今回は71Cを探索します。

71Cにもいろいろ種類があるようです。

純正でギヤ比で私の知っているものでは2種類です。

今回の個体はRB系のRB71C#1とケースに鋳だし文字があるもので、Z31用との前提ですが定かではありません。

ギヤ比は1-4速はS30ZLと同じ ですが、5速のみが超ハイギヤードになっています。

これを探索する理由はもちろんこれをL型エンジンであるフェアレディーZに載せるためです。 

 

これは1号機となるので 71BコンパチC α1 として区別します。

全体としては71Bとあまり変わりなく見えます。左側がエンジン側です。

ギヤ部のアップです。

この状態で分解前の現状のギヤバックラッシュを測定してみますと、ドライブ4s=0.10 3s=0.08 2s=0.08 1s=0.02 5s=0.02 と非常にバックラッシュが少ない状態です。(基準は0.2以下) 

このミッションはあまり摩耗していない様に判断できます。ただオイルは黒いので、オイル交換はあまりやっていなかったという感じはします。

シフトリンケージですが、非常にがっちりと大きくなっています。ほとんどギヤが包まれてしまっています。

これは3-4シフトロッドのセレクター部に取り付けられた部品ですが、71Bにはありません。動かしてみても何の役割かわかりません。爪を下側に押すと、丸い鉄棒が引っ張られて後ろ側に引かれますが、それによって何か動かしているわけでもないようです。私にはわかりませんでした。

 

2012年11月24日

N社に勤めていて71系の実験に携わった方とお話しする機会を得られここの質問をしました。

このリンク機構はバックへのシフト時ギヤなりすることを回避する為に追加されたとのことです。

仕組みはバックへシフト時シフトロッドがこの追加された爪に作用することで、バックギヤがかみ合う前に4速のシンクロを少し押してメインドライブにブレーキをかけることを目的としたようです。

メインドライブが止まれば、バックに入る時に逆回転しているよりは良いということですね。

 

でも、この為にこんな複雑にしたとは私からすると技術者として方向性を間違えていると思います。

臭いところにはフタ というか 恥の上塗りというか ある部分だけを設問されてそれに答えたとしか言いようの無い対策です。事実、このリンクは次のS14では捨てられ、潔くバックにもシンクロを

追加しています。それはそれでいいんですが、確かにバックギヤは摩耗がひどい場合が多いですが、マニュアル世代で育った人はバックシフト時ギヤなりをさせるのは恥と思い、メインドライブが止まる瞬間を心の中で考えてそのすれすれのタイミングを心得てチェンジしたものです。一呼吸置くのですね。

つまり人間シンクロです。これが最も単純で軽量・正確・柔軟な対策ではないでしょうか。

 

 

こちらは5-バックのリンケージですが、こちらはもっとわかりません。下側の溝に対して上からプランジャーが押さえており、位置決めするようになっているようです。

ここから分解に入ります。まずチェックプラグを抜きます。3か所のボルトを緩め外し、中からスプリングとチェックボールを取り出します。それぞれは共通ですので、混ぜても大丈夫のようです。

シフトフォーク分解時に取り外した部品類です。左上の1-2速フォーク固定スプリングピンだけはφ6mmで太いです。他のスプリングやスチールボールは共通のようです。

上側に取りつくのは左下のボルトで、これのみ長さが長いです。

下側シフトロッドは下が71C 上が71Bで71Cのほうがφ16mmと太くなっています。重さもずっしりと重くなっています。上側のシフトフォークは左が71B 右が71Cですが、大きさの違いは一目瞭然ですね。3倍くらいあります。

5-バックシフトは大きさこそ変わらず同じようですが、いろいろ付属品が追加されていますね。用途は分かりません。

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