ME-5 L型魔界エンジン #5

L型魔界エンジン、ME、フルチューン、L6、L型、77度カム、鍛造ピストン、軽量コンロッド、圧縮比、ビッグバルブ、アルゴン盛り、ツインアイドラー、ポート加工、

1) シリンダーブロック加工

 2) シリンダーヘッド

3)カムとスプロケ、カムタイミング

4)補器類取り付け・始動


1)シリンダーブロック加工

N42ブロックを単体にしてボーリング作業に備えます。

ボーリング前にクランクジャーナル径を測定しています。この画像ではわかりにくいですが、いつもの通りクランクキャップはM10からM12にサイズアップしています。

今回はボーリングと同時にパルホス処理(リン酸マンガンを表面に生成)という表面処理を行って耐久性を上げます。この処理をすると画像のように全部が真っ黒になって帰ってきます。

そのあとシリンダー壁を色塗りしています。今回はME1よりだいぶ濃いブルーにしています。少し濃い色にしようと原色ブルーに10%黒を加えたのですがここまで黒くなってしまいました。5%ぐらいにしとけば狙いどうりだったかもしれませんが、これはこれでOKです。

シリンダー壁の砂抜きプラグは打ち直している。

パルホス処理でどこもかしこも真っ黒。

パルホス処理をするときはクランクジャーナルに捨てメタルを組んで防処理しています。

今回ここに取り付けるのはフルカウンタークランクとなります。各気筒にバランスウェイトが相対して設定されているのが特徴です。材質もSCM440Hですので段違いに強度が上がります。

こちらから見るとよりフルカウンターの特徴がはっきりとわかります。

一気に組み上げていきます。

メタル確認

 

メタルはニスモメタルの#1でクリアランス広めを使います。プラスチゲージでクリアランス確認です。

0.025に少し足りませんので片側0.03というところで、直径で0.06クリアランスです。

ここから私の考案したクランクラダーを取り付けていきます。今回は形状を少しマイナーチェンジしてより使いやすくなっています。

詳細は「L型エンジンクランクラダーの開発」こちらから見れます。

マイナーチェンジ後のクランクラダー

このL型エンジンクランクラダーは私の販売のページからご購入できます。クランクキャップを箱型に連結して剛性を上げるので、クランクキャップの煽られを飛躍的に削減できます。

取り付けた状態

コンロッドを組んでいます。クランクラダーで1セクションごとに箱状に補強されるのでクランクキャップの煽られを低減することができます。

1番のクランクラダーはこのようにエンジン側の逃がし加工が必要になります。エンジン壁の強度に関係ない部分ですので加工しても影響はないです。

コンロッドです。重量は480g

ピストンです。ピストンはカメアリ鍛造レーシングピストン290g

手持ちのピストンを使っています。

ピストンコンロッド単体

メタルはニスモ#1メタルです。

ピストンリングは1.2mmチタンコートリング

ピストンピンは軽量レース用Φ21

ピンクリップの取り付けに少しコツがいります。

レーシングコンロッドで組んだ場合のクランクラダーとのクリアランスはこのくらいでまだ余裕があります。

純正L28コンロッドだともっと肉厚が増すのでボルトの部分で1mmクリアランスぐらいのギリギリになりますがちゃんと組めます。

クリアランスといえばこちらの腰下の壁の中間位置と、コンロッドの隙間のほうがぎりぎりでここで1mmくらいしかありません。チューナーによってはここをあらかじめ削り加工をしている場合があります。

振り分け法でピストントップを出します。

この状態でがっちりと分度器を固定してエンジン組み上げ終了まで絶対にここがずれないようにします。特にヘッドを取り付けてしまうともうここ以外にピストン上死点を知る方法がなくなってしまうので慎重に設定します。

ヘッドを載せる準備をしていきます。

パルホス処理のシリンダーは真っ黒


ME-5 L型魔界エンジン #5

L型魔界エンジン、ME、フルチューン、L6、L型、77度カム、鍛造ピストン、軽量コンロッド、圧縮比、ビッグバルブ、アルゴン盛り、ツインアイドラー、ポート加工、

1) シリンダーブロック加工

 2) シリンダーヘッド

3)カムとスプロケ、カムタイミング

4)補器類取り付け・始動