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旧車にもやっぱりカークーラーが欲しい

 カークーラーをゼロから取り付け、配管、真空引き、冷媒注入までやる奮闘記録

取り付けるのはフェアレディーs30z。

 

その1 S30Zでクーラーユニットをどこまで奥に追い込めるか の奮闘記

 

その2 S30Zのクーラーユニットを助手席を犠牲にすることなく取り付ける 奮闘記


S30Zのクーラーユニットを助手席を犠牲にすることなく取り付ける方法 

2022年6月23日

前回と同じように同じ種類の中華製クーラーキットを購入します。中華製ではありますが一応前回曲がりなりにも作動したという貴重な実績がありますので今回もこれで行きます。 取り付け車両はこちら

コンプレッサーの取り付け

現代のコンプレッサーはすごく小型軽量です。

コンプレッサーブラケットはもちろん存在しないので製作します。左側の鉄のブロック類がそれらの材料となります。クランクプーリーは現在ついている当時物は今回使用する今時のコンプレッサーとはベルト幅が合致しないので交換が必要になりました。当時のコンプレッサーは非常に大きく重く、それを回転させるためのベルトも幅が広いもの要でした。数値的には16mm幅のベルトを使っていました。今回のコンプレッサーは実は11mm幅のベルト寸法なのですが、これに合致するプーリーは厳密には存在しませんので、今回も仕方なく13mm幅のクランクプーリーを使用します。前回もこれで大丈夫だったのでこれでいけると思います。

鉄材を加工して溶接してコンプレッサーブラケットを作っています。

色を塗りました。

ブラケットとしてはこれで完成です。

クランクプーリーの交換に入ります。

ラジエターが邪魔になるのでまずラジエターを取り外します。

クランクプーリーを取り外しました。右が今までついていたプーリーです。比べるとベルト幅の違いが判ると思います。

これから取り付けるクランクプーリーにこの際だから点火時期を見やすくするための割り出し角度を追加工しています。方法としては手持ちジグであるサーキュラーテーブルに取り付けて、5度ピッチで角度メモリ線をフライスエンドミルで切り込んでいきます。

クランクプーリーを交換取り付けました。

製作したコンプレッサーブラケットを取り付けました。

クランクプーリーを専用プーリーに交換した後、製作したコンプレッサーブラケットを取り付け、そのあとコンプレッサーを取り付けました。ここまでくるとだいぶ構成がわかりやすくなってきていると思います。

黄色矢印のところに取り付けた部品ですが私がオルタネーターストッパーという名称で製作販売しているものです。販売はこちら 

このパーツはオルタネーターに限らずこのように位置を微妙に調整する必要がある場合のアシスタントをしてくれる便利グッズで、工夫次第でいろんなところへ使えると思います。

使用したVベルトは三ツ星ベルトRM34です。

新品コンプレッサーなのでコンプレッサーオイルを注入します。

コンデンサー(放熱器)の取り付け

コンデンサーもかなり小ぶりのサイズとなっています。このサイズなら後ろに取りつくことになるエンジンラジエターへの影響も少なくすることができます。

クーラー付けたらエンジンオーバーヒートして使えないでは残念な結果となってしまいます。エンジンラジエターからある程度距離を離すようにしてさらに冷却風の効率を落とさない工夫をします。フロントノーズが長いS30Zはここはある程度スペース的な自由が効きます。

コンデンサーの前にクーラー用冷却ファンをさらに被せます。コンデンサーサイズに合わせたシングルファンとなっていまして、シンプルな構成です。

エンジンルーム側から

コンデンサー部分の配管

矢印部品はドライヤーです。この上面にあるサイトグラスで冷媒の状態をチェックすることができます。

バッテリーが寒冷地仕様の特大サイズがついているので、配管が少し上に乗りましたがS30Zの純正バッテリーならもう少し曲がりを少なく取り付けられると思います。今回の場合バッテリーメンテ時はドライヤーを少しずらさないとならないかもしれません。

この部分の配管の通し方をいろいろ考えたのですが、この状態が最も配管にとって無理のない状態と思えたのでこの配管とします。

各ホースの室内への取入れですがこのようにすでに2か所穴があけられていましたのでそれを利用します。最初はクーラーがついていたんですね。それでそれを外してしまって(かつてスポーツカーにクーラーがついているとダサいといわれた時代がありました。)今回またそれを付けるという事になります。歴史と時代を感じますね。

配管ホースを通してゴムグロメットで穴の隙間防ぎとゴムホースの保護を行います。

コンプレッサーへのホース配管です。ここで最も気を付けなければならないことはエンジンは稼働中に動く特に左右方向に動くという事を意識していなければなりません。エンジンが動くとこのホース配管も振動や曲げを受けることになりますので、そうするとこのフレアナットの締め込みを緩める方向に力がかかる場合があり、そうするとこの接続が緩み冷媒漏れという事になります。これは 「フレアナットを配管がちぎれるくらいめっぱい締めこめ」 という事では無く、エンジンと冷媒配管全体の位置取りと固定方法が重要と思います。

ラジエターをいろいろあった破損個所を直して塗装しなおしてから再度組み付けています。

ファンを取り付けました。

さていよいよエバポレーターの取り付けです。

エバポはこれですが、仮にラゲージスペースに置いてあるわけではありません。今回のお題目の通り助手席を犠牲にせずにS30Zにエバポを取り付けるとなるとこの位置もあり得るなという事です。ここなら助手席真正面にエバポを付けるのに比べて足元のスペースの制限が無いことはもとより、助手席の住人に真正面から冷気を吹き出し続けることを防ぐことができます。

この車の場合この部分に補強バーを入れているのでそれを利用してエバポの取り付けステーを構成してゆきます。(補強バーの取り付けの状況はこちらを参照

このようなステーが構成できない場合はラゲージ床面から取り付け座を構成してゆくことになります。

エンジンルームからの配管2本をこのように伸ばしてきてエバポに接続します。

先ずは真空引きをします。今回はクーラーユニット全体として低圧側にしか接続ジョイントが無いので低圧側からだけの回路へのアクセスとなります。クーラー取り付けのその1では低圧、高圧2系統からアクセスしましたが却って低圧側からだけのアクセスのほうがシンプルで良いようだし、作業上も問題がありません。高圧からの冷媒注入は注入ミス誘発の危険性もあるようです。

前回と同じように2ステージの真空ポンプで高次の真空状態を作り、そのまま24時間放置して真空が破れないかを確認します。

次に冷媒r134aの注入です。1本目はガス管自体の圧力で注入。30分ほどかかりました。30分経ってもまだわずかに冷媒が残っていました(缶を振るとパシャパシャと音がするのでわかります)ので最後はエンジンをかけてコンプレッサーを稼働して吸い込んでいきました。

このように簡易的に冷媒缶の重量を測りながら注入量を測定しています。これは注入前の状態。2缶目を投入です。

エンジンを稼働してコンプレッサーを回してゆくのでどんどんと冷媒は入ってゆきます。前の画像と比べて220g減っていますが冷媒の容量が200gなのでほぼこの缶はカラになっているようです。今回は2

缶目でまだゲージ圧が低いし、サイトグラスの状態も泡だらけで冷媒不足でしたので3缶目を投入しました。今回は接続ホースが長いのでその分冷媒が食われているようです。

3缶目が入ったところで0.25Mpaの上限に達したのでそこで完了としました。サイトグラスはまだ気泡が多いですがこれで良しとしておきます。

アイドリングでクーラー全開の状態で外気温度30度が18.8度まで温度が下がっていますのでここまでのところでクーラーの性能は出せていると思います。この後実際に走行して試験しましたがクーラーは十分に効いていて、温度設定は最小、風量も最小でも寒いくらいです。冷気吹き出し口からいったんフロントガラスへ冷気が噴出して跳ね返ってくる冷気を浴びますので直接冷気を受けるより冷たさはマイルドに感じます。運転席からは左横を冷気が吹いているのでシフトレバーを操作する左手は冷たいくらいなので、長袖にするかなど何らかの工夫をすると良いかもしれません。調整の範囲内かなとは思います。実走ではコンプレッサーが小型にもかかわらず意外とエンジンへ負荷がかかったスイッチングのタイミングのパワーの落ちを感知できるほどですのでコンプレッサーは相当仕事をしているようです。プーリー比などもあると思いますが、コンプレサーの寿命については今後の状況を見る必要がありますが、冷却は必要十分できていると思います。エンジンはL3.0の73度カム、圧縮比アップ、ソレックスΦ44+タコ足のセミチューンですが、アイドリング時にクーラーがONしたときエンジン回転は1000rpmから800rpmへ落ちますがそのままストールせずに回り続けます。エンジン温度は今回の試乗では85度あたりを指したままほとんど変化しませんでした。

助手席を元に戻してほぼ完成の状態

配管類は断熱材で巻いてカーペット類の裏に入れ込みましたのでそれほど目立ちません。

この後エバポの後ろ側がむき出しになっている部分をカバーを付けるなどして保護と見栄えの調整をします。もっと大掛かりにやるならこのエバポの周囲全体を横のバーのレベルまで一面に壁を作りこんでエバポの後ろまでドームのように囲えばさらに見栄えは良くなることでしょう。クーラー取り付けの大きな恩恵は湿気が取れることで、室内は爽やかで快適になります。今回のエバポには吸い込み側にエアーフィルターがついていないのでそこも課題といえば課題かもしれません。(この手の後付けクーラーにはほぼエアーフィルターはついていません)その意味からもこのレイアウトならエバポ全体をボックス状に囲ってボックスの側面にエアーフィルターを付けるなどの工夫も可能かもしれません。

s30zのクーラー取り付け ミッドシップマウント方式の完成となりました。

クーラーユニットは後ろから見るとこのようにメカメカしいいので体裁が良くありませんのでカバーします。

全周カバーとなります。底面側も念のため鉄板で箱状にしておきます。ここまでくると車幅いっぱいまで棚を広げてリヤシェルフのように作りこむ手もありそうです。そうするとそこに前に書いたようにフィルターを取り付けることができると思います。また、もっと発展させるなら両サイドの空間をスピーカーボックス化するという手もあります。等々、どんどんと妄想は膨らんでくるわけです。

だんだんと進めていきます。

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旧車にもやっぱりカークーラーが欲しい

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取り付けるのはフェアレディーs30z。

 

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