2014年12月22日

 71BコンパチC α39

Z432魔法のほうき #2

 

題名が示す通り Z432に71B2分割ミッションケースを準備して、中身は71Cにするという非常にレアなパターンのやり方での2号機となります。#1の記事はこちら

 

S20エンジンのZ432やハコスカGTRはミッションとしては71Aをオーバーホールして使うか、又は今回の様にケンメリGTR用に使われていた71Bミッションの純正か又はアフターメーカー製を使うしか選択は無いように思います。でもすごくレアになりましたね。

 

それにしても、このS20エンジン用の71B2分割ケースが良くあるものです。


 

 

画像が無いですが、ドナーとなる71Cを分解しています。

ドナーを分解時に各精度をチェックしておきます。

今回のはバックラッシュが理想値に近いです。

エンドプレイは1stは少し大きすぎですが、ほかは良い値です。

 

   1ST  2ND  3RD 4TH  5TH

BR 0.07 0.08 0.07 --- ?

EP 0.45 0.25 0.11 --- 0.03

 


いつものようにこの状態から組み立てに入って行きます。


ベアリングは全てセミシールドタイプに変更して、最終バージョンの71Cと同じ仕様とします。

1速-2速およびシンクロハブスリーブの状態です。


1速 2速ともにシンクロ舳先(ドッグティース)の先端がまだとがっている状態です。


スリーブも問題ありません。

1-2速の拡大画像です。

基本となる71C用メインシャフトですが振れは計測できない状態で0.000と極めて曲がりが少ない状態でした。


これにメインギヤを組んでいきます。


カウンター側も振れは0.005以下でした。

アダプタープレート前側部分が組み付け出来ました。

次に3速、と4速メインインプットシャフトの状態です。


交換部品も用意しています。


手前側のスリーブも問題ないです。

一気に組み上げました。


シフトフォークは71Cはいつ見てもがっしり見えますが、アルミなので重量は意外と少ないです。


スリーブ接触面には銅合金が鋳こまれていて摩耗を防いでいます。

ギヤ部分が完成しました。

精度チェックします。



BR 0.17 0.22 0.27 --- 0.05

EP 0.30 0.22 0.25 --- 0.05


申し分の無い値です。


アッシー状態ですが、画像で判るとおりバックギヤーにシンクロが付いており、71系の最終バージョンと同じ仕様です。


贅沢ですね。

フロント側 1速から4速拡大


下側のカウンターシャフト先端には、ギヤ打ち音キャンセル用シザースギヤーが付いているのが見えます。

Z432で選択できる最良の選択、71B2分割ミッション魔法の箒です。これが有ればコンパチC化が可能です。

L型用ベルハウジングとはセルモーターの位置が異なっており互換性が有りません。残念!

しかしこれとても、豊富にあった時代にぞんざいに扱われた後遺症が見られます。


ケースを分離するときに手荒に扱った形跡がこのように左側および中央部に見られます。おそらくタガネの様なものを打ち込んだのでしょう。


かろうじてシール面を縦断していないので、液体シールでなんとか防げるかなの状態です。

リヤエクステンションは私が準備しています。


今回バックシンクロ付にしたので、5速からバックにストレートでシフトできないようにチェック装置付のエクステンションを準備しました。


バックにシフトするときはいったん5速からニュートラルに戻してからバックにシフトしないと入らない様になります。

リヤエクステの内部ですが中央部屋や左側にこの字型の鉄板製の部品が見えますが、71Bの中期以降に追加されたプロペラシャフト挿入部をオイル潤滑する為のオイル供給レールです。


これが在るとスリーブの摩耗が防止できます。


コンパチCではさらにここにオイルが十分に入るようにガター=受け皿を取り付けています。









続く

ケース組みこみ完了しました。

完成です。


回転試験をして、シフト・オイル漏れ・メーターギヤ・バックランプスイッチ すべて問題ないです。