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R200デフ  その1   その2   その3  その4 その5

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2025年8月2日

R46 R200デフ ギヤ比変更

OSスーパーロック組

 スカイラインHR31 GTSーRのオーナー様ですが、以前3.9ギヤ比でスーパーロック組でデフを製作しましたが、今回はギヤ比4.6で作って欲しいとの要望です。

 ドナーとしてY31のギヤ比4.6のR200デフを送ってきましたので分解しています。これに合致するスーパーロックをOSに問い合わせたのですが、4.6はカタログに無く前例無という事で一旦は断られてしまいました。(前回は5.1も前例無で断られたのですが)。安いものではないのでやみくもに突っ走るわけにもいかず、仕方なく4.3ギヤ比のLSDを持ってきてギヤ比4.6を仮組してみることにしました。画像上に純正LSDが見えています。

 この仮組である程度問題無さそうな感触を得たので、スーパーロックとしてR200 ギヤ比4.3(DR30とかに多いギヤ比です)仕様を注文しました。これはカタログに前例有で注文可能なので、これを購入後にギヤ比4.6のギヤセットに流用トライするという事になります。

2か月待ちでスーパーロックが入荷しました。

これから4.6ギヤ比のリングギヤとピニオンギヤセットに組んでいきます。

スーパーロックは全面切削面で鋳物地肌のところは有りません。材質もかなり高度な材質を使っていると思います。SCMかな?SNCMかな?

今回の仕様です。

スーパーロックはフリクションプレートを中心側に引っ張り合うようにセットしているので引きずりが出ないとなっています。その場合、リングギヤを取り付けるときにボルト締めで本体が空回りしてしまうんじゃないかとスーロク扱い当初は思っていたんですが、実際はボルト締めの人力トルクぐらいでは空回りはしません。それはこの画像で見えている皿バネ状のパーツが補助的に入っていることによるのかもしれません。

リングギヤを取り付けました。900Kg/cm締め。

その後サイドテーパベアリングを圧入しています。

調整は何度か繰り返すのですが

最終的にピニオンM27締めトルク25Kgでプリロード15.2Kg

サイドベアリングプリロード 7.8Kg

バックラッシュ0.11~0.16

となりました。

正転側刃当たりは画像の様にセットしました。

 

こちらは逆転側刃当たり

ギヤ系は組み終わりました。

ピニオンフロントボールベアリングを打ち込んで、フロントオイルシールを打ち込みます。

フロントフランジを取り付けてM27で締めこみ、サイドシールを打ち込みました。

サイドフランジはR200の場合左右で長さが異なるのでいつもわからなくなるのですが、この画像の様にサイドフランジをCリングに当たるまで差し込んだ時に画像の様に15mmぐらいの距離となるのが適合になります。ギヤ比によってはこの左右取り付けが逆になる場合があるようです。

今回は左の長いほうが左側、右の短いほうが右側に取り付けとなります。この後の回転試験の為に仮付けしてゆきます。

デフカバーはエスコートのアルフィンデフカバーを使います。

このエスコートアルフィンカバーはオイル容量を増していること以外に、R200のオイル潤滑時の欠点をばっちり対策しています。

とくに左上の鉄板のカバーはエアブリーザーへオイルが掻き上げられるのを防いでいます。ノーマルデフカバーだと固いオイルを入れるとリングギヤの回転に引きずられて簡単にエアブリーザーからオイルが吹きあがります。それがちょうどドレンプラグからの漏れのように見えるので、勘違いしてドレンプラグを力いっぱい締め上げてとうとうドレンプラグネジ穴にヒビを入れるという手痛い失敗をしないで済みます。

下側の鉄板カバーは容積増量出っ張り部分にオイルが偏ることを防ぐバッフルプレートですね。あまりにも流通開口部が少なくぴったり蓋をしていますのでオイルの攪拌という面では少し心配なところはあります。

横から見ると増量部分の形がよくわかります。

デフが組みあがりました。

回転試験の為にいろいろ取り付けています。

回転試験です。

1200RPMでぶん回しています。時速にすると43Km/Hです。

きれいに回っていました。

完成です。