日産旧車系の駆動系刷新アイテム

2016年12月15日

ミントなゼットがやってきた

 

デフ回りの駆動系をメンテナンスしたいということでこのミントなゼットが来訪しました。

コンクールなどでミントコンディションという表現がありますが正式な意味は知りませんが、このゼットを見ると何となく言っている意味はわかる気がします。

つまりこういうのがそうです。

 

 

早速下回りを見てゆきますが、こちらもミント状態です。マフラーはきれいにデフをクリアーしていますし、中間タイコがフロアートンネルのど真ん中に入るため床下は平面ですっきりしています。

 サスは車高調ですね。スプリングは固くなく、ごつごつした感じはなくしなやかな感じです。

 

テスト走行では大きな問題は感じられませんでしたが、強いて言えばミッションの3速のスラストが大きくなっている感じと、デフにほんのわずかなうなり音が感じられました。エンジンについてはSUキャブですばらしい走行感を実現しており、十分パワフルです。

 

今回の依頼は

・デフのギヤ比を4.1から3.9にしたい。同時に4ピニLSDの調整と消耗度合いのチェックをする。デフは現状R200となっています。

・ドライブシャフトのメンテナンス

です。

私はなにか頼まれたときに言われたところ以外にもおせっかいに目がいってしまうのであちこちささっと見るのが癖ですが、今までの経験からなぜかこの初見のときが一番問題を見つけやすいと感じます。

 

例えばこのリヤ右のロアアームの内側支点部ですが右側がデフメンバーで左側がロアアームですが接触する寸前になっているようです。ぎりぎり

左側はこのように十分はなれており健全です。

外したブッシュ部分、見たととそんなに摩耗していないので、組み付け方の問題でしょうか?


  外したマフラーですがかなり錆が進行しています。遠からず穴があくか、タイコ取り付け部が口が空きそうです。

さて本題のデフです。

 

R200デフはものすごく重く、この通り37kG(LSD込み)ほどあり、一人で持つのがやっとという感じです。71トランスミッションが40kG弱ですのでほぼミッションと同じくらいの重さがリヤオーバーハングにぶら下がっていることになります。

 

またR180が28kGですからその差は9kGあります。

分解してゆきます。

この前にサイドフランジを抜きますが、サイドフランジの抜け止めはR200の場合ほとんどがサークリップタイプで、何かでフランジこじれば抜けてきます。

R180は横から長いボルトで絞めて固定している場合が多いですね。

 

R200ケース内幅 182.20mm

キャリアー幅    128.15mm

ベアリング      20.75mm

厚シム         8.00mm

選択シム        2.0mm~

4.111のリングギヤとLSD。リングギヤを固定するボルトはM10のものとM12のものが有るようです。これはM10。

ケースとピニオン側です。リングギヤとピニオンは相性がありますんので必ずセットで使用する必要がありますね。

もちろんキャップやシム類も左右上下分別がマストです。私はそれぞれに識別記号を刻印しています。

ペイントだと消えてしまうこともありますからね。

 

今回ギヤ比変更ですので私の手持ちのR200デフのなかからギヤ比3.900を探し出してきて、ドナーの準備をしますが、ここでベアリングやシールの準備が必要ですからいったん発注手配に入るために、部品が揃うまでデフはいったん棚上げします。

今回LSDの状態をチェックしてほしいとのことでしたので分解します。差動抑制のための摩擦力を発生する摩擦板類は渦巻き状の溝ありプレート3枚で、このうち内爪プレートが一枚でこの両面が挟まれて摩擦力を発生しますが、これは1セット構成です。2セット構成のものや、OSのスーパーロックのように8セット?構成のものもあります。また、イニシャルを駆けるスプリングプレートが黒いプレート2枚ですが、これも3枚構成のものがあるようです。

ピニオンですが4ピニオンとなっています。そしてLSDの効きを左右するこのカム形状ですがほぼ45度仕様となっていますので、かなりマイルドな設定と思われます。ニスモなどのスポーツバージョンはもっと寝た方向、30度とかのものが多い様です。

 

このLSDがなんであるかの見極めは難しいですがかなり純正に近いマイルドな仕様の様です。

この後、イニシャルトルクを測定しますのでさらにその辺がさらに分かると思います。

イニシャルトルクを測定します。これは今まで通りの状態ですが4.5kg/cmで標準よりわずかに落ちているかなぐらいの感じです。(画像リングギヤをつけていませんが正確にはリングギヤつけて測ります)

 

 

上段が今までのプレート類。下段が新品のプレート類です。

黒いのがスプリングプレートでフリクションプレートを押す役割ですが、いわゆる皿バネですがコイルスプリングが長い線のたわみであるのに対して、短い直線(実際は面)のたわみなのでヘタルのが早いというのが欠点です。交換が無難。交換して再度組んでイニシャル測定で6kgでしたが、しばらく走るとプレートがなじんで5kgに落ち着く感じです。

 

 

 

ここでLSD(差動抑制)について考えてみることに・・・。富士の岡田さんに知恵をかりました。

 

・結論としては(当たりまえのことかもしれませんが)イニシャルトルクはLSD作用の強さと関係が無い。これは岡田さんとも一致した意見です。

 これは片輪が完全に浮いた状態を考えればわかりますが、ノーマルデフでは浮いたタイヤが空転するだけで全く前には進めません。コーナーで内輪が浮いた時もそうです。このときデフの内部ではピニオンメートギヤがデフケースの中で回転して浮いている側のタイヤだけを回転させています。ちなみに両輪が着地して直進している時はデフケースの中でピニオンメートギヤは左右釣り合って回転せず両輪に均等に動力を伝えています。

でもこれだとスポーツ走行では前進力をロスしてしまうので考えられたものがLSDですが、これはピニオンメートケースの中に摩擦クラッチを取り付けたものですがその圧着力はケースにあるカムで得ています。ピニオンメートケースのカムの中でピニオンメートギヤの保持シャフトにあるカムが乗り上げることでピニオンメートを収めたケース(上画像のメートギヤがのっかっている部品)が左右に開くことでフリクションプレートを圧着します。ただフリクションプレートだけでは先ほどのように完全にタイヤが空転している時はカムにも力が作用しないので乗り上げることができずLSDは作用しませんので、そこにスプリングプレートである程度回転抵抗をつける必要があり、それがイニシャルトルクですが、その抵抗力によってカムが乗り上げ作用する力が発生しますのでイニシャルトルクは単にLSD作動のきっかけを作っているだけです。で、イニシャルトルクはLSDの強さそのものではないということです。ではLSD作用の強さは何で左右されるかというとフリクションプレートの面積・枚数と、カムの形状角度となりますね。

 でもLSDというとイニシャルトルクいくつにすると良いかなどの話しはよく出ますがなぜでしょう?   先ほどの話からするとイニシャルトルクを強くするほどLSDの作動がスリップの早期に起こることになりますので結果的には効きが良くなった印象になるのでしょうね。イニシャル2倍にしたからLSD2倍効くとはならないと思います。ここまでは全くのタイヤ空転時の話ですので、タイヤグリップ状態からそこまでの間のわずかに滑っているなどの時のことはそれらの複合作用があるので頭の中でシミュレーションするのはやめときますが、走りのレベルにもよりますがタイヤが路面に接触しているかぎりカムが作動する場面はかなり少なく、通常の走行で一番効果を発揮するのはダート走行や雪道の時ではないかと思います。また、Uターンなどで左右のタイヤの回転に差が出た場合も同じことが起こっていると思いますが、イニシャルが高いと早期にロックに移行するのでロックしたとたんに前進できなくなるか摩擦版がむりやり滑らされるかのどちらか、またはそれが交互に起こると思います。

さて話は戻ってその問題のピニオンメートケースのカム部分ですがこの通り段付きがあります。機械加工した切削痕があるそのままを熱処理してあるようですが、ここはやはり段付きになっている意味はないと思います。

このように軽く磨きます。あんまり削ると寸法的にまずいのでまだうっすらと段付きが残っていますがここまででやめときます。

おまけに相手側のメート保持シャフトのカム側も同じような状態です。これも磨きます。

 

でもこの辺はあまりにも加工が雑すぎるので半信半疑です。段付きがあると効きがよくなるとかあるのでしょうか?

リングギヤ3.9を取り付けました。M10の専用ボルトでねじロック使用して固定します。

そしてケースに組んでサイドベアリングシムを選定してバックラッシュを調整測定します。

今回は0.18~0.22でした。少し広めですが良い値だと思います。

歯当たりチェックで問題なさそうです

デフは組み付け時要所要所でプリロードを測る必要がありますがその単位が9kg/cmとかのすごく小さな値なので測定が難しいですが、今回はこのように簡易的に測りました。おもりはその辺にあったボックス駒を使っていますが、正確に重さを測ればあとは計算値で行けます。

今回のオーバーオール値は7.8kgでした。5kg~13kgが規定ですからよろしい値とお思います。少なければクリアランスが甘い、多ければベアリング押しすぎということになります。

ここでもう一つの対象であるドライブシャフトに入りますが、外観上は泥さえあまり付いていない状態ですから分解するモチベーションが持てないのですが、とにかく分解してみました。

これは左側のドライブシャフトの内部の状態ですが見たとこきれいに整備されているように見えます。

ただ気になるのは、R180からR200に換えた場合はデフの横幅がかなり大きくなるとともに全体的に左側に寸法がオフセットしてゆきます。説明が難しいですがR180とR200のデフを横並びにして置いてみれば明確にわかります。そのためデフのリヤメンバーも取り付け穴がずれるので専用パーツがアフターメーカーで売られていることでもわかります。

 R180からR200への変更時には左側ドライブシャフトのこの白いプラスティックブッシュを一列抜くことで対処する技が都市伝説定には定説ですが、このドラシャは元のままきれいな状態のままです。

 

このパーツをいろいろ観察しているうちにどうもプラスティックブッシュを抜く定説はどうも根拠が危うい都市伝説である可能性大ではないかと思われます。プラスティックブッシュを抜いてもドライブシャフトの底付とはなんら関係がない状態であり、効果がないどころか危険が増すばかりなのではと思います。ドライイブシャフトがもっともちじんだ時はスプライン先端がケースの底とぶつかりますが、そこまではストロークはしないはずです。

 

ただ、以前としてドラシャの長さ短縮の必然性は残っておりますので、現在は結果オーライの状態だったようです。ドラシャはサスストロークが上下120mmだとすると長さが縮みで6mmのストロークと計算値で出ます。R200の横幅増加分20mmプラス6mmがスライド幅としてあるかどうかが問題です。

寸法的に正確に理論付けるのは測定が難しいのでできませんが、R200デフの偏りプリを見るとやっぱりR180のままのドラシャでは相当無理がありそうですが、いままでどうり行くしかなさそうです。


この記事を見てくださった方から下記のようなご連絡をいただきました。

都市伝説的には他の情報もあるけどどうですかという内容です。

都市伝説その2

「右側のドライブシャフトがフルに伸びたときに、サイドフランジを抑えているサークリップからサイドフランジが外れることを防ぐためにドライブシャフトの伸びしろを拡大するため右側のドライブシャフトのプラスチックブッシュを一列はずすのが良いです。)といった内容があるのですがどうでしょうか?

このようにいろんな情報がフィードバックしていただけると私としてもやりがいが出ます。ありがたいです。

そこで上記画像左側R200 右側R180ですが比較してみました。デフの中心線から右側寸法についてはそれぞれ9cmでほとんど差がないです。

左側についてはR200が13cm R180が11cmで2cmの差があります。したがってドライブシャフトがフルに伸びたときサークリップが外れることがあるというのはサークリップだからであって、R200だからではないのではと思います。R180はボルトで締めていますからフルに伸びても外れないのだと思います。これを防ぐためだと思いますがR200のサイドピニオンの奥にR180と同じようにボルト止めをするための特殊ナットを取り付けてボルト止めする記事を見たことがあります。サークリップの場合、ドラシャのボールスプラインのグリース固着や段付き摩耗で動きが渋くなると引っ張られて抜けてしまうことは容易に想像できます。

<さらにご質問が来ました>

どのような理由でR180ではサイドフランジの固定方法が違うのでしょうか?この点e-za様はどのようにご判断していますでしょうか?またまた好き勝手な質問でご迷惑かと思いましたがいかがでしょうか。

 

R200でサークリップにした理由はかなり想像しにくいです。しいて妄想するなら、1)ボルト貫通穴があるとR200の荷重では破損の危険があると考えた。ただ、この妄想だとあまり真実味が無いのです。シャフトであの程度のボルト穴を中実にしてもほとんど強度には影響しません。シャフトはそのほとんどの強度を外周部に依存していますから、サークリップ溝はかえって逆効果ですらあります。2)ボルト緩みの危険を防ぐため。ボルトだと本来右側は逆ねじにする必要があるし、そうでなくても緩み事故かなんかがクレームついていっそのことボルト廃止となったか。(でもさらに抜け易くなったのだけど)3)ボルト締めるのが面倒になった。これはかなりありそうな感じです。サークリップならスコンと押し込むだけです。R180でも終期はスプラインシャフトがドラシャ側についたタイプに代わってきました(フランジパーツを一個減らせる)が、これだと十字ジョイント付ける前にボルトを刺しておかねばならないし、ボルトの固定も十字ジョイントの隙間からやらねばなりませんのでR200ではその対策だったのかも。

 

そして都市伝説のさらなる確証ですがデフを取り付けたこの画像ではっきりとします。デフのドラシャ取り付けセンターは明らかに左にオフセットしています。これだとデフ玉は車体に対してほぼセンターにあるはずですので、ドライブシャフトは左右どちらも同条件のようです。ちゃんちゃん。

 

さらにベアリング類を取り除ききれいにしてゆくとボールが転動する溝部分がこんな状態でシャフトセンターがボールがかみ合う部分ですが、ところどころ腐食していてすでに爪がかかるくらいの凹みになっています。とりあえず使うには使うことはできますが、あまり良い状態ではないですね。

どうしまショッ。

右側です。状態は悪くないです。

スプラインも通常の摩耗状態ですが、まだ段付きが発生しそうな気配はないのでこのまま行けると思います。

錆が発生しているスプラインヨークは交換ということになり、ドナーを準備できましたので組み付けます。外したユニバーサルジョイントのベアリング(丸い2つのパーツ)の中のグリースは真っ黒で灯油の中で洗ったら黒いカスのようなものがいっぱい出てきました。ニードルを指で動かそうとしても動かないほどでグリースが完全に固くなってしまったのでしょうか?

 

今回十字ジョイントOHはメニューに入っていないのですが、これだと少し心配ですがどうしましょう?全部やるとすると後14か所やらなければなりません。

 

 

参考にドライブシャフトの完全分解オーバーホールの詳細はこちら

 

 

オーナーのほうから結局完全分解しましょうとご連絡があり、完全分解に入りました。

動きが固いベアリングについて観察するとこのようになっています。グリースが完全に固まっているのでグリースニップルからグリスアップしてもニードルには行きわたっていません。グリースは石鹸のように固くなっていますので、この状態でニードルを回転方向に回してみるとそれぞれのニードルは回転せずにそのまま固まって全体が回るだけです。

 

頻繁にグリスアップすればこうはならないのかもしれませんが、長い間オーバーホールしないでいると多かれ少なかれこういう傾向ですね。

ニードルを全部掻き出して灯油で洗浄するとこのように真っ黒になりました。

そしてよくよく見ると31本あるニードルの内1本ですが画像真ん中のように途中で折れているものがあります。折れた端は結局見つかりませんでした。どこ行っちゃたのかな?

十字ジョイントの新品準備してすべてやり換えます。今までのジョイントベアリングが錆と上塗り塗料で固まっていてピンポンチとハンマーで叩いたぐらいでは抜けませんでした。結局あぶり技とプレスでカッキーンといいながら抜けた感じでしたが心臓に悪いです。

ドラシャが完成

一応左右で区別していますがパーツリスト的には左右の区別はなく同一部番であると思います。細かな仕様の違いで部品番号はいくつかありますが、基本同じものだと思います。

組み付けに入りますが、こすれそうだったサスアームはいい感じになりました。ブシュはずれ癖がついてしまったのですべて新品に交換です。

 

これでリヤ周りは全て完成したので、試走に出ましたがやはり2速3速については異音がします。4速5速は大丈夫なのでやはりオーナーが気になっていたとおり、ミッションになにか不具合がありそうです。オーナーと相談してこの際駆動系についてミッションも含めてすべて完全にしたいということで、このまま続いてミッションも変更することになりました。

ミッション降ろしのために一緒にやっている車屋さんのリフトで作業を始めます。

オイルを抜く時点でびっくりです。

何やら金属片が出てきました。

画像がうまく取れませんでしたが、ドレンマグネットにこのような金属片が。

そしてこの状態でわかるのですが、シフト部がフロアトンネルの穴のかなり前側に位置していますので、このS30はもともと3分割の71Aがついていたのを、2分割の71Bに変更したものであることが分かります。オーナーもシフトレバーがすごくコンソールに近く当たると言っています。

とにかくミッション摘出しましたが、外観的には新品に近くきれいです。オイル漏れのあともほとんど見られません。

フライホイール 若干の焼けは見られますがまだ許容レベルです。

 

クラッチプレッシャープレートは日産純正 バレオ(フランスの部品メーカーで日産の部品も作っています)製 ZL RF600と刻印があります。

 

クラッチディスクはノーマルっぽいですが残量は十分なのでこのまま行きます。

いままでのミッションを分解します。

精度測定

 1ST  2ND 3RD    5TH

エンドプレイ

0.38 0.22 0.40 --0.05

バックラッシュ

0.07 0.08 0.07 --0.18

 

バックラッシュはどれも理想的ですが、エンドプレイの3RD 0,40はどう見ても大きすぎです。

これで3RDのシフトの時シフトレバーが異様に前後遊びが大きかったのですね。納得。ここの遊びが大きすぎるといずれスラスト面が焼き付き傾向になります。

 ミッションそのものとしてはFS5C71Bの2分割ポルシェシンクロ いわゆる240クロスとなります。1速が2.9から始まるギヤ比ですね。

 

分解していって出てきた鉄片の原因がわかりました。1-2速のシンクロスリーブのスプラインが2か所歯欠けしています。


ここから71BコンパチC αバージョンに組み替えていきます。ギヤ比的には240クロスが1速2.9に対して3.3となりますが2・3速は同じギヤ比で大径ダブルシンクロのワーナー

5速は選択できますが、通常使用で2400ccなら0.75が良いです。

サーキットなら0.83かな

今回デフを4.1から3.9に上げていますので1速発進の面でも3.3は使い勝手が良いと思います。

ギヤ部が完成しました。

精度は

1ST   2ND 3RD     5TH

エンドプレイ

0.06 0.08 0.05 -- 0.15

バックラッシュ

0.38 0.15 0.20 -- 0.20

 

抜群の値です。

 

1-4速厚歯

全シンクロ大径化

2-3速ダブルシンクロ

強化シフトフォーク

チャタリング防止機構

全ベアリング・ニードル交換・セミシールド

M38緩み防止サイドロックボルト

全シール交換

で外観71Bの71BコンパチC α56バージョンとなります。

α56の製作過程はこちら

 

修復完了して再度搭載です。

 

中身のギヤはコンパチCであらかじめ製作してありますので、対象ミッション降ろしてからケースを入れ替えるだけですからほとんど時間はかかりません。組み替えて液体パッキンが乾くまで待って、オイル入れて回転試験しても2日で完了します。

試験走行に出ました。

2速3速のうなり音は解消しています。

 

試験走行はなるべく過酷な状況になるところまで試験しますのでワインディング主体でやりますが、ダブルシンクロはまるでギヤが吸い込まれるようにシフトしてゆきます。