2013年1月18日
71Bと71Cの違いについてまとめてみます。
先ず全体像ですがやはりリヤエクステンションが明らかにおおきいです。
71B 71C
これが71Bの全長フロントケースエンジン取り付け面からの寸法 785mmです。
また、シフトレバー取り付け位置が735MMくらいです。
こちらが71Cの全長寸法で880mmありますので、71Bより95mm長いです。
シフトレバーの取り付け位置は805mmで71Bより70mm後ろに下がることになります。
シフトレバーの違い
71Bの内部の上体ですがまず目につくのは、シフトフォークが細くて小さいです。材質は鋳物で出来ていますので重いです。
分かりにくいですが3本あるシフトロッドの内一番上の1-2シフトロッドがφ14と71Cと比較して細いです。
71Cの内部の画像ですが、とても左の71Bと同じ機能とは思えないほどシフトフォークが大きく、材質はアルミで軽量化されています。スリーブの当たり面のみ銅合金が鋳こまれて耐摩耗性を上げています。またシフトロッド同士をガイドしあっていますので傾くなどの不具合は少ないと思います。
71Bのミッションマウントの取りつけ位置、530mmです。
こちらが71Cのミッションマウント位置、570mmありますので71Bより40mmながいです。これはシルビアS14の採寸です。
ここで唐突ですが、71Aミッションの寸法も気になり急遽調べてみました。
71Aのシフトリンケージ部です。かなり繊細な形ですが、左右のセンターリングはリンケージから左右にアウトリガーの様なものが出ていて、そこを下側からスプリングプッシュピンで押さえています。
サイズは (カッコ内は71B)
全長 830mmフランジ含む(800mm)
シフト支点まで 775mm(730mm)
ミッションマウント 535mm(535mm)
ノブ位置 830mm(830mm)
重量 41kg
プロペラシャフト 縮590mm 伸660mm
以上からすると、互換性はありそうです。
尚、S31Z 用の71Bのプロペラシャフト長は 755mmです。
また、S30Z用初期71Bはここから7mm短いはずですから748mmです。
たぶん、750mmぐらいならば取り付け可能と思われます。
(ここでの長さはデフ取り付け面からスプライン差込部の先端までです)
71Bと71Cのシンクロの差ですが
下側にある金色のシンクロリング(正式にはボークリング)ですが、左側が今までの71B用でしたが、71Cでは右側の様にサイズが大きくなり作用力が増します。
2速ですが、2速のシンクロは71Cはダブルシコーンシンクロとなり画像下の右側がそのセットとなります。
下 左側が71Bのシングルシンクロですから、その差は歴然です。
3速も同様になります
メインインプットシャフトで、ここがエンジンのクランクシャフトに刺さる部分です。
ここのベアリングは負荷が大きいですから必ず交換していきます。
71Cはここのシンクロもやはり71Bに比べると大きくなっています。
そして5速ですが、ここはまったく異なります。前述のように71B中期はポルシェサーボ(右側)に対し、左のワーナーシンクロに変更です。
71Bの5速はギヤ抜けがあったということですが、71Bはスリーブがかみ合ってくるところ(画像右側の外周のぎざぎざ)が歯スジでストレートに近いので磨耗すると抜けやすいですし、噛み合い量も少ないです。
それに対して左側の71Cは同じく外周のぎざぎざが歯スジ方向でほんの少しテーパーを付けてギヤ抜けを防止しています。つまりトルクをかければかけるほどギヤが食い込んでいくようになっています。
これは、左列上が71C1ST 下が71B 右列が2ND のそれぞれシフトフォークです。
大きさがまったく異なります。やはり71Bはシフトフォークにかなり問題があったんだと思います。そうでなければこんな大設計変更必要ないはずですから。
あと、シンクロを強化したのでその反力でシフトフォークにかかる力が増したことも、この変更に影響しているとは思います。
番外メモ
71Aのポルシェと 71Bワーナーの違いについて
1ST ギヤ スラスト厚みについて W28.90 P28.90で差が無い
互換性あり
2ND ギヤ スラスト厚みについて W30.00 P29.50と0.5mm差がある
1-2のハブは71A 14.95 に対して71B W23.15 で10mmの差がある
5THギヤ 71Aポルシェ 34.75 71Bワーナー 33.75 と1mmの差がある
考察として71Aと71Bはかなり異なっている。ケースの厚みに差がある。