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71BコンパチC Ωバージョンは71Bミッションの中身を71系最終バージョンの71Cに入れ替えて性能回復を図るバージョンです。Ωバージョンは純正でも存在しない4速まで強烈なシンクロのかかるダブルシンクロとするバージョンです。バージョンとしてΩ、α、β、γ各バージョン×クロス組バージョンが有ります。

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2021年11月17日

71BコンパチC Ω45 (Ω44は欠番)

 510ブルーバードの方からロングでΩバージョンにしてほしいということで制作します。

 画像でハブスリーブは新品としています。特にスリーブは傷みやすいパーツです。よくシフトミスするとガリッと音がしますがこの時ギヤ側のシンクロ舳先が変形摩耗するとともに同じ量だけこのスリーブも摩耗しています。

1-2速を組みました。

3速とΩの肝となるメインインプットを組みます。

3-4速ハブスリーブも新品を使用します。

メインインプットまで組みました

リヤ側はバックシンクロ付き仕様で組みます。スリーブは新品を使用。

ギヤ部を組みました。

精度測定

 

 1st  2nd  3rd     5th

エンドプレイ

0.32 0.17 0.23 ーーー 0.19

バックラッシュ

0.12 0.15 0.05 ーーー0.07

3速のバックラッシュが狭めですが3速は新品ギヤなのでそういう傾向になります。他はそろっていて良い値です。

ケースへ一気に組んでいきます。

シフトレバー取り付け支点穴は念のため2種類に増やしています。

回転試験を実施して回転抵抗、シフト感、オイル漏れ等も問題ないです。


2021年12月5日

71BコンパチC Ω46

HS30でギヤの異音が激しく走れないというオーナー様から依頼されました。4速だけは何ともないということで何とか帰宅できたが、さすがに4速だけでは取り回しもままならないとのことです。

やり方としてはいつもと同じです。

メインシャフトは新品を準備しました。

1-2速の部品たちです。

1-2速を組みました。

センタープレートはR32.GTRなどで採用されたオイル偏り防止フラップ付きです。一番下についているプラスチックの白っぽいパーツがその部品ですが、これがあると急加速時や登攀時にミッションオイルがリヤ側にすべて偏ってしまうという不具合を軽減できます。71C系は時代がすすむにつれてセンタープレートのオイル通路が少なくなっていく設計に変化してきています。

1-4速まで組み立て完了

リヤ側の部品ですが、今回はバックシンクロタイプなのでバックにもシンクロが作仕様で、そこで重要なのが画像左側のスリーブですがシンクロ舳先が丸まっている場合が多いですので、今回は新品に交換します。

下側のが今までついていたもので、特にバック側の変形がひどいです。右側はシンクロハブで、細かいのはシンクロキーです。

ギヤ部を組みました。

ギヤ精度

 1ST 2ND   3RD      5TH

バックラッシュ

0.34 0.13 0.32 ーーー 0.17

エンドプレイ

0.15 0.18 0.10 ーーー 0.12

良い値です。

3RDのエンドプレイが広めではありますが規格内です。

リヤ側バックシンクロ部分です。

シフトフォーク関係を組みました。

ミッション内部の組み立ては終了ですのでこれからミッションケース側の組み立てに入ります。

ミッションケースはウェットブラスト加工オプションを指定されています。

ケースに組んでいます。

回転試験機でチェックしてゆきます。

ミッションの中でここがもっとも汚れるところですがこの通りまっさらになりました。中古品はクラッチのカスとオイルと砂埃が入り混じった真っ黒の状態であることが多いです。

今回はミッション交換の手順で長年メンテしていなかったフライホイール・クラッチディスク・クラッチカバー・クラッチレリーズベアリングセットでの交換となりますので部品調達しました。

 

今回のミッション載せ替えはオーナー様が特にお任せしているショップさんが無く、車体の置き場所は長野で現在はミッション故障で動けない状態であるということから、私がお付き合いのある長野の知人を通して長野のプロショップをご紹介していただき、載せ替え実施となりました。


2022年3月20日

71BコンパチC Ω47

 

DR30用にコンパチC Ωバージョンで製作してほしいという依頼です。

今回は4速までダブルシンクロのΩバージョンですので、メインインプット=4速のシンクロを変更してゆきます。DR30系は通常では大径シングルシンクロですので通常ではありえない仕様となりますし、4速のシフトがすごくスムーズになります。

ダブルシンクロリングを取り付けました。黄金色のリングがフリクションリングで内外2重になっています。その間にテーパーの固定リングが挟まった構造ですのでこの間の摩擦面積が約2倍に増し、シンクロ力を生み出します。

途中の画像が飛んでいますが、フロント側1-4速まで組み込みました。

リヤ側 5速-バックも組み立て完了

ギヤ精度

 

エンドプレイ

0.31 0.23 0.28 --- 0.25

バックラッシュ

0.05 0.15 0.15 --- 0.12

 

1速のバックラッシュが少な目ではありますが、規格値内で良い値であると思います。

M38はサイドロックボルトで緩み止めします。カシメももちろん併用しています。

シフトロッド・フォーク関係ですがDR用ミッションは3-4速用が71Cとは異なるので、71Cの新品に交換してゆきます。

シフトロッド・シフトフォークの組み立てが完了。

後はケースへの組み込みとなりますが、今回ケースがウェットブラスト処理の依頼がされているのですが、私がウェットブラストを頼んでいるところがいろいろな事情で納期の遅れが出ており、ウェットブラストが戻ってくるまでこの状態で少し待ちとなります。

ミッションをケースに組んで回転試験に入っています。ブラストをかけたのですごくきれいになっています。

この辺がDR用の大きな特徴です。71Bとしては最終の仕様となります。左横についている小判型のものはバックチェック機構で、5速からストレートにバックにシフトできないようにするための工夫です。


2022年7月19日

71bコンパチc Ω48

コンパチc Ωバージョンを作ります。

作り方はもう確定していますのでいつものように進めていきます。このところコンパチシリーズもΩバージョンでのご注文の比率が高くなってきているように思います。

2速とハブスリーブ

ハブスリーブは新品にしてゆく場合が多いです。今回も新品使用です。

フロント側が組付けできました。メインインプット=4速も大径ダブルシンクロとするΩバージョンとなり、純正71cでも存在しない仕様という事になります。71c用のギヤは歯厚が厚くがっしりとして見えます。これにより歯の強度が増すとともにギヤ歯の噛みあい面積が増すためギヤ駆動時の音とか摩擦が少なくなる作用があります。

リヤ側も組みました。5速は0.75の71Cとしては純正のギヤ比です。(71B純正は0.86です。私の作る71Cでは5速のギヤ比は純正0.75とオプションの0.83が可能です。)構成としてはバックにもシンクロがつくバックシンクロタイプです。(71Bはバックは直接歯が噛みあうガチンコ仕様です) 

ここで豆知識・・?を一つ、このバックシンクロタイプは多くの場合が5速のシンクロ舳先が逆テーパー付き(ネクタイと言っています)なので5速のギヤ抜けが発生しません。それ以外はシンクロ舳先は71Bは100%ストレート噛みあいなのでアクセルOFFの瞬間に稀にギヤ抜けすることがあります。激しい走りをする人は特にここを痛感していると思います。

 

ギヤ精度

 1ST  2ND  3RD     5TH

バックラッシュ

0.32 0.08 0.08 ー--0.15

エンドプレイ

0.08 0.18 0.13 ー-- 0.15

ほとんど完全な値です。

シフトフォークを組みました。このように71Cではシフトフォークは強大化しアルミ化されて軽量化するとともに断面積を大きくして縦断面係数を上げることでシフト時のシフトフォークのタワミを少なくするよう対策されています。同じ強度でもしなりながら力を伝えるものと、しならないで同じ仕事をする物の場合を比べればもちろん後者のしならないでかっちりと仕事をするタイプのほうが気持ちが良いです。

ミッション簡易回転試験機 イーザナライザーで最終試験をします。ここで真っ先にやることはシフトが1速から5速まで気持ちよく問題なくシフトできるかを試験します。そんなのできて当たり前でしょと思うかもしれませんがそれがそうでもないのです。特にコンパチミッションのように純正とは大きくかけ離れた(71Bの中に71Cのギヤシフトが入っているんですからかけ離れていますよね)ミッションの場合ここが最も注意するべきところなのです。特に大きく異なるところはシフトの左右方向の振りで、ただ71Cを71Bのケースの中に入れただけでは間違いなくシフトができなくなります。ここを今までのノウハウで改造しているわけですがまずはここをチェックが必要です。この時はかなりシフトをラフにしていろんなイレギュラーパターンでシフトしてもエラーが起こらないか、気持ちよくシフトできるかをチェックします。ここで問題が感じられる場合はミッションを分解して原因と考えられる部分を改造していきます。この改造部分はデーター化して次のミッションの製作時に織り込んでゆくという事を繰り返してコンパチ化は進化していると思います。

そこからシフトをさらに繊細にしてシフト時にシンクロがかかった瞬間のギヤがうなりをあげて増速する過程をチェックしてゆきます。私はこの私が作ったイーザナライザーでミッションに関するいろんなことを学ぶ機会が得られたことをラッキーだったと思います。これが無ければただ組み上げただけのミッションをできたよーと言っていたわけですから。

 イーザナライザー試験機でチェックして今回も問題なく満足のいく状態だと判断できましたので、Ω48の完成といたします。


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