L型エンジンの魔界転生

 

自動車エンジンについて感じることは機械がきれいに同調して大きな力を生み出すその不思議さというか驚き、感動だと思います。普通の人間が日常の中で操り発生できる道具の中では最も大きなパワーだと言えると思います。そのパワーをより大きく生み出したいと思うのは当然のこととですが、そこにエンジンチューニングという歴史が出来ているわけです。世の中にはたくさんのエンジンが有りますがそれらのエンジンの中でも特にL型エンジンはいろんなバリエーションと歴史があり、これらがすべて同じ原型から派生しているのは驚くばかりですが、まさに魔界転生の世界です。

 

L型エンジンについて 

L型エンジンが私にとって魅力のあるところは、いろいろなバリエーションがあるところです。このL型エンジンだから、私がS30Zをライフワークに選んだ理由の70%を占めていると思います。

やはり長い間作られたエンジンであるし、用途も高級車から商用車までに使われていたりと様々ですので種類と玉数が多く、また競技用として数多くのアフターマーケットが存在しますので、エンジンメカ好きにとっては絶好の素材なのです。

つまりこのエンジンはスタンダードであり、スペシャルではありません。 

一般的にはスペシャルに価値があるとみられますが、わたしはこのスタンダードにこそ価値があると思っています。なぜならスペシャルはその時点で考えられる最高の仕様でお金をかけまくって作ればいいのですからやろうと思えばできますが、スタンダードには定義がありません。あとからスタンダードなエンジンだったと分かるのです。自動車の歴史の中で数あるエンジンの中でなぜこのエンジンは今だに生き残っているのでしょう? それはスタンダードであることが大きな要因だったのではと考えます。

それになんと言っても安いです。これは凡人で小心者である私にとって非常に重要なことです。 

あまりにもスタンダードで安いエンジンをどこまで自分の知識とクラフトを使って、自分の考える方向に近づけられるかを模索することは私にとって喜びであります。

 

とここまでが、煩悩を正当化する為の能書きです。 

 

 

L型エンジンには ご存じの様に2000cc・2400cc・2600cc・2800cc までありますが、外観はすべて似ており、かなり互換性があります。

 L型兄弟の中でも2000ccと2400ccは下の兄弟でほぼ似ており、L24はL20のボアを83mmにしたものです。ですからL20のボアアップ限界は83mmです。

ここから考えるL20エンジンの強化改造の可能性としては

 

1)L20を83mmにボアアップする。ピストンはL24(26) 2400cc

2)L20を83mmにボアアップしてピストンはL24(26)クランクとコンロッドはL28   

  2600cc  ボアストローク 83×79mm

3)上記に対してクランクをLD28 ピストンを特注 2700cc

 

 結論とすれば 外観的にL20の範疇で魔界に入るには2600ccまでが限界となりそうです。 あと、LD28クランクにする手もありますが、かなり無理がありそうです。

 これにさらにヘッドをL20からL28の中でどれを使うかも選択枝になってきますね。それぞれ吸排気バルブの径が異なります。燃焼室容積の考慮もありますので選択には悩むところです。

 

 

 

 

次に上の兄弟の2600ccと2800ccはほぼ同じ仕様の様です。こちらはボアアップ限界は89mmというのが通説です。こちらでの強化改造案を考えますと

 

1)L28のクランクをLD28にする。純正ピストンを低頭加工 2900cc

2)L28を89mmでボアアップピストンは特注で     3000cc

3)L28を89mmでボアアップピストンは特注でクランクをLD28 コンロッドはL20で       

       3100cc ボアストローク 89×83mm

 

したがって、L28ベースで強化できる上限は3100ccとなりそうです。

 (削り出しクランクや削り出しコンロッドを使うならもっといけますけどこれは別世界です)

 

以上、社外品のコンロッド・クランクなどを使わないとすると大まかな改造仕様は上の様になりそうですが、実際は圧縮比の確保、ヘッドの選択、カムの選択、バルブの選択などでもっと選択枝が広がります。

無条件で最大の戦闘力を付けようと思ったら当然選択するベースはは2800ccとなります。

 

2800ccのなかにも、いろいろ種類があるようで、すべては網羅できないですが

大きく分けるとS130を境に少し進化の度合いに違いがありそうです。

 

ということで私の考えるL型エンジンとしては L28 に的を絞ることとします。

 

【 L28エンジンの種類 】

 

・L28エンジンは分かりやすいところではS130フェアレディーに搭載されていました。スカイラインやセドリックにもあったかもしれません。

この中でも N42 という浮き出し刻印のあるエンジンはスポーツ仕様であることで有名です。

腰下についてはケース肉厚が厚いなどの強化がされているとか聞いたことがありますが、詳細は不明です。ヘッドについては一目瞭然で違うところがありますが、それはマニフォールドの形状でN42は大きくなっています。改造ベースとしてはこれが適していることは分かりますが、現在ではレアパーツとなっていてめったに出てきません。

 これに対してP90浮き出し刻印のL28はS130にも多くあり、一般的で玉数もまだあります。それにこちらの方が新しい世代でそれなりに精度が上がっているとの見方もあるようです。

今回はこちらのN42腰下を題材としました。この腰下にひとつ利点がありますのでおいおい流れの中でご説明していきます。

 ヘッドはN42を入手できたのでこれを使用します。これは先ほど述べたように、すでにマニフォールドが大きいです。

 

L型エンジン全般的に選択時の注意点として

・オイルパンのオイル溜まり(出っ張り)の位置として前溜まりと後ろ溜まりがあり、この差は大きいので改造は大掛かりになるので、車による仕様を確認必要。

・マニフォールドに板金製のパイプが鋳こまれているものがある。これは問題外。

・インテークマニフォールドに燃料噴射バルブの通し穴がありなしがある。大きな問題では無い。

・クランクキャップとカムフォルダーはエンジンとセット一対であり、他のエンジンから流用は出来ない。

・カムの潤滑方法として内がけと、めったにないけど外かけ(=カムの横に沿ってカムにオイルを掛けるための潤滑パイプが設置されている)がある。それぞれ専用のカムが必要となる。

 

 

 

 

2018年2月26日

L型エンジンヘッドの加工

N42ヘッドを手に入れていたので、加工に入ります。付属物をすべて取り外してゆきます。分解時にはなるべく各部の消耗や破損が無いか調べて必要時は修理をしてゆきます。またほとんどすべてのパーツに識別記号を記して再現性を確保しておきますのはせセオリーですね。

ヘッドを単体にしたらインレットポートをマシン加工で粗加工をしてもらいます。かつてはここを手作業で恐る恐るやっていたわけですが今はマシニング加工が安くできるようになり、ポート拡大の最適条件でこの加工をやってもらえると非常に助かります。これをベースにさらにハンドワークしてゆきますがそこからが個性の出るゾーンとなってゆくはずです。

 

エキゾーストポートはそこまでデーターが集まらないらしくまだ機械加工は無理の様ですのど、こちらは全てハンドワークです。

燃焼室側からは機械加工が難しいのでこちらもハンドワークします。

(*このポート加工についてすべてマシニングの3次元数値制御プログラムで造形加工してくれるところもありますのでお金が余っていて、アルミの粉を頭から浴びずに楽をしたい場合はそちらの選択もありますけど。)

ここで少し寄り道してカムホルダーを固定するネジ穴の補強をします。カムホルダーは画像上側の列はヘッドボルトで共締めされるのでいいのですが、下側の列5か所はヘッドにそのまま固定されます。エンジンヘッドはアルミですのでM8程度のねじでは十分な強度がありません。規定以上に締めすぎるとネジがズル剝けします。実際にそうなっているのを何回か見ました。

そこでこちら側の5か所はヘリサート加工しておきます。


2018年4月13日

LD28クランク

本業が忙しくてなかなかエンジンに手が付けられません。ここで目先を変えてクランクを先に加工に出します。

 LD28クランクでもう15年ほど前にL3.1を夢見て買っておいた中古品ですが、程度は悪くはない様です。振れは0.05mm(曲がりで0.025片側)でしたのでまあまあの値です。

 まずはグラインダーである程度余分なところを削り落とします。なるべくウエイト側は削らないようにして、コンロッド側を削りますが、大胆にやるならもっともっと削る部分はありますが、バランスが取れなくなるとまずいのでこれくらいにしておきます。

こちらが削った後

あんまりよくわかりませんね。

 

この後加工屋さんで1本キー溝加工とバランス取をお願いします。

クランクを見るときいつも不思議に思うのですがこの一番後ろの親メタルベアリング軸にはオイル供給穴がありません。今時点で軸受側がどのようになっていたのか思い出せませんが、どこかでオイル供給していたっけかな

 

もう一度思い返してみたらクランク親メタルへは全箇所オイルラインからそれぞれのメタルに給油されています。ここだけはコンロッド側の子メタルへの給油穴は省いて油圧低下を防いでいるようです。それだけここは負荷が高いということですかね。

 

2018年5月9日

いわゆる1本キー溝加工です。これをやらないとクランクプーリーが空回りするようになってしまいます。

バランス取の為にウェイトに穴加工されています。

こういうところの無駄な肉も取ってゆきます。できるだけコンロッド側小端部を削り、ウェイト側は削らないようにします。また回転した時のオイル攪拌抵抗がなるべくかからないように削ってゆきます。

今までのところは加工屋さんでやってもらったところっですが、ここから常ずね疑問に思っていたことを修正してゆきます。それはこのオイル穴なのですが大きな面取りがされています。

真上から見るとこのようになっていますが面取りは軸方向に長く周方向が短かく、これは撮影条件的なことでは無く実際もこうなっています。やってみるとわかるのですが円筒状のものに穴をあけてそこを面取りすると必ずこうなります。円周方向は向こう側にどんどん回り込んでいるので当然こうなります。逆に周方向にまで面取りが達するためには軸方向をここまで大きく面取りしないとなりません。

 

その結果どうなるかというと・・・

メタルの溝幅以上に面取りがはみ出すことになります。その部分は過重を受けれないし、傷が入りやすくなると思います。メタルの溝幅はどうしても必要なので仕方ないですが、溝以外のところはすべてプレーンで受けたいですがそうなっていません。

  生みの親の大メーカーさんがやっていることですからほんとは何か別の意図があるのかもしれません。そんな情報をご存知の方は掲示板などで教えていただけると嬉しいです。

これを防ぐためには面取りカッターをもっと小さくしてその状態でクランクを周方向へ左右少し回転させてやれば(またはカッターを左右に振る)いいわけなんですがなぜかそのようにはしていません。あまり難しい事ではないんですがなぜやらなかったんでしょう? クランクの油圧経路なんて全体の中では微々たることで気にしなくてもいいかもしれませんが私は非常に気になります。なんせここで300馬力を受け止めるんですから。

軸方向の面取りはもう戻しようが無いので、周方向の面取りを周方向にだけさらに拡大してゆきます。こうするとオイルの受け取りタイミングも増すはずです。1か所で裏表あり、クランク大端部、小端部それぞれに穴が同じようにありますのでこれらをすべてハンドワークします。先ず超硬バーでペンシルグラインダーで削り次にPA砥石で磨き、最後にサンドペーパー#1000で仕上げます。

プレーンベアリングはオイルでフローティング状態にすることで摩擦を減らしており300馬力で押し込んでも金属同士は接触しません。オイル供給は重要です。

 クランクはこれでほぼ仕上がりです。


LD28の腰下

2018年4月23日

ここでドナーとなるL28エンジンの分解に入ります。15年ほど前に手に入れていたエンジンですが程度はあまりよくありません。

 N42腰下でしかもオイルフィルターの周りが真ん丸のいわゆるマニアブロックということらしいです。その当時あんまり考えていなかったけど他のものよりベースとしてよろしい様です。ヘッドもN42のキャブタイプですがこちらはあまり程度が良くないので別のインジェクションヘッドを入手してそちらを使います。

 

フロント周りですがサビサビの状態です。

 

先ずは全部分解してゆきます。

タペットカバーを開けました。

ロッカーアームピボットのねじを緩めて最も隙間の大きい状態にして、画像の自作特殊工具をアームの穴に突っ込んで引き上げる感じにしてからピボットの頭の横にずらしてアームを外してゆきます。この時反対側のロッカーガイドが飛び跳ねてどこかに行ってしまうときがあるのでこのように手で軽く押さえています。実はこの時すでに3個どこかに飛んで行き、2個は見つけたのですが1個は行方不明となりました。

 

カム面を見るとかなり深い打痕が見られます。カムはオシャカ(注:使えないものになること)の様です。

 

 

 

カムの打痕

 

 

クランクプーリーを外します。かつてはこれを外周にプーラー引っ掛けて外していたのですがそれをやるともちろん中に仕込まれているダンパーゴムが引きちぎれる可能性大です。今回はプーリの凹みの中に2か所見えるM6穴にスライドハンマ噛ませて抜きました。

オイルポンプ外して・・・

カムを外して(カムは前側のロケートプレートを外せば抜けます)、ヘッドを手で引き上げればヘッドが分離できます。ピストンが見えてきました。

 

 

バルブ側ですが見たとこ何ともない様ですがこのヘッドは水穴の錆がひどく、またバルブガイドの消耗も大き目でしたので今回は使いません。

シリンダー側。こちらは使いますのでどんな状態か気になります。

ここからはエンジンを回転する場面が出てくるのでエンジンスタンドに載せます。

 オイルパンを外したのでクランク側が見えてきました。キノコのようなオイルストレーナーを外してゆきます。

 

フロントカバーを外すとよく言われることですがチェーンテンショナーが飛び出しているのが分かります。今は大抵飛び出し防止ストッパー付テンショナーに換える場合が多いですね。

ピストンを全部抜きました。コンロッドボルトを外して裏側から適当なもので押し出してやれば抜けますが、それぞれの気筒で抜ける位置があるので順繰りにやる必要があります。

 

それにしても内壁はヘドロのようなオイルが焼き付き気味にこびりついています。この掃除は大変だー。

ブローバイの出口のところですがめくら蓋でふさいであったので余計にそうですが盛大にスラッジが堆積しています。画像では灯油を入れて放置しています。

黒光りしている壁面をスクレーパーでつつくとこの様にスラッジのようなものが出てきます。スラッジがオイルと混ざってワニスのようになって皮のようにはがれてきます。ここはイモノなので鋳物砂が脱落しないよう触らない方が良いという見方もある様ですが、このエンジンはエンジンオイルを何回かえてもすぐ真っ黒ですのでこのようなところが原因ではないかと思いますので、この際できるだけ削り取ってゆきます。もちろん鏡面加工までやるつもりは毛頭ありません。

一か所だけでも削っていくとこんなに出てきます。この物質は何なんだろう。

気が済むまでエンジン内の黒いところをつつきまわしたら、次は水穴です。シリンダーの周りの冷却水通路をつつくとやはり盛大に錆びが出てきます。最初はゴソッとかさぶたのようなものが大量に出てきます。これがそのままだったらいくらラジエター交換してもオーバーヒートの嵐に見舞われたことでしょう。ここも気のすむまでつつきまわしてエアーブローをかけてゆくのですが結局出止まることは無くつつけばあとからいくらでも出てくるので、途中で切り上げます。粒錆が無ければ良しにするしかなさそうです。

やっとチューニングっぽい作業に入りますがオイルフィルターのとりつく部分ですがこのように面は鋳物面で凸凹だし、オイルが入ってくる穴は加工しっぱなしの角がそのままで邪魔なものばかりです。これではオイルが流れる抵抗になります。

円の中の右上の穴がオイルポンプと通じており、オイルポンプからオイルが送られてきて、そこからオイルフィルタの取り付け面に空いている大きな穴からオイルフィルターの濾紙に入り、その後中央部のパイプに入りますがそのパイプがこの画像の中央の(今テープでふさがれていますが)オイルフィルター取り付け穴の中心の穴から各オイルラインへ通ずるオイル通路へ流れてゆきます。

このようにハンドワークしてゆきます。特にオイルの入り口の穴は大幅に壁をなだらかになる様仕上げます。

2018年5月9日

さてさらに魔界に入ってゆきます。といっても皆さんやられていることですけど。

 このマシーンはシシカバブを自動で料理する機械(アラブの王様に大人気らしいです)を作るのを趣味にしている外人の中古機械ブローカーに譲ってもらった超小型ラジアルボール盤で、もう10年も前ですが埼玉から軽トラック車で運んできて工房内に設置するところまで手伝ってくれました。懐かしいです。

 その時何のために買ったかというと、そうもちろんこの加工の為ですが、10年間でやっと日の目を見ました。

 

クランクキャップのボルト穴をM12用に拡大しています。(純正はM10)クランクキャップはエンジン本体と共加工(ラインボーリングですね)されているのでこの加工を失敗するとエンジンそのものがおしゃかになります。慎重に加工してゆきます。加工穴位置と垂直度が問題で、これらはすべて加工機械と治具・工具に依存します。穴の余裕は片側0.2mmしかないのでそれ以上ずれるとだめです。あまり大きな穴であけるとキャップ自体の強度が落ちてきます。

そしてさらにキャップのボルト座面を共加工で削って全部を揃えます。これは魔界に入るための布石で必要な加工ですが、何をするのかはいずれ出てくるのでわかると思います。

さてここで小技を一つ。

画像のフライホイール側の面白い形のクランクキャップの半円状のところの中央に小さな切り欠き加工しています。わかんないかな。

これもお決まりの加工、チェーンガイドの固定ネジをあまりにも小さすぎるM6からM8にサイズアップのタップ加工です。

 超小型ラジアル盤でも場外を使えばこのように縦長の大物も楽に加工可能。

オイルギャラリーのプラグも後々抜くときのための抜きタップを加工します。最後にプラグを抜いてオイルギャラリーを掃除するためです。

いよいよ当然のごとくクランク固定ボルトをM10からM12に拡大加工に入ります。

下穴加工ですが失敗するとエンジン全体がおしゃかですから慎重にしなければなりません。治具をいろいろ工夫して何度も位置合わせをします。

ラジアルの位置をロックしたままタップにツールを付け替えてその位置でタップを切り込んでいきます。これでタップが傾いてしまう危険を防げます。

タップが完全に喰いついたところでハンド治具に切り替えてさらにタップを切り込み、最終的には3番仕上げタップまで進めて完全ネジ長さを確保します。

無事完成しました。

反転してこのカムへのオイル通路のオリフィスをφ2.1に拡大します。これは富士の最強ZのOさんからの伝授です。コンロッドにオイルスプレー穴が無いものを使う場合はこの加工をすべしとのことでした。

下加工が終わったのでボーリングの為に加工屋さんへ送ります。このような重量物は運送が難しくいろいろ問合せしましたがハッピーマウンテンが野生的にしかもや安く対応してくれたのでたたすかります。画像は台車に乗せていますがこの後専用通い箱を作って乗せ換えていますが車輪付きははだめで、底面にフォークの爪スペースが必要だったためですが、自分はしかもジムニーで運送拠点に運ぶのでジムニーの荷台にきっかりと収まるサイズで作りました。

 

加工に送る時は富士のO監督の指定でクランクキャップを規定の900kgで全数締めこんで実使用時と同じ状態で、ダミーヘッドボーリングとします。また、フロントカバーを新調したので高さ合わも含めてヘッド上面も最小メンケンします。 ボーリング径はφ88、5mmから出来ますがこの際、いさぎよくφ89mmから初めてL3100とします。(φ89.25 φ89.50もあります)

 ボーリングはピストンと対で行う必要があるので、ピストンも決めますが今回は 鍛造レーシングピストン290g(ほかのは360g)を使いますが驚異の軽さです。ピストンリングはチタンコーティング。これに合わせるボーリング径はクリアランス0.07mm±5μ とのことで、約0.1mmですから驚くほどの広いクリアランスですが鍛造ピストンはハイトが低いのでクリアランス均一だし、熱膨張も多めらしいのでこの設定です。 これに対して鋳造ピストンはスカートが長いのでスカートのすその方はあまり膨張しないのでそこの部分のクリアランスは少なめ(0.03)にして低温時のピストンのスラップ音を消しているようです。 この鍛造ピストンだと低温時からの取り扱いが注意が必要ですが290gの軽量の魅力は捨てがたいものがあります。ピストンハイトが少ないのが気になりますが、私の使っているスバルブリッチェンのエンジンは2000ccで1気筒500ccで同じくらいのボアですがものすごく低頭ピストンでそれでも18万km走行して全く問題ないですので、気にしないことにします。鋳造の利点はアルミ材質が自由度が有り、複雑な形状の整形ができるところ、欠点はスなどが入りやすく強度のばらつきが出やすい事、これに対して鍛造はアルミの材質は鍛造に適したものにする必要があり限られる(熱膨張率にかまっていられない)と思います、また形状もプレスでできる単純形状に限られオイルクーリング通路とかが作りにくいでしょう。利点はアルミ内部の品質は円筒状に造られた材料で均一であるものを、鍛造プレスするので最終的に鍛流線が連続してつながった内部組織で強度が保証できることでは無いかと思います。

 続いてコンロッドも決めますが I断面コンロッドで490g! これで行きます。他のが620gくらいですからこれも驚異的な軽さですがチューニングエンジンでの最も攻めるところですからこれを使います。

 

 

エンジンが加工から戻ってきました。

このような通い箱みたいなものを造って行きかえりの運送で貴重なチューニングエンジンが間違いが無いようにガードします。ジムニーの荷台にちょうど入る大きさで作っています。下側にフォークの爪が入る隙間を持たせていて、運送会社の営業所のフォークリフトで降ろしてもらいます。受け取りもジムニーで行きます。

シリンダー腰下については大きな加工は終わりましたので、この後は清掃と色塗り、そして大事な寸法測定に入ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2018年5月12日 同時にヘッドの追加工も実施しました。ヘッドの項参照

 

 

随時 続く