親子の510 その1 その2(現在のページ)

 

キャブリンケージが旧いタイプのが流用できなかったのでこの部分は新品に交換している。?マークの棒とレバーを新設で他はそのまま流用している。

アルミラジエターやウォーターポンププーリー・ファンベルトなど取り付けている。

アルミラジエターとウォーターポンプの隙間は2cmほどしかなく、引き込みタイプの電動ファンは取り付けできない。

今回は押し込みタイプの電動ファンをかなり無理があったがここに押し込んでいる。

オルタは結局最新式ICレギュレーター付きとした。

電動ファンにしたのでアイドリング時から発電能力の高いこのタイプはメリットがある。メーカーは不明だが自分もしばらく前からこれを使っているので問題ないと思う。しばらく前からオルタについてはたくさん対応品が出てきたので心配が減った。

 レギュレーターは今までの機械式レギュレーター(チリル式)は不要になるがその際に配線の変更が必要になる。

この後液体類をラジエター・エンジン・ミッションに充填した。

電気配線、燃料ポンプ系・電動ファン系・フルトラディストリビューター点火系をセットした。

これで始動準備完了なので始動テストして一発始動で動き出した。良かった。

これから細部の煮詰めをしてゆく。

ヒートインシュレーターを製作した。裏側には断熱材を貼りこんでいる。取り付けはソレックスキャブの右側面の使用していないM5ボルト穴を使うようにしている。通常よくあるキャブとマニフォールドの接続ボルトと共締めする方式でないので、キャブ固定がしっかりと出来るし、こちらの方がインシュレーター付け外しはもとよりキャブの付け外しも簡単にできる。今回は4気筒2連キャブバージョンだが、6気筒3連キャブバージョンももちろん可能で有る。

ヒートインシュレーターを取り付けた。

これでタコアシからの直接熱はある程度防げるが、エンジンルーム内の全体温度上昇には対処はできない。

ガソリンは80度程度で沸騰してしまうのでそうなると生ガスがあふれてキャブ内に流れ込みカブッてエンストする。そういう時はアクセル全開にしてセルを回し続けるしかない。

510は特にエンジンルーム内が狭く熱の抜ける隙間が無いので夏場の信号待ちはつらい場面が出てきてしまう。次善の策はエンジンルームの熱の放出先を作ることであろう。例えばボンネットを1cmほど浮かしてボディーとの間に隙間を作るとか。できるならボンネットに熱逃がしスリットを設けるとか。

ブレーキのエア抜きをやっているが右キャリパーのエア抜きプラグはこんな風になっていて適合する工具が判明しなかったので緩めることはできなかった。

 キャリパー外して加工すれば修理はできるがこのキャリパーでそこまで追求しても意味ないので、ホースの方を緩めてできるだけエアー抜きした。

エンジンもかかったし車体回りも直したしもうゴールが見えたなと思いつつ試走に出て快調に走り、10kMほど完調で走って本当にこれで完成かなと思ったその帰り道最後の右折信号で突然エンジンストールしてしまいました。よくある熱気でキャブ沸騰のパターンかなと思ったのですが、ところがこの時以来エンジンが絶不調に陥ってしまったのです。

先ずエンジンのかかりがひどく悪くなりました。かかりにくいのですがずっとセル回し続けるとアクセルオフの時だけエンジンがかかることが分かりましたが、エンジンかかった状態から少しでもアクセル開けるとエンジンストールしてしまいます。何度やっても同じです。

 いろいろ見てゆくうちにキャブ連結外してそれぞれフリーにしてそれぞれアクセル開けてチェックすると、1-2番側のキャブが不調で有ることにきずきました。3-4番は問題ないようです。そこで1-2番キャブ外して全てのガス通路を再度エアブローしてつまりが無いかチェックしましたが特につまりは無かったし、もう一度エンジンに組んでトライしても状態は全く変わりません。

 アクセル開けてストールするときは猛烈なバックファイヤーが来ますのでガスが薄い状態です。プラグを外してみると濡れてはいないのでガスが薄い状態です。こんな試行錯誤をこの後1週間続けました。

 やはりキャブの問題かと思い1-2番キャブと3-4番キャブを入れ替えてみても状態は全く同じ。ということは問題はキャブ以降のことに確定しました。とすると、エンジンか?

 

キャブは問題ないのにプラグは濡れない場合、ガソリンが来ていないなどのこともあり得るのですがもちろんガソリン通路、燃圧全てチェック済みです。

 まれにあるのがバルブクリアランスが無くなっていてガスが吹き抜けている場合で、この場合キャブがしっかりしていてもバルブの隙間からガスが吹き抜けてガスが薄い状態になりバックファイヤーが生じます。プラグも濡れません。ということでヘッドカバーはぐってバルブクリアランスチェックしています。

結果的にはバルブを突くほどの状態ではなかったのですがこのエンジンの場合バルブセットがかなり特殊です。

バルブビボット側ですが右が吸気、左が排気ですが右の吸気側はもう調整代が無いくらいビボットが胴付き寸前です。つまりこれ以上バルブクリアランスを広げることができない状態です。何らかの理由で吸気側のバルブ付き出し長さをものすごく大きくした(長くした)ことが原因ではないかと思うのですが、自分で作ったエンジンではないので詳細は分かりません。

こうなった場合どうするかというと反対側のロッカーガイドを低いものに交換してやればこれを回避できるのですが・・・・。

反対側のロッカーガイドはこの状態でした。限りなく薄いです。こんなの見たことが有りません。

通常の一番薄いのでもこれくらいで、しかもこの字型の立ち上がりの高さがこのように3mmほどあります。

 では先ほどのでダメかというと一応は成り立っているので結果オーライですが、この状態であまり高回転を使い続けることはかなりリスキーです。

 何らかのチューニングの必要性でこのようになっているんだと思いますので、この部分は何とも言えないところですが自分なら、これなら素直にカムホルダーにスペーサー入れます。そうすれば元に戻ります。

 さて、問題のバルブクリアランスですが非常に少ない状態ではありますが突いてはいないので、これも原因ではないようで、事実バルブクリアランスをできる限り調整してトライしても全く現象は変わりません。では一体原因は何だ・・・。この状態で1週間悩み続けると苦しいですよ~~~。真夏のミステリー~~~。

エンジンについてビボットの問題は有るが現在の不具合に対しては関係ないことが分かったので、さらに他の要因を探してゆくが、1-2気筒と3-4気筒で異なるところはこの部分が異なることに気が付いた。ディストリビューターにつながっているバキューム進角用ホースだが、何の気なしにこのホースを指でつまんでつぶしてみるとなんと不調は治ってしまった。1-2気筒もアクセルに追随してちゃんと吹け上がる。これでやっと不調のしっぽを掴んだ。

 それなら簡単と、このホースを取り外して塞いだのだが、今度はエンジン始動が出来なくなった。分けわからん。バキュームホース有りなしでこんなに現象が変わる訳が無いんだが。

もう他のエンジンと異なるところはここしかないのでこのヤフオクで新品で買った製造メーカー不明のこのディストリビューター、たくさん出品されていたのでOKだろうと考えていたが、もうここしかない。

 これはバキューム進角が付いているし、フルトラのアンプが内蔵されている優れものだと思ったのだが今回はダメの様だ。とにかく別のディスビに交換してそれでエンジンは今までの不調が嘘のように普通に戻ってしまった。思えば最初の1発始動から試走までとんとん拍子で進んできたのでここは疑いもしなかったがどうやら10kmの試走でこのディストリのダイヤフラムが破れたか、フルトラがいかれたか。両方なのか。このディストリは極寒地専用だったのか?

バキューム進角を止めるとエンジン始動できなくなるところからするとおそらくバキューム進角のリターンスプリングの仕様が特殊に弱すぎるのが原因ではないかと思う。

追加メーターでタコメーターを取り付けた。この年代の旧車タコメーターは電流式で動きが不安定だったり、動かなかったりする場合がままある。この車のタコメーターは時どき動くがほとんどは動かないというものでこういう場合の修理は厄介です。どこかで配線がおかしくなっているようです。結局後付けのメーターに交換しました。他のメーターは全て動いてちゃんとしてます。


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