BMW R100RS ツインショック de 風の中の徒然

2018年4月23日

バイク紹介でも載せていますがBMWR100RSツインショック

ですが、このバイクは13年前にいつかは日本全国をこのバイクで旅することを夢見て購入したバイクです。そのために荷物を効率よく持ち回りできる大型バイクケースを2個持つこのバイクを選んだのですが・・・。BMWはカウリングが付いていることもあり、当時もっとも安定した走りができるツーリングバイクと言われていました。エンジンの耐久性は10万kからやっとあたりが出てくるおいしいい時期ともいわれていました。

 現実は日常生活に追いまくられて日本全国どころか中部地区ですら周っていません。

 2年ほど前から学校の先輩が同じように日本全国ツーリングを始動したのに便乗して私もやっと重い腰を上げることにしました。

 

 しかも今回はいきなり1週間の北海道ツーリングにチャレンジです。はたしてどちらも賞味期限切れのBMWと人間の体力が持つでしょうか。

 

 

それでも何回かはBMWでツーリングはしているのですがそのたびに不便に思うことが有ります。

1、クラッチが重い。半日で左手がひくひくしてきます。

2、サイドミラーがぶれて見えない。カウリングの一番端にあるため盛大にぶれます。そうするとツーリング時は仲間の位置や状態がぼやけてしか見れません。また、高速では目立たない色の一般高級車に2人乗りで追尾してくる車のナンバーが88かどうか見極めができません。

3、ガソリン漏れが見られる。ガソリンホースかフィルターがもう寿命の様です。

4、シートが高すぎ、足つき性が悪い。走っているうちはいいのですが信号待ちではシート上のバレリーナとなりつま先がやっと届くかどうかです。

5、センタースタンドが重い。BMWは少し長く留めておくときは必ずセンタースタンドを掛けなければなりません。サイドスタンドで傾けておくとそちら側にオイルが溜まって再始動時オイルが青い煙となってエンジンから去っていきます。センタースタンドはグリップを両手で持って全体重をかけて全力で引っ張り上げてやっと上がるぐらい重いんです。

6、ブレーキの効きが弱い。最新バイクの4ポットや6ポッドと比べれば1ピストンのATEキャリパーではもともと制動力は大したことないのですが、パッドも全く変えてないのでもう固くなっているようです。

 

以上、パワーアップとかスピードアップとかバックステップとかドッカンマフラーとかは一言も出ないひたすら無事に帰って来れることの為のチューニングアップをこれから北海道往きまでに何とか仕上げます。

 

1、クラッチが重い。半日で左手がひくひくしてきます。

 

定番の握力低減クラッチワイヤーに交換します。これは滑車を使って引く力を半減するのですが、当然引っ張る距離は2倍になります。ですのでクラッチミート位置の調整が重要で、どうしてもミートの感触はあいまいになりがちですのでスポーツ走行には不向きですが、ツーリングには最適です。解決

2、サイドミラーがぶれて見えない。カウリングの一番端にあるため盛大にぶれます。そうするとツーリング時は仲間の位置や状態がぼやけてしか見れません。また、高速では目立たない色の一般高級車に2人乗りで追尾してくる車のナンバーが88かどうか見極めができません。

 

最初にやったことはミラーの付け根に共振点を変えるための重りを付けることですがこの程度の銅の塊ではほとんど変化なし。もっと大きな振れなんです。

 

次にやったのは振れを押さえるべく画像のステーを追加してみたのですがこれも効果なし。全体が振動Hしているので後はミラーをフローティングにして振動を逃がすしかなさそうです。

 

仕方なくこのモノサス用の1世代新しいミラーに交換して様子を見ます。まだマウントゴムが柔軟性が残っているかもしれません。


3、ガソリン漏れが見られる。ガソリンホースかフィルターがもう寿命の様です。

 

元々プラスチックのガソリンフィルターが付いていたのですがその蓋の部分が外れかかっていて漏れてきていました。ホースも30年以上経っているので少しゆるくなってきています。良くここまで保つものですが、ドイツ製品工業力恐るべし。

 

 これは日本製のガラス管と真鍮パーツでできたガソリンフィルターに交換しましたがちょっとオーバースペックで浮いていますが解決。

 

4、シートが高すぎ、足つき性が悪い。走っているうちはいいのですが信号待ちではシート上のバレリーナとなりつま先がやっと届くかどうかです。

 この純正シングルシートの前側をアンコ抜きしようと専門店に打診したら、それをやるとBMWの神様のバチが当たると言われ 断られました。

 

 

こちらの純正タンデムシートに交換しました。BMWのシートはEリング1個外すだけで簡単に交換できます。こちらのシートの方が先端が細くなっており少しは足つき性が改善しそうです。


6、ブレーキの効きが弱い。最新バイクの4ポットや6ポッドと比べれば1ポッドのATEキャリパーではもともと制動力は大したことないのですが、パッドも全く変えてないのでもう固くなっているようです。

 

通称 おにぎり だったけかな。ATEというメーカーのキャリパーでピストンは片側1個で、キャリパーの作りは凝っていてスイング軸1本で支えているのですがその軸が偏心軸となっていてディスクに対してのパッド位置を調整するようになっています。キャリパーの上下には腕がサス側から伸びていて平面があり、そこへキャリパーの上下に黒鉛系の焼結金属が埋め込まれていてスライドするようになっています。

 実に凝っているのですが、マイナーチェンジでブレンボに仕様変更されてしまいました。フロントサスごと交換すればおそらくブレンボにできるのですが、この丸っこい形が味がある様に思えるのでこのままメンテしてゆきます。

これが偏心軸。いかにも工業製品らしく、工作機械の部品のようにも見えます。

キャリパーが外れ、ブレーキホース、ブレーキパイプもすべて分解します。ホースは定期交換部品ですのでこの際交換してゆきます。

ピストンを抜きましたがやはり虫食いが有ります。長い間分解整備しないとピストンシールから漏れたブレーキ液がダストブーツの中にたまってゆき、ダストブーツが劣化することで水が入ってきてその中の漏れたブレーキ液が腐ってしまいこのようになります。

ダストブーツゴム このようにボロボロでリテーナーリング(ブーツを固定しておく金属環)も錆で腐っています。 これはオートバイでも自動車でも同じことでこのパーツが劣化することでブレーキの修理は大掛かりとなる原因となります。

ついでにマスターシリンダーもチェックしますが、白っぽい四角いインク壺のようなものがそうです。この世代のBMWはここまでブレーキレバーからワイヤーがつながれていて、ここで油圧に変換しています。これも次のモノサスシリーズから普通のハンドルにつくタイプに変更されてしまいましたが、私はこちらのインク壺のほうが形的に好きです。それにハンドル周りがすっきりしますね。ブレーキオイルレベルのチェックはガスタンを外す必要があるのでそこが問題だったのかなー。

ブレーキ周りの部品達です。マスターシリンダーの径はφ17mm キャリパーピストン径はφ40mm

さて、ここまでくるとこのセルモーターが気になりだしました。最近回り方が変だし、情報的にもこのBMWのセルは弱いという定評があります。

 

ボッシュとバレオとあるのですが耐久性が低く、マグネットの接着剥がれが多発するようです。旅先でセルがこわれたら難儀しまっせ。

セルモーター外しましたが画像向こう側に見える三角のステーの固定ボルトM6はフロントカバー=通称おかめを外してフロント側から作業しないと緩めることができません。手前側の2個のM8ネジは全く問題なく外せます。

結果、このようになってしまいました。

 

ま、一応いままで普通に走っていたんですけどね。やりだすとこうなんですね。

組み立てに入っています。このインク壺はフレームへの固定はホースバンドでやっています。これで十分機能は果たすし取り付け位置の自由度も高いというかどこでもつけれるのですが、これでいいんかいなと普通は思うと思います。マスターシリンダーも分解しましたがカップは新しかったので確認のみで再使用としました。

ブレーキホース類はこのスピーグラーと読むのでしょうか輸入品の丈夫なアフターマーケット品に交換、パッドはフェロードのプラチナムです。パット材質はざらざらした感じで摩擦係数はいかにも高そうです。

ピストンカップも新品購入ですが、シールキットも一緒に入っておりピストン単品での販売は無い様です。ドイツからの輸入品かな。

キャリパー側のヘドロが固まったようなものをできるだけ取り除いてゆきます。特にピストンシールが入る溝の天井側は重要で、いろいろ工具治具を工夫して掃除してゆきます。

ピストンをキャリパーにセットしました。特に難しくは無いです。

ブレーキディスク・キャリパー・ホース共に復元しました。

 

ここからブレーキ回路の中のエアー抜きをやるのですが、やり方は普通にやればできます。普通というのはキャリパーのエアードレインからやるのはもちろんですがブレーキ配管の中の接続部は全てドレンと同じようにエアー抜き作業をします。こうなると組み付けは最初から仮締めでエアー抜き放題してから本締めした方がいいくらいです。このようにエアー抜きしていくとあるところでエアーが出なくなるのですがそれでもブレーキレバーがふにゃふにゃしていてそれ以上変化しないところが出てきます。ブレーキパッドを新品にした場合はこれ以上エアー抜きしても状況は変わらないのでこの状態でブレーキがある程度効くことを確認してその状態で秘密の試走路に試走に出ます。そこでフル加速とフルブレーキングを何回も繰り返すとだんだんとブレーキレバーが固くなってきて遊びが少なくなりますので、その後最終エアー抜きをもう一度やり、ブレーキ接続部を最終締め込み確認します。これで万全です。

ここはついでに開けたフロントカバー=通称 おかめ の内部です。大まかに中央部が発電器、下側の丸いものが通称茶筒で、点火装置が入っています。

一番上の四角いものがダイオードボード=整流器ですがBMWのここは壊れやすいことで有名ですが、私のはまだしっかりしていて大丈夫そうです。

セルモーター右が純正のボッシュですが大きく重く性能も悪いという代物ですが重量が4.2kG有りました。 左が購入したアフターメーカー製で重量は2.7kGでこの差は35%の軽量化となり、それでなくても非力な私にとってはお金に代えがたい軽量化です。

 

ただこの際今回のセルの交換に当たってある問題が出ました。問題とはセルの固定ですが純正はボルトナットで締めていますが、メーカー製は建て込みナットとなっていてボルトだけで固定で、それはそれでいいのですがこれだとセルのカバーが固定できないのです。やってみるとわかると思いますがどうするかはどこにも説明書きが有りませんでした。

そして考えたのがこの方法です。キャップスクリューを用意してヘッドにこの針金のようなストッパーが固定できるように溝加工をしています。

 

純正はこの部分がナットになっていてナットに固定するための溝が有ります。

暗くてわかりずらいですが黒いプラスチックがセルカバーで、それをスプリングストッパーで押さえています。こうしないとフライホイールに水が入る可能性があります。

 

 さて交換したセルの性能ですが 素晴らしいです。今までは何だったんだというくらい快調に回ります。今まではセル始動時 ギューン・・ギューン・・ギューンン・・・バッバッ バンバッボォーンドッドルッルルル

という感じだったのがシュリルルボッドルルとセル1発となり軽快に回りました。

 

 

キャブの同調作業に入っていますが計器は自動車用と同じものを使っています。大排気量2気筒はこのバランス取は非常に重要です。

元の状態に戻ってきました。


2018年6月4日

6月の北海道は霧の中

さあ、いよいよ出発です。九州地方は梅雨入りしていて梅雨前線も北上しつつあり、天気予報もあまりよくないですが北海道に向けて出発します。周りにはやはりバイクツーリングの人達が15台ほどいますがまだシーズン前だし、平日ですので少ない台数です。

 その中でも群を抜いて平均年齢高いチームは我々3名です。でもここまで来て考えるとわざわざ40年近く前のいつ動かなくなってもおかしくないこのBMWR100RS、普通の人では骨とう品扱いとなるこのバイクで北海道に行こうとするのは何となく場違いのような感じも・・・・。毎日工房にこもってこの世代のものしか見ていない私の中では、「そんなに古くないバイク」レベルなんですが、他のものと比較すると一目瞭然の古さです。

 周りから見たらあの骨とう品で北海道走るのに意義を感じてるんだろうなと思うかもしれませんが、

違うんです。

私の中ではあの”時代”がそこにあるだけなんです。

 

 

フェリーの中は快適です。食事もおいしいバイキングでちょっとした豪華クルーズのヘンリンを体験できます。(といっても自分が豪華クルーズに乗ったことが無いのででまかせですが)フェリーの中は何も娯楽などないので食事が楽しみであることは間違いないです。

 

 

フェリーからの景色もこれからの展開を予想させるような霧で包まれてほとんど景色は見えず。


2018年6月5日 2日目

 

フェリーで丸一日ぐらい動いて北海道苫小牧に上陸します。

今回の目的は北海道の海岸線をひたすら走るというもので、苫小牧から先ずは高速道路を使ってむかわ町まで行き、競馬馬の育成地が多い日高の海岸沿いに北上してゆきます。途中二十間道路桜並木という桜の名所でひひと休みですがもう桜はありませんが、記念で立ち寄り。

フェリーから降りたのが3時過ぎでしたので今日の目的地襟裳岬の宿泊地についたのは夕方日が落ちてからでした。

 次の日岬まで行ってみますが完全に霧に包まれて何も見えませんでしたが、襟裳は今の季節では人も少なく冒険旅行的な気分が味わえます。

今回は東海岸近くはずっと濃い霧が発生しており、その海岸沿いに納沙布岬を目指すので雨具を着込んで濡れるのを防ぎます。バイクツーリングは雨を想定しないと決行はできませんので、雨具については良質なものが必要で、着込んでも蒸れないゴアテックスのような素材で、着やすく脱ぎやすい工夫、ジッパーや分割の仕方、風でバタつきにくい工夫、ゴムや調整紐などがあるもので、目立つ色で有れば申し分ないです。私のは最近はやりのベルクロが多用されているので変なところにベルクロが引っかかって難儀するときが有りますがおおむね合格品でした。


3日目

 

襟裳岬を出発して釧路湿原まで東進してきました。釧路湿原は実にきれいで雄大です。カメラに収めたいのですが360度のパノラマなのでいくら広角にしてもこの景色は写しきれません。ここに実際に来るしかなかったと思います。

この地図の左下 厚岸をお昼に出て右下側海岸線周りを走りました。

さらに走り続けて厚岸まで行き、牡蠣で有名な厚岸湖の入り口で昼食を取ります。

 

厚岸湖から海岸周りで根室を目指し、途中霧多布岬(キリタップと読みます)に立ち寄りましたが、やはり海岸線は濃い霧でほとんど景色は見えませんでしたが、その分迫力のある切り立った崖となっている岬でした。

 この後44号線に入り根室半島を目指します。

 

 

本日の宿泊地である納沙布岬まで来ました。

 

この後根室市街まで戻り宿に入ります。

宿の窓からは風連湖という巨大な湿地帯が見えていましたが、この北側向こうまでずっと湖となっています。


4日目 根室から知床へ

 

東海岸側から少し回り込んだのである程度晴れ間が見えるようになりました。根室から風連湖の左岸を回り込んで別海町の海岸沿いに北上して細長い髭のような砂嘴が発達したような野付半島に向かいます。岬の幅は狭いところで50mもないくらいですので台風にでもなればすぐに波が乗り越えてきそうなくらいです。

 

もうこれだけ走るとBMWと私は一心同体化します。スタート時のリヤがモコッと持ち上がるシャフトドライブの癖も気になりませんし、却ってバイクが走るよと合図してくる感じです。オートバイ談義で常ずねしゃべっているほら話はBMWはフライホイールが前後軸で回っているという話です。日本製バイクで多い並列4気筒などはエンジンを含めクランクやクラッチ関係部品は車体の左右方向軸で回っています。

ここでジャイロゴマを思い浮かべていただけるとジャイロゴマは回転軸を倒そうとする方向にはすごく抵抗します経験をかなりの方がお持ちで不思議な現象と感じたと思いますが、BMWのエンジンの中でもこれと同じことが起こっているはずでしかもBMWには車と同じように大きなフライホイールを内蔵していますので益々ジャイロゴマそのもので、したがってこれが前後軸方向で7000RPMで回っているとするとこのバイクはジャイロ効果で前後のチッピング沈み込み起き上がりが緩やかになる効果が出ているはずで、つまりフラットな走行感となるはずで、特にブレーキングなどでも前のめりになりにくいはずです。逆に左右の倒し込みには何のジャイロ影響もないのでコーナリング中でも車体がぺたんと寝ていく感じで不思議な走行感です。起こすときは意識して起こして立ち上がって行かないとずっと寝たままでいますのでますます不思議です。並列4気筒だと力ずくでオートバイ倒して曲がってずっと押し倒し続けてコーナー出口で力を抜くと自然に立つという挙動ですので全く異なります。と、ひたすらまっすぐな原野を突っ切る道路を走り続ける北海道ではいろんな妄想が湧き出てくるので有ります。

 

野付半島のありえないような地形を走り終えて次に知床半島に向かいます。

 知床は今では道路も整備されて走りやすくなってはいますがやはり最果ての地であることには変わり有りません。知床峠を上る手前の羅臼のドライブインで昼食を済ませますが、ここでも外国人の姿がかなり多かったです。向こうに雪を残している山が知床山。

 

 

ワインディングを登り続けますが途中いろんな動物に出会いました。

 

1)ヒグマの親子 巨大なお母さん熊が子熊を2頭連 

  れて道路を横断してゆきました。その間通行車  

  両は全車遠巻きに停車して様子を見ます。バイ 

  クは体がむき出しなので逃げようがないので怖

  いです。

2)鹿の2頭ずれ

3)キタキツネ1匹

 

続く