歴史というか貫禄が見られます。

ウサギの耳はこのようにしています。

クイック用シフトレバーを作りますが上がクイック

下がノーマルですので、そのクイック度は一目瞭然です。これをシフトブロックの上側の支点に取り付けます。

 白い小判型のブッシュを画像で左右を逆に入れ替えればノーマルと同じ取り付けに戻せます。その場合はシフトブロックの下側の支点を使います。

取り付けるとこんな感じになります。

このようにするとクイック化はもちろんですがブッシュが全面受けとなるのでシフトレバーの左右のガタが出にくくなります。

 シフトした感じは前後ストロークが60%ぐらいに減っていることになりますが、実際にはコンッ、コンッという感じのシフト感になります。

先ずはこれで完成です。

今回はこれにイーザンハンドメイドシフトノブ 紫檀+赤バッジの組み合わせとなります。