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R180デフのオーバーホール その1   その2   その3   その4   その5

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               その6

               

                                     

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2023年7月9日

R34 R180デフ

 

静岡県内の240ZGオーナー様からデフの修理を依頼されました。ご自分でコツコツと不具合箇所を直しているとのことです。現在はリヤ周りを修理中の様です。

先ず、サイドフランジのところを覗くとおやっと感じました。

リヤカバーを取り外しましたが見てのとおりパッキンも液体ガスケットもありません。チェックのために外してそのまま組んだという事かもしれません。

リングギヤの刻印から37:9ですので4.111という事になります。

LSDは90度と見えますので比較的マイルドな仕様と思います。

バックラッシュは0.30平均でしたので、規格の0.18~0.10からは完全に外れています。

この前にプリロードを測っているのですが”0”という結果でしたのでベアリング類は相当減っているようです。ので、バックラッシュの測定も

あまり意味のないことになります。

刃当たりはど真ん中に調整されていますので?

リヤ側もほぼど真ん中なので、ギヤ類は交換したてであまり使われていなかったのかもしれません。

デフ玉を外しました。

イニシャル測定

まー”0”Kgという事ですね。

LSDを分解しますがいきなりこんなプレートが出てきました。こんなのは見たことないですが、どうも効かない効かない(効く効くプレートの逆)プレートの様です。

構成としては4ピニオン

このようになっておりまして

プレートは本来は6枚構成ですが、先ほどの効かない

効かないプレートで2枚分を1枚にしてしまっている(摩擦面積が減る)のとプレートの内外爪のパターンが上手く組めなくなるので実質3枚構成となります。そしてプレッシャーリングは1枚のみ(通常は2枚)ですので、これではイニシャルが”0”で有るのも当然です。しかも全部のプレートが効かない効かない仕様の溝入タイプですので、もう完全にLSDを形だけのLSDにしているという事になります。おそらくチャタリングをうまく消すことができなかったのでこのようにしているのではないかと思われます。(あくまで想像です)

まともに作用しているのは片側6枚構成のうちこの3枚のみという事になります。

LSDケースのこのお決まりの位置に磨耗痕がかなりできている。やはりこのタイプのケースはダメケースだ。しかしLSDが全く効かない状態なのになぜこうなったか?途中で替えたという事か?まったくわからん!

サイドフランジから覗いておやっと思ったことがこれで現実のものとなった。サイドフランジがボルト止めでは無くてR200のようにクリップリングタイプだった。これだとドライブシャフトがクリップリングタイプで有る必要がある。あまり見ないタイプだ。(通常は横から長いボルトで締めて固定している)

ピニオンフロントベアリング

長い間動かさずにあったのか錆び痕の様なものができている。

こちらはピニオンリヤベアリングレース。同じく錆びたような模様がある。さらにその中に小さなボツボツした小さな穴の様なものが無数に見える。

拡大するとこのようになる。もうベアリング鋼の耐久限界を超えてクレーター状に鋼の粒子が脱落してきている。

ピニオン側のパーツ

ピニオンギヤそのものはまだきれいでしっかりしているのでなぜんなんだ。

R34 R180-OSロック

結局、中身はすべてあきらめるという事になりましたので出直しとなります。まずギヤ比が4.111では240Zでは適合が良くないということと、LSDが今までの状況では使えないという事でオーナー様から依頼されましたので

・ギヤ比3.900のギヤセットを探し出す。

・OS技研スーパーロックを特注する

SPECーS 1.5WAY

 リングギヤ径Φ110 

 ボルト径M10

 サイドボルト留め仕様

となります。入荷しました。

 

 

OS技研スーパーロックです。

39歯のリングギヤを組みました。

ケース側は10歯のピニオンを組んで、プリロード調整をして16.3Kgのプリロードとしました。ピニオンナット締め付けトルクは19Kgです。

 サイドフランジのテーパーベアリングもセットしています。

この後それぞれを組付けてゆきますが、調整が決まるまでは仮組となりますのでこの時点ではシール類を取り付けることができません。

サイドベアリングのプリロードも調整して仮組が完了。

 

歯当たりの確認です。正転側。

この時点での歯当たりとしてはこれではダメです。完全に歯先に当たりが偏っています。

歯当たり確認、逆転側

こちらも完全に歯先に当たりが偏っています。


この状態ではデフの歯が刃先だけで噛みあっている状態ですから、よろしくない状態ですので、ここからピニオンまですべてばらしてまたシム調整をやり直します。デフはこの歯当たりの結果がすべて組み上げてからでないと確認できないので面倒な作業で非常に根気のいる作業となります。私は今まで実施したデフの調整データーを記録して積み上げていますのでそれでも凡その調整傾向はつかんでいますが、今回のようにデフケースとギヤセットとLSDとすべてばらばらの物を組み上げる場合は苦労します。

全バラしてピニオンギヤの裏にあるシム調整をしてからまた全部組み戻しています。そして最終的には歯当たりは画像のようにど真ん中になりました。こうなるとやってきたことが報われた気がします。うれしい

こちらは逆転側

こちらもきれいにど真ん中です。


サイドベアリングのシム調整も実施して

サイドベアリングプリロード 2.3Kgの時に

バックラッシュは0.12~0.19となりました。

 

 

これからまたすべて分解して今度はオイルシール類を取り付けての最終組み立てとなります。

フロントベアリングを取り付け

画像はまだ打ち込み途中の図です。

オイルシールを打ち込み

サイドベアリングケースもオイルシールを打ち込み

R180特有の大きなオーリングを組んでデフケース横から貼り付けます。

後はリヤカバーを取り付けます。

リヤカバーにはメタルタイプのシールガスケットを使って取り付けます。

デフカバーを取り付けました。

このデフカバーは LSD という鋳出し文字が有ることや、注入側のドレンプラグの位置が異なる等純正とは異なるところが見られますが、車体への取り付けに支障は無さそうです。

試験用のサイドフランジを取り付け、試験用オイルを入れて回転試験をしています。問題はなさそうです。(試験用サイドフランジとオイルは試験後取り除きます)

これで完成となります。

LSDはOS技研のスーパーロックですから通常の走行では引きずらず、必要なときは完璧にロックするという乗りやすい仕様となっています。