ダイアル35の逆襲  2012年9月29日

 

この画像はキャノンのダイアル35というカメラです。

持ち方が変だと思われるかも知れませんが、これで正しい持ち方です。

 

35mmフィルムカメラですから35はいいんですが、ダイアルとは何でしょうか?

これが分かる人は昭和世代の人でしょうね。

そのころ電話をかけるときは、ダイアルしてね とか言っていましたように、電話機には丸い数字がかいてあるダイアルというものが付いていました。回すとジーコジーコと音がしました。わずか40年くらい前のはなしです。だからこのカメラはダイアル35なのだとおもいます。

 

 

 

 

下画像は裏側のデザインで右上にある小さい窓がファインダーです。このカメラはハーフカメラなので35mmフィルムを半分に使いますが、ほとんどのハーフカメラが縦半分に分割したので、縦長の画像になるところを、このカメラはこの様なレイアウトなので、普通の横長の画像となります。ま、持ち方の違いだけなんですけど。

黒い枠の中に書いてあるのはガイドナンバーです。

 

あと3枚は全体の姿です。大きさ的にはオリンパスペンとほとんど同じです。

ボディーはアルミ材をプレス成形していますが、各部のチリは合っていて精度はいいです。

ダイアルの中心にあるのがレンズです。28mmで1:2.8 キャノンレンズです。まわりにダイアル状にあるレンズの様なものは光量を測定する為の窓ですね。ISO感度調整はなんとこのダイアルを回すことで、受光面に異なるサイズの穴を置くことで行っています。レンズの回りのプラスチックのギザギザを指の腹で押しつけるようにして回して、周囲の筒の左上に有る黒い太帯部分にISO NOを合わせます。よーく見るとダイアル状のレンズの中にそれぞれ大きさの違う穴が1個ずつ開けられているのが分かります。実に直接的でシンプルです。

 

このダイアルを囲っている筒状のものがシャッタースピード調整リングで右下の黒線に数値を合わせます。1/30~1/250の範囲です。このリングの外周にはSEIKOUSHAの文字が刻印されており、シャッター機構はセイコーを使っていたのかも知れません。 

 

 

左下にあるのがシャッターボタン その上に小さく数字が出ていますが、これが撮影枚数カウンターです。

そしてその上にあるギザギザのついたボタンは絞りの調整ボタンで、押し込んでおけば自動調整で、引き出して回すと手動調整になります。自動ではファインダーの内部に露光計が見えますので、適正露光に近くなるようにシャッター速度を調整します。

 

その上 ファインダーの下の四角い窓の中がすりガラスの様になっていますが、これが露光計の受光部と思われます。 

 

 

 

 

このカメラの大きな特徴は自動巻きということです。このノブの中にゼンマイが入っていてその力でフィルムを巻きあげ、シャッターをスタンバイします。したがってシャッターを連続で押すことが出来、巻き上げレバーを操作する必要がありません。ハーフサイズということもあって、何枚も捨てどりすることがこのカメラには合った使い方だったと思います。

 

R印のボタンは撮り終わったあとフィルムを巻き戻すリワインドの時に操作するボタンで、押し込んで右に回すとリワインドが始まります。リワインドも自動です。

 

右下はピント合わせレバーです。これはいまいち使い勝手が良くなかったです。 ファインダーの窓の中の左側に山の絵 複数の人の絵 顔の絵 が表示されていて、ピントレバーを動かすとそれぞれの絵の所へ指針が移動します。つまり風景を写す時は山の絵に指針が来るようにピントレバーを動かすのですね。でもこのレバーってよく見るとレンズに1:1でつながっていて、レンズを回しているだけです。シンプルです。

 

 

裏ぶたを開けたところです。お弁当箱を開けたところのようですね。

フィルムはこの様にセットされています。フィルムが入っていないと自動巻き上げ機構は機能しない構造になっています。

 

右側のステンレスのレバーで押さえているものは、露光計用のボタン電池です。

これも光の密封が1重の所がかなりあり、光漏れを防ぐにはモルト(スポンジ)の管理が必要です。

 

全体的には金属の塊の様に重くがっしりしていますが、デザイン的にはその重さを感じさせないポップなデザインで、たくさんある現代のデジカメの中においてもひときわ目を引くデザインではないでしょうか?