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R180デフのオーバーホール その1   その2   その3   その4   その5

 

               その6

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2023年10月20日

R180デフ R36

 

時々来訪してくださる静岡県内のS30Zオーナー様からデフとドライブシャフトの製作を依頼されました。

今回は普段乗りで街乗りで良いので純正で良いですとのことで純正デフを仕上げます。ギヤ比としてはS30Zの純正ギヤ比3.9 リングギヤ内径φ110と純正そのものでご準備いたします。

ピニオンまでばらばらにします。

ピニオン根元には真っ黒に変色したオイルが残っています。

純正ベアリングを用意してまずはピニオンから組付けます。

ピニオンプリはM27ナットを19kgのトルクで締めこんで15.7kg のプリロードとしました。

刃当たり確認 正転側です

ベタ当たりですね。

刃当たり確認 逆転側

全面当たりです。

バックラッシュ調整です。

先ずサイドベアリングのプリロードは9.1kgにしました。少し大きい目ですが、ベアリングが新品なので馴染み分を取っておきます。

バックラッシュは  0.09~0.15こちらも少し少な目ですが同じく馴染み分を持っておきます。

一旦ばらしてシール類を取り付けて本組に入ります。

ピニオン側フロントベアリングを打ち込んでからシールを組付けます。

この時点からピニオンプリロードやサイドベアリングプリロードはシールの抵抗に隠れて正確には把握できなくなります。

ほぼ完成です。

今回は指しこみタイプドライイブシャフトを使うのでサイドフランジはこの後行う回転試験用として仮に取り付けています。

リヤカバーの様子です。普通に純正のままとしています。

回転試験をしています。問題ないようです。

引き続きドライブシャフトも依頼されていますのでOHしていきます。画像ではOH後2液ウレタンで塗装をして後の画像です。

組み立てに入ります。

ゴムブーツを取り付けました。

このゴムブーツはものすごく肉厚で丈夫に出来ていますので画像のようにドライブシャフトの太い部分を通すのは非常に難しく通常のゴムパーツのように手で伸ばして通すことができません。いろいろ工夫して何とか通すことができるようになりました。

スプライン部分に専用グリースを詰め込んでボールスプライン部分の組付けをします。U字型のヨークをこのような位置関係で組む必要が有ります。組もうと思えば45度ズレ、90度ズレでも組めますがそれをやるとドライブシャフトが盛大にブレルことになります。また、当然左のボディーと右のシャフトの組み合わせは元の通りにする必要が有り、裏表も元の通りにしますので、分解前に合いマークを付けて元に戻せるようにしています。これはドライブシャフトの芯だしと関係してきますので重要なことです。

シャフトを組付けたらここにワッシャーとEリングを付けて抜け止めします。

次にゴムブーツの固定ですがここを針金でネジ締めしたり、インシュロックで締めたりしている場合が有りますが緊急時は仕方ないですが正規にはこのようにしないといけません。

純正の金属バンドを2周回してから固定部分で折り曲げて抜け止めしますが、ここもただ折り返しているだけといいうやり方をする人もいますが、私はこのように端面を丸めて横バンドの中に折り返して押し込みます。

そしてその後横バンド部分をポンチで打って押さえて完成です。

金属バンドを2本締めました。

日産純正の十字ジョイントを使ってジャーナルを組み立てます。前に述べた通り組付け位置関係は完全に元の状態と同じでなければなりません。また、このタイプのフランジの場合はフランジ固定ボルトM10を先ず差し込んでおいてからジョイントを組まないと後からは取り付けができなくなります。

4か所の十字ジョイントを組みつけて組み立て完了です。