ME-4

L型魔界エンジン、ME、フルチューン、L6、L型、77度カム、鍛造ピストン、軽量コンロッド、圧縮比、ビッグバルブ、アルゴン盛り、ツインアイドラー、ポート加工、

その1 素材エンジン 

その2 ヘッド加工 その1    

    ヘッド加工 その2 

その3 シリンダーブロック加工

その4 パーツ類リフィール 

その5 エンジン組み立て

その6 補器類


2021年11月10日

シリンダーブロック加工

 すべてのパーツを取り払ったシリンダーブロックでまずやることは最もエンジンの基本となるクランクシャフト受け構造の補強となります。

 いくら頑丈なL型エンジンとはいえ2000ccから始まった排気量を2400cc、2600cc、2800ccと増やしてきていますがそのあたりまではメーカーは想定してこのクランク構造を設計していたかもしれませんが、これを3100ccまで排気量増やして、さらに圧縮圧力上げて340馬力まで出そうというのですがそのパワーは全てここのクランクキャップボルトM10を14本 (引張強度88トン÷安全率3=29トン)で受けることになります。

それでL型エンジンチューニングメニューにはこのクランクキャップボルトの拡大という項目があります。私もそれに倣ってこのクランクキャップボルトをM12に拡大するとともに、さらに私の考えたクランクキャップ補強ラダーを取り付けています。

詳細は L型エンジン用クランクラダー こちら

 

クランクキャップボルトを拡大した場合はクランク穴ラインボーリングがマストであるとしているところもあるようですが、ボルトの仕様と締め付けトルクを工夫管理することでクランクジャーナル径が変形しない方法でラインボーリングなしでM12化しています。

MEー1(魔界エンジン1号機)エンジンもそうやって組んでいます。

左が純正のクランクキャップボルト、右はこれから取り付ける強度アップ用M12ボルト。こう見るとそのサイズの違いはあきらかです。使用するM12ボルトはもちろんクロモリ熱処理品で強度保障区分10.9のものを使います。純正品はねじから上のウエストがねじの谷径と同じに加工されたウェストボルトでねじ部の切り欠き効果をにがしていますが、そこまでは作りこめないので通常形状のM12です。

1番クランクキャップのみエンジン側に逃がし加工をすることが必要です。リブ厚は確保できるので強度低下は無いと思います。無駄な肉を取ったということになります。

イーザ方式クランクラダーを取り付けた状態がっちりとしたボックス構造、LDクランクで干渉なしですのでL28~L20ではもちろん問題なし。

 L型エンジンのクランクは完全バランスでは無いのでL20ですら高回転では振動が激しいです。

ちなみに画像はノーマルL2800のAT車のエンジンクランク軸受けですが上側列クランクキャップは中央部とその両脇が激しく摩耗してメタルがなくなり地金が光っていること、下側のブロック側は1番側が激しく摩耗していることがわかりますが、いったいクランクはこの中でどんな動きをしているのでしょう?

2022年2月7日

シリンダーブロックがボーリング加工から戻ってきました。輸送に関してはこのような通い箱を作って運送中に事故が起こらないようにしています。

 ボーリングはφ88.5mmでダミーヘッドボーリングで依頼しました。ピストンは亀有の最軽量鍛造ピストンとして、シリンダーの上面は最小メンケンで精度だししてもらうため、フロントカバーも一緒に組んで送っています。

クランク側は私の考えたクランクラダー取り付け加工とともに、キャップボルトのM10→M12拡大強化加工をして、締め付けトルク900Kg/cmにて締めこんだ状態で送っています。

ブロックを塗装するためにマスキングしています。塗装はオーナー様の指定で日産エンジンブルーのスプレー缶(亀有)で行います。

塗装を行いました

この部分は私のと同じように円形の下側の穴がオイルポンプと直結しているのでその穴のドリル加工部をオイルが滑らかな流れとなるように加工、オイル圧リリーフプランジャの抜き取りとプラグ打ち込み(まだやってない)

リリーフプランジャーを取り除き、リジットプラグを打ち込みました。

塗装としては2層で塗りました。

クランクジャーナル

今はまだシリンダーボーリング時に規定トルクで締めこんだままです。

これから

測定とメタル選定

クランクの取り付け

と進んでいきます。

ボアゲージで測定中

クランクジャーナルのそれぞれについて上下左右と45度斜め左右と4か所を測っています。

総平均最終値で   58.653と出ました。純正製作時のままの基準寸法です。

測定からメタルはニスモメタルで#2というクリアランス狭めタイプを選定しました。

クリアランスは0.06狙いです。

 まずは中央4番メタルを取り付けています。

メタルを全部取り付けてLDクランクを置きました。

クランクのメインジャーナル径は1ミクロンまで測れるマイクロメーターで測定して

総平均φ54.929

と出ました。

 

クランクキャップの取り付け

ボルトはM10からM12に拡大加工しています。

メタルクリアランスをプラスチゲージでも確認します。画像で0.038よりも広く、0.051よりも狭そうだというぐらいしか判断できません。計算上は0.06狙いなんですが若干のずれがあるようです。プラスチゲージではこの程度の観察しかできませんので大まかな目安となります。プラスチゲージを置く長さが変わっただけでも値は変化してきます。

クリアランスが確認できたので本締めに入ります。

今回も私の考えたL型エンジンクランク補強用クランクラダーを取り付けていきます。もうある程度取り付け実績ができているので、安心して取り付けができます。狙いはクランクキャップを箱型に補強することでキャップがゆすられることを防ぎ、クランクを保護します。

コンロッドがまだ取り付けられていないのでスペースが広大にありますが、ここにコンロッドを取り付けるとコンロッドとの隙間は1mmくらいになってしまいますのでギリギリです。ここを何度も試作を繰り返して、CAD(コンピューターエイデッドデザイン)を使って設計しました。製作も簡単ではなく、いつもお付き合いしている静岡の精密加工メーカーで何度も打合せしながら、加工機のコンピューターメモリー目いっぱいになりながら加工しています。設計は製品機能を最大限追及するとともに、いかに作りやすくするか、加工の基準点の取り方や、工具の選定、加工時の製品の固定方法まで考えて設計しないと形にはできません。最終的には加工公差を何度か手直しして妥協点を見出します。

全部取り付けました。

強度が相当上がっている感じを受けます。

これでクランクのねじり振動、曲がりを低減できているはずです。(もちろん目で見えるものではなく高速回転している中でのことで、結果的にはエンジンの異常振動や異常な音の変化として現れます)

シリンダー径の測定です。今回はダミーヘッドボーリングなのでこの時点での測定径はあくまでも目安程度です。大まかにはピストンクリアランスは0.07となっています。

 

こちらはピストンの測定

ピストンの測定できる範囲は限られたところだけで、あとはいろんな熱影響が考慮されて寸法が調整されています。

マイクロがかなり古いですが、新しいのはなかなか買えないのです。ただ、基準バーで常に補正はしています。


ピストン・コンロッドを腰下へ組付けていきます。

ピストンは亀有鍛造最軽量ピストン φ88.5

コンロッドはこれも亀有の最軽量コンロッド I断面

今回は都合で4本はリビルトしたもので、各部精度を確認して小端ブッシュは新規に打ち直したものです。

2本は全くの新品を使います。重量差は最小限のものを探してもらいました。

もちろん、各ピストンリング・ピストンピン・サークリップ・メタルはすべて新品を使います。

コンロッドメタルはニスモメタルの#2を選択しています。

まずはピストンとピストンリングの組付け

オイルリングは3分割で蛇腹タイプを先ず入れてからその上下に薄いプレーンリングを入れて挟みます。

 φ88.5のレーシングピストンの場合1番と2番のピストンリングの差がありません。ただ上下面の区別はあるので合わせ部にRの文字があるほうを上面にして組みます。合わせ目の位置は亀有指定で後方45度で左右に振り分けとなっています。

40年前に買ったピストンリングセットジグを使ってこんな感じでピストンリングを入れていきます。指で広げるのは結構怖いです。ピストンリングはかなり伸びることは伸びるのですがあまり広げすぎるとポキリと折れます。また、広げている途中で力を抜いてお休みするとリング合口がピストンの壁に食い込んで傷になってしましいます。

そのあとコンロッドをピストンピンで組付けて、サークリップで抜け止めします。サークリップの組付けは結構難しいというか面倒です。プライヤーなどで押さえたくてもつかみところがなく、また失敗するとサークリップがどこかに飛んで行ってしまうこともあります。そのあとコンロッドのジャーナル面を脱脂してからニスモメタルを貼ります。メタルにはオイル穴がありますが、レーシングコンロッドにはピストンクーラーオイル穴は無いので、実質関係ありません。

ピストンとコンロッドを仮組した状態

これまた40年前に買ったピストンリングコンプレッサーでピストンリングを巻いて抑え込んでからシリンダーへピストンを入れていきます。

ピストンを入れました。

この後ブロックを反転してコンロッドキャップを規定トルク(今回はARP強化ボルトなので600Kg/cm)で締めこみます。

 

私の作ったクランクラダーとコンロッドボルトの隙間はこんな感じで良い感じの状態となっています。

今回は亀有レーシングコンロッドですが純正L28コンロッドでも干渉しません。したがってL20、L24も干渉しないようにしています。

同じくコンロッドとブロック壁との隙間はこんな感じでギリです。1mm~2mmというところです。人によってはこの部分のブロックを削って逃がす場合もあります。

プラスチゲージでコンロッドベアリング隙間を確認しています。0.038より狭く、0.025より広いという事がわかります。中間取れば0.03というところです。

同じことを繰り返して6気筒分組付けていきます。

ここまでくるとエンジンの組付けの50%まできたことになると思います。

クランク裏側から見るとこんな感じです。

クランクラダー=イーザンラダーでがっちりとサポートされています。クランクラダーの詳細はこちら


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その2 ヘッド加工 その1    

    ヘッド加工 その2 

その3 シリンダーブロック加工

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その5 エンジン組み立て

その6 補器類