中も真っ黒でおそらく一度もデフオイルを交換してないか粗悪なオイルを使ったかのどちらかです。
この状態でバックラッシュが測定上は0.18mmと一応規格内なのですが何か微妙で力の入れ加減でどうにでも変化してきます。こういうのもよく見る状態で、一番やり易いサイドベアリングのバックラッシュ調整だけして過ごしているパターンだと思います。
このデフについていたデフマウントですが完全にひび割れて口が開いています。
これだとフル加速の度にデフの首を振って最後の防護壁のアレスターベルトへ首がドンッと当たって音が出ていたことでしょう。
サイドフランジ
油でギタギタ しかもその油が熱で焙られて黒く焦げています。これだとデフギヤの摩耗も心配なレベルと思います。
サイドフランジシャフトをきれいにしてゆくとこんな状態が。
オイルシールが喰った摩耗痕がくっきりと段付きになっています。これを再使用するとなるとはっきり言ってオイル漏れを止める保証は難しいです。
LSDも真っ黒
しかもイニシャルトルクは2.4Kgしかありませんでした。規格は5Kgですから半分しかありません。
うーん、こちらも真っ黒
ギヤ比は4.444の純正そのままで間違いないようです。
LSD全バラ
純正2ピニオンであることが分かります。
この中央のスラストワッシャーにかなり激しいスライド痕が見えるのだが、通常は当たらないところのはずなので気になる。
ピニオンもはずした。
ピニオンフロントベアリングは壊滅的状況であばた状のコロージョンが出来ている。激しい摩耗でベアリングレースの組織がダメージを受けて脱落した痕で、摩耗の見方のお手本にできそうな状態です。
しかも180度反対側にも同じ摩耗痕が出来ていて、このように規則性を持って摩耗するのがベアリングの特徴です。
このベアリングは長らく製廃で、しかもメーカー欠品で入手不可の状態が10年以上続いていたもので、ほとんどの場合交換をあきらめてそのままにしてしまいますが、私はこのベアリングをメーカーへ独自で製作依頼をかけてごく少量再製作してもらっています。私の販売のページで販売しています。
こちらはピニオンベアリングリヤですがこちらもひっかいたような傷がたくさん見られ、限界状態です。
組み付けに入っています。
イニシャルトルク測定で3.4kgまで戻りましたが規格の5kgには及びませんが、街乗りではこれくらいがUターンなどでバキバキ言わなく乗りやすいです。いろいろ裏技駆使すれば8kgくらいまではすることはできますがサーキットで全力疾走するのでなければ、そこまで強くする必要はないです。
歯当たりの正転側
ど真ん中にあります。
バック側
ややトー側にありますがほぼok
回転試験に入りました。
トータルプリロード 22kg
サイドベアリングプリロード 3kg
バックラッシュ 0.20
ギヤ比 4.444
となります。最近はトータルプリロードは新品ベアリングの場合、ベアリングのなじみを考慮して高めに設定するようにしています。
完成です。