2013年8月28日
71BコンパチC α19 エキストリウムバージョン
やっと猛暑が少し収まり、エアコンなしの私の工房でも気分がある程度集中できる状況になりましたので、コンパチミッション製作を再開することとします。
やり方としては確立できつつありますので、組み立ての部分からポイントを絞ってアップします。
今回も ベアリングと全てのシンクロ・オイルシール類を新品に交換するエキストリウムバージョンを作り上げます。
ここからスタートしますが、71Cのアダプタープレートにメインベアリングを打ち込みます。プレートの外周はさび止めの黒塗料を塗っています。
1速のメインギヤですがシンクロおよび内径のニードルベアリングを新品純正品に交換します。71Bよりもどちらも大きくなっていて強化されています。
オイル潤滑溝加工も何時もの通りやっていきます。
2速メインギヤですが、やはりシンクロはダブルシンクロを新品に交換ベアリングも交換です。
中央がシンクロハブとスリーブとなります。この順番でメインシャフトに組んでいきます。
3速メインギヤです。やはりダブルシンクロとなります。
カウンターギヤですがこのように曲がりが無いことをチェックしていきます。今回は0.01mmの振れでほとんどベストの状態です。
メインシャフトとカウンターを同時にアダプタープレートに圧入した後、3速を取り付けた状態です。
メインインプットですが、同じくボールベアリングを新品に交換してゆきます。
ギヤ内側にあるニードルベアリングも新品に交換です。
5-バック側ですが、シンクロスリーブです。5速側の矢じり部は丸まりは少ない方ですので、このまま行きます。
5速ですがニードルベアリングとスラストベアリングを交換していきます。こちらも矢じり部は少しの丸まりで済んでおり使えそうです。
ニードルベアリングはなぜか5速のみ2列使いが採用されています。この方が強いらしいです。
バックのアイドラギヤですが中央部から左側の歯はグラインダーにて再生作業をしたもので、中央部から右側は修正前の状態ですがほとんどまっ平らに磨耗しています。
このパーツは71Cでも製造廃止となっており、日産部品でも入手できません。ショップで入手できても非常に高いと思います。
ですから後はこのような修復作業で再生することに頼ることになります。
これでギヤ部のASSYは完了です。
ASSY後の各ギヤの測定値は以下のようでした。
値からして良好な状態と判断します。
1ST 2ND 3RD 4TH 5TH
エンドプレー 0.25 0.08 0.08 --- 0.25
バックラッシュ 0.15 0.12 0.16 0.13 0.15
ギヤ比 3.32 1.90 1.30 1.00 0.75
と71Cの標準のギヤ比で2NDが少し高くなり伸びるし、5速がハイギヤードで高速での燃費や静粛性や最高速?が伸びます。
リヤエクステンションの部分ですが、ストライキングロッドも分解してオーリングを交換してオイル漏れを予防します。
後端のメインシャフトアウトプット部のオイルシールも新品交換で打ち込みなおししています。
シフトロッドの部分ですが71Bとは比較にならないほど大型化して強化されています。材質はアルミも使われていますので重量はそれほど増加はしていません。
組みあがったギヤASSYを71Bのケースに組み込んでいきます。
リヤエクステンションも71Bです。
そしてこの自家製ミッション簡易試験機 e-zanaraizaerで 500rpmで1時間回し続けます。
シンクロの状態や異音振動オイル漏れスピードメーターギヤの動きなどをチェックし、1時間後の温度上昇量を測りますが、今回は7度cの温度上昇でした。エキストリウムでは通常の値です。
これで完成です。
この後、オイルを排出してプラグマグネットへの異物付着がないか確認します。