2017年12月1日

「サーキットの狼」さんですね

 

この車はかなりメジャーだと思います。有名なレーサーさんたちが何回か乗っている様です。持ち主は「ミントなZ」と同じ方で、こちらは富士スピードウェイ用です。

 

FRP化できるところはドアまでFRP化

ウインドウはアクリル

 

バンパーレスがまたかっこいい

リヤからもかっこいいです

特徴的なフロントマスク

チンスポのダクト穴にはエアーダクトがエンドレスのブレーキキャリパーまで伸びています。

ボンネットは4か所ボンピン留めなので簡単にボンネットがとり外せます。

潔いメガホン2本出しマフラー

これで思ったより騒がしくなくいい音が出ていますので、うまく排気音処理されているようです。

右側に見えるのはデフのオイルクーラー

このクーラーの裏側にデフ用のオイルポンプが取り付けられています。

ハンドルはチェックマン 当時モノでしょう

 

シフトノブはワークス

燃料デリバリー

ツインポンプに

中間サブタンク

 

メインタンクは定番の安全タンクをメーカー製のアルミコンテナーに収めて取り付けることで床面の強度低下を補っているようです。

さて、今回のご来訪は以前に造りましたこの71BコンパチC Ω13(2-3-4速ダブルシンクロ)OS技研クロスギヤバージョンを取り付けするためです。

 

 

以下製作時の記録です。

完成しました。

ΩバージョンOS新品クロス

内部で中古はシフトフォークリンケージ関係と4速・5速のみで他はメインシャフト・カウンターシャフト・ギヤ・シンクロ・ベアリングほとんどすべて新品になりました。

 

こだわるなら、4速、5速も新品が買えるのでギヤ部全部新品も可能です。

シフトは改造してイーザ方式クイックシフト化していますので、すごくクイックにカキッ、カキッと決まります。 

ケースのサイドに小判型のバック誤操作防止機構(5速からそのままではバックに入らない装置)が付いていますが、簡単にバックに入るようになるバックシンクロ付ではマストの仕様です。

 オーナーはこれを富士スピードウェイアタック用のZに取り付けるということで、その効果が楽しみです。

 

このミッションの詳細はこちら

いつもの車屋さんで交換に入ります。

準備の間にほかの部分も観察してみますと足周りは全てフルピロ化です。

リヤ側

オイルクーラーのポンプ

ブレーキキャリパーはエンドレス

少しはしょりましたが、ミッション降ろしてクラッチが見えています。OS技研のツインダンパー付です。


このうち2枚のクラッチプレートともにこのようなエグレがあります。焼けて脱落したということでしょうか。両面ともにセンタープレート側がやられています。センタープレートは目で見る限り異変は見られませんでした。

このセンタープレート側だけ消耗が激しいというのはかなり気になります。

他のツインをあまり見たことないのでわかりませんが、ほとんどがこの傾向ならば機構的な特性かもしれません。なぜならフライホイールは軸方向は固定で動かず、プレッシャープレートも軸方向にはバネで押さえるので固定(クラッチストローク分はもちろん動きます)ですが、センタープレートはクラッチ切った時にその隙間の中で遊んでいます。シャリンシャリン音はその音だと思いますが、これはクラッチプレートとの関係はフライホイールやプレッシャープレートとはかなり異なっているということだと思います。うがった見方をすればフライホイールとクラッチプレート&プレッシャープレートとクラッチプレートの側のみ先に密着していて残る摩擦面はセンタープレート側2面だけという状態が出来ていることも考えられます。どうでしょうか?

フライホイール側は問題ないように見えます。

 

今回はクラッチプレート2枚

センタープレート1枚

プレッシャープレート1枚

のオーバーホールキットで交換します。

 

またクラッチベアリングの腰高さが19mmありましたが、推奨は16mmなのでこれも交換です。

OSよりクラッチが入荷しました。

新旧を比較したのですがなぜかクラッチフェーシングの幅が変化していました。内径側が大きくなっているようですが、メーカーが選択しているので間違いはないと思います。設計変更なのかもしれません。

さて、他の部分に目が行くのですがこのオイルパンの増量かなり目からうろこのアイデアです。増量部分のオイル偏り間仕切りコントロールをうまくやれば面白い手段だと思います。

ほとんど直管の2本出しマフラー

明快ですっきりしています。

リヤスタビリンクもピロボール

フロントストラット


フルタップ車高調 これがほんとの車高調ですね。

フルタップで無いのに車高調と言っているものは私的にはスプリング調というべきではないかと思っています。スプリング調で車高上げ下げするとスプリングの硬さやショックの特性がかなり変わってしまうはずですが、フルタップ車高調はそうならないのではと思います。

 

ケース上部にケースを回すためのレンチ穴があります。ショックがどうなっているかはこのケースを分解しないとわかりません。

 

ショック上部には4段階の調整ダイアルがあります。

ブレーキはエンドレスの4ポッド

ブレーキ経路は外周りパイプ式となっており、仮に最中が開いても液漏れしない構造。

最終段階に入ります。キャブ調整をしますが、現状 高回転はレーシングエンジンそのものなのでもちろん触りようがないですが、低回転ですこしぐずつきがありますので一般道では乗りにくい様です。

キャブはウェーバーDCOE φ50

 

すでに幻のキャブとなりました。

ここがすこし問題あり。ねじ部分に緑色の多分緑青だと思うのですが、真鍮の錆が発生しています。ネジも回しが重くねじ山が痛みそうな様子でしたので交換しようかなと思ったのですが、今回はダイスでさらって修正で問題なくなりました。

 

この後のジェット調整で

メイン#180→#185→#190と行きましたが大きな改善無

 

次はアイドルを#60→#65でかなり良くなり

メインを#190→#185にすこし戻し3000rpmでのつながりはほぼ良好となりました。

 

それでも3800rpmぐらいで少しぐずつくので、とりあえずポンプジェットを#45→#55へ大きくしました。これでかなりぐずつきは薄まりましたが、どうもキャブの径が大きいので加速時に流速が落ちてしまうことがありそうな感じです。現状小さめのインナーベンチェリーなので、これ以上絞るのは難しいかもしれません。サーキットでは5000rpm以上しか使わないのであんまりこだわることも無いと思います。

一応完成でこの後オーナーがお引き取りに来ました。マイナス6度の気温の地から来たとのことで、寒波に合うと大変なことになりそうですが、今回が動ける最後のチャンスだったかもしれません。

この後東名インターまで並走します。

 

何回か試走していますので問題ないとは思いますが念のためインターまでお見送りです。


 

 

さてここから今までついていたミッションのチェックにかかります。2分割の71Bです。

内部はポルシェシンクロの一般的なミッションです。サーキットではL3.1のレーシングエンジンの性能を、このミッションでは十分には使いきれなかったことでしょう。

5速は普通の状態

バックはガリガリ


4速メインインプットはまあまあ良いです。

3速はかなりシンクロに摩耗があります


1-2速のスリーブですがやはり3か所飛び歯のところの左上と右下がそれぞれ2か所歯が欠けています。

欠けた破片は確認できませんでした。

 

 

1速のシンクロもダメレベル

2速もダメレベル

71Bとして1速歯数14枚で通常の純正品です。