2014.12.07 からスタート

ノーマル的S30Zの在り方  

これは私の2台目のグリーンのS30Zですが、今はだんだんとノーマルに戻してゆく作業をしています。  

すでにエンジンは2000ccだし、サスはノーマル・フロントスポイラー外したり作業をしています。  

赤いほうのS31Zはどんどんサーキット仕様に換えてきていますが、こちらはその対比車としていきます。 

つまりこちらはノーマルとしてのS30Zの良さを存分に出していきたいのです

その1  リヤハブ・ワイパー・シート破れ・ブレーキマスターバック・ヒーター修理

その2へ プレーキ・シートベルトリトラクタブル化・ステアリングラック修理・北海道出張

その3へ 足回りビルシュタインショックへ交換・大阪出張レトロカー万博

その4  シートの改良・デフの改良

その5       点火系改良ワコーCD1200取付・トルセンデフ取り付け・ドラシャOH・MK63に変更・LED化


 

 ノーマル的S30Zの在り方 その5

2023年10月5日

久々にS30Zに手を入れています。

 思えば約1年前11月末に大阪で行われた「昭和レトロカー万博」に参加した時の事、舞洲のホテルに泊まっていたのですが、その時は朝方から雨が降っていて朝5時起きたらばまだ辺り一面、朝靄が白くなってかかっているときでした。私のS30Zも朝露に濡れてボディーには水玉がいっぱいついています。しかし周囲はだんだん明るさが増してきていてもう雨は上がった感じです。良かったと思って会場まで車を動かす為エンジンを掛けようとした時の事、今まで自宅では車庫内でいつでもセル一発の始動ですので、何の気にもせずにキーを回したのですが、エンジンがかかりません。おゃと思って2度目も大して気にもせずにキーをひねりますが掛かりません。それからアクセルバタバタ煽っても、アクセル全開でセル回しても全く掛かる気配なし・・・。それからかなり長くセルを回したのですがそれでもダメ、こりゃJAFでも呼ぶか誰かにジャンプスターターしてもらわないとあかんかなと思い始めてしばらく考えごとして、よしこれで最後のトライだとセルを回して回してだめ、こりゃダメだと思ってセルを止めた瞬間の惰性回転でぶるんとエンジンが回りだしました。まあ、よかったけど少し顔が青ざめました。

 エンジンがかからなかった要因ですが

・11月末の朝5時とかなり気温が低い

・雨が降っていて車はびしょぬれ

・セルを回しているときはダメでセルを止める瞬間にかかった。セルに電圧を食われていた。

という事で原因は点火が弱かったんじゃなかろうかと思いました。

それで点火系をCDIにしようともくろんで画像のワコーCD1200を手に入れていたのですが、この時以来エンジン始動不良は一回も起こらなかったので、取り付けが後回し後回しになっていたのです。

 

もう一つの取り付けに難儀することは私の前期型のS30Zはタコメーターが電流式なので、点火系をいじるとタコメーターが影響を受けることが有ります。電流式タコメーターはイグニッションキーのところからプラス電源が出てタコメーターを通りコイルへ電気を供給する一本道なのでここに余計なものを付けたり配線替えたりすると当然タコメーターは動かなくなります。(タコメーターは点火コイルに流れる電流の大小を回転数にして指針で表している)

私も最初はいろいろ困ったのですが、ワコーの取説の一番後ろのところに電流式タコメーターの時の配線方法が書いてくれてあってその通りの結線して問題なく動き出し助かりました。ワコーさん、ありがとう。今は無いけど

その方法はなんのことは無い、イグニッション側のプラス配線は一切いじらないというもので、CDIはマイナス側のみに出力するでOKになっています。(ワコーCD1200でも通常の電圧式タコの場合はプラスマイナスどちらもCDIからの配線を繋ぐようになっています)今売られているほとんどのCDIは点火コイルのプラス側マイナス側どちらもCDIの専用配線を接続するようになっていますのでこれができないのですが、ワコーCDIはマイナス側だけの接続で良いと取説でなっているので問題ないとは思います。が、性能的に良いんかいなという?は感じます。

私の妄想ではCD1200が単発ショットだからなのかなとは思いました。私はこの部分はプロではないのでわかりませんが。

ワコーCD1200のプラス側電源はバッテリーから線引いて、リレーを介してIGON信号でリレーONして得るようにしました。

 

これでアイドリングしたあとのプラグを見てみますと良い感じの焼け具合です。プラグは使い古しのNGKBP6ES。今まではかなりカーボンが付着した煤けた感じでしたのである程度効果は出ているのではと思います。

ちょっと汚いですがフロント側のこの位置にどうしてもだんだんとリレーやら電源やら必要になってきますので仮のボックスを作って収めています。S30Zは単純なのでここにはヘッドライトリレー2個と前述のCDI用イグニッション電源リレーが1個合わせて3個のリレー

 少し離れたところにFOGランプ用リレーがフォグとドライビング用が2系統2個のリレーが付いています。

赤いほうのサーキットZにはさらに電動ファンリレー2個、ホーンリレーハイロ―2個が付いています。

これらの配線を行うときの注意事項は必ずフューズは別系統に分けるという事で、そうしないとどこか一か所でもダメになるとエンジン停止とか夜中にヘッドライト全消灯などのことが起こりえます。

サーキットZはこんな風になっています。

2023年10月5日

トルセンデフの取り付け

トルセンデフとはトルクセンシングデフの略でうたい文句は差動トルクに自動的に応じた(センシング)LSD作用を持ったデフという事になります。

 機構的にはLSDの内部にピニオンギヤの様なギヤセットがいくつも組み込まれており、差動トルクが発生するとギヤ間に生じるデフオイルのせん断抵抗がLSD作用として働くとなっているようです。差動が大きければ大きいほどオイルのせん断の性質で抵抗が大きくなるというところを利用してトルクセンシングと称しているようです。従いまして機械式LSDのように金属板が無理やりこすり合わされる抵抗を利用するものと異なり、効き方がマイルドでチャタリングやタイヤ引きずり・車庫入れ切り返しでLSDロックして動けない等のことも起こらないと思われます。従いましてノーマル走行を重視する「ノーマル的なS30Z」にはピッタリではないかと思います。

最近のところでいえばGRヤリスが採用しているようです。

トルセンデフの組み立てについてはこちらを見てください。

ジャッキアップして現在のデフを取り外します。

長年使ってきた純正のマフラーを外しましたが、錆びだらけです。予想以上にひどい状態ですが、穴は開いていません。純正マフラーはすごく丈夫に出来ていると思います。ただ少し重いですね。

 

音量的には静かで良いと思います。また音質的にも私は当時のスポーツカーの音で好きです。どういう音かというと言葉では説明できないですね。

錆とエンジンやミッションから漏れてきたオイル汚れが有ります。

今ついているデフとドライブシャフトの接続ですが、このように両フランジタイプではなく、差し込みタイプになっていますので、この時点でドライブシャフトの交換も必須となります。今度作ったトルセンデフはどうしても両フランジしかできなかったのです。

こんな感じで降ろしています。

今回作った最安値6000円ミニジャッキ改デフジャッキ(ミッションにも使えます)を使うといとも簡単にデフが扱えます。ミニジャッキが小さいので邪魔にならず自由にセッティングができます。アームを約2倍に伸ばしていますのでリフト量も全く問題ないです。元々1トン仕様のジャッキですのでアーム伸ばしても500kgは簡単に持ち上げられますし、ましてや持ち上げるデフはせいぜい40kgですので軽々上がります。

トルセンデフはあらかじめ作ってありますのでそのまま交換してジャッキで持ち上げ取り付けです。

 今回も私の考え出したノーマルのデフメンバー一切そのままで取り付けできるアルフィン付きデフカバー仕様になります。アルフィンは短いので冷却性能はたいしたことないと思いますが、オイル入れ側のドレンプラグの位置が異なる(サイドにある)のでオイルの交換が楽にできるようになります。

 赤いほうのサーキット仕様Zではこのレイアウトを利用してデフオイルクーラーを追加装備してサーキットでのデフ冷却に備えています。

両フランジドライブシャフトが必要になるので手持ち在庫から探し出してきてオーバーホールです。

S30Z系のドライブシャフトは右端の錆防止ペーパーにくるまれた十字ジャーナルが今のところまだ手に入るので何とかオーバーホールができます。長い間オーバーホールしていないジャーナルベアリングはグリースが真っ黒です。

 

ボールスプラインの部分は日産純正高級グリースを詰め込んで、ラバーブーツも交換して金属バンドでカシメ治しています。このラバーブーツに亀裂が入ると車検に通りません。

ドライブシャフトのオーバーホールが必要な方は販売のページから受け付けていますのでお申し付けください。

フランジを全部組み戻しました。

リヤ側のやりたいことが終わったので今度はフロント側です。

 

タイヤを外すとこの謎のパーツが出てきます。上の画像では全く見えない感じですが、ここに取り付けられています。これは何かと言いますとワイヤーホイールにした時点からディスクブレーキのパット摩耗粉に悩まされ始めたのですが掃除がものすごく大変になってしまい、放っておくとホイールが灰色になってきてしまいましたのでその対策で考えて製作したものです。

鉄板を切り抜いてホイールの内側のサイズピッタリで蓋になるもので、結論的にはホイールのパッド粉防止には絶大な効果が有ります。ただしブレンボキャリパーやタイプMキャリパーに交換している人にはそれが見えなくなるので視覚的には逆効果かもしれませんが。

内側には10mmのスペーサーが付いています。よくハチの巣のように穴だらけになっているスペーサーでいろんなピッチに対応できるようにした製品が有りますがそれはあまりよくありません。ましてやそれを2枚、3枚と重ねるのはもはや危険とさえいえる使い方となります。またアルミの材質も非常に重要でジェラルミンを使うべきです。この画像のスペーサーはある程度穴が少ないので良さそうなので選定したものです。本当は穴は専用のもの1セット4個のみのものが理想ですがなかなか出てきません。サーキット用Zはそのような一枚ものを使っています。かんたんに作れるので作れば良いんですがね。

ブレーキキャリパーとしては純正の対向1ポットソリッドブレーキとなります。これで普通に走るにはまったく不足ないのですが、今回はより安全マージンを持つためMK63対向2ポットベンチディスクブレーキに交換します。

ハブローターを取り外しました。

ハブの外周4か所が切りかかれているのが前期タイプのハブの特徴です。今回使おうとする後期タイプのMK63はこのハブでは取り付けができません。

これが後期タイプのハブで外周が切り欠きが有りません。

左が前期、右が後期ですがノギスで計っている部分が前期17mmに対して後期は25mmとなっておりサイズが異なります。それ以外はすべて同じようなのでそのまま使えるようです。後期型はローターのハット型部分の深さを変更していることになります。

ローターはカメアリの270mmフローティングベンチローターです。

 実はこれらのMK63一式はサーキットZについていたもので、サーキットZはエンドレスのジェラルミンモノ4キャリパー+300mmベンチディスクに変更(記事はこちら)したのでこれら一式が取り外してあったので、今回はその有休品を有効利用します。

 いくらノーマル的Zと言っても現代の高速環境ではブレーキは強化したほうが安全マージンがぐっと増すはずです。

バックプレートはこんな風に改造したものと交換します。左側のダクトで冷却風を取り込みバックプレートに開けた穴からローターに当てるように工夫しています。

こんな感じで取り付けます。

バックプレートはMK63キャリパーが取り付けられるように後ろ側の切り欠き形状を大きくしなければなりません。

ストラットやスピンドルは前期の今までついていたものそのまま使います。

ハブローターとMK63キャリパーを取り付けます。ブレーキラインの取り回しもタイヤと干渉しないように気を付けておかないといけません。また、ここをいい加減にやると車検時指摘されやすいところになります。ストラットとの固定をタイラップ止めなどでやっつけると多分指摘されます。

上記の画像の後、まじまじ見たらエアー抜きの位置が上下逆でしたので取り付けなおしました。MK63は左右入れ替えても取り付けはできてしまうのですね。

 パットピンは私が復刻して製作販売しているものです。パットの裏に付くゴムブーツのリテーナーも同じく復刻製作販売しています。

今までの純正対向1ポットとの比較です。重さはあまり変わらないというかMK63のほうが軽いくらいに感じます。

 

純正1ポットパッド込みで4.3Kgでした。

MK63はパッド込みで 4.5K

という事でほとんど差は有りません。

再びタイヤ装着までたどり着きました。

このタイヤは15インチなので問題なく取り付けられますが、MK63にした場合ホイールのオフセットや内径の形状サイズによって14インチでは干渉して取り付けられない場合が有ります。たぶんワタナベ8スポークはMK63で14インチでも取り付けられると思いますがそれ以外のホイールでは確認したほうが良さそうです。

この機会にランプ類をほとんどすべてLEDに変更しました。LED化のメリットはたくさんあります。

ちょっと値段が張るけど。サーキットZも同じく実施済み。

・ヘッドランプがものすごく明るくなる。ヘッド後ろにヘルメットが付いているS30Zはスペースが苦しいがドンピシャでつくH4タイプのが日産で売られている。

これによりライトスイッチと配線の負担が大幅に減らせる。55w→21Wになりますので約半分になります。

・その外のテールやブレーキ・ウィンカーも同じくで、特に明るくなって視認性が上がるので車体が小さく低いZでも夜間に目立ちやすいランプになる。

・フィラメント電球のように発熱しないので、プラスチックカバーやランプレンズが黒く焦げない。特にライセンスランプ。ここは熱害防止の鉄板がランプの前、レンズ裏にあるので発光に影ができて車検時指摘されることが有る。

・消費電力が減るのでオルタネーター・バッテリーの負担が減る。結果としてエンジンへの負担が減る。渋滞時にバッテリー上がりや、オーバーヒートを防げる。

・バッテリーの寿命が延びると思います。

 

気を付けることはウィンカーについてはLED化するときは純正のコンデンサー方式のリレーでは点滅しなくなりますので、市販されているICウィンカーリレーに交換が必要となります。これは値段も安く(1500円)配線も3本しかなく純正リレーと繋ぎ変えるだけなので簡単です。純正リレーの位置は運転席の横、ボンネットオープナーの横辺りにありますので、点滅させて音で確認することができます。

ちなみに私はバッテりーはリチウムイオンバッテリーを使っています。サーキットZはもちろんの事、バイクのBMWからRZ1まですべてリチウムイオンバッテリーです。

理由はもちろんものすごく軽いから。2.5kgしかありません。これは非力な私が大型バイクのBMW R100RSに乗る場合高い設置部のところの重量を減らせるので何物にも代えがたいパーツなのです。

欠点は値段が高い事、鉛バッテリーの5倍~8倍ぐらいします。ただし寿命は10年以上と言われており私もすでに5年は使っています。

もう一つの欠点は使用電圧にシビアだという事で9Vを切ると再起不能になるし、14,8V以上になると同じく破損場合によっては熱破裂などが起こるかもしれませんが、オルタネーター不調やボルテージレギュレーター不調や、ハザードやパーキングランプの焚きすぎや、ライトスイッチ切り忘れや、配線の摩耗で漏電、などのことが無ければ大丈夫だと思います。

ジャンプスターターやバッテリーケーブルでヘルプや、通常の充電器では充電不可(専用品が有ります)などの注意点もあります。 いままでんとこ大丈夫でした。


 

続く