71BコンパチC α47~52
2015年11月17日
71BコンパチC α47
またいつもの画面ですが71BコンパチC α47を作ります。
この仕様ではすでに何例も造りましたのでだんだん慣れてきましたが、その分品質に安定感が出てきたつもりです。
私は前職でもどうしたら開発をまとめられるかを体得してきましたので
ポイントとなるところはすべてデーター化して記録しています。このホームページでもある程度は記録していますが、細かい肝心なところは表現しきれないので紙書類ベースで積み重ねています。
そして漏れが有ればその都度その記録を修整しますので、それを守る限りは不具合が生じることを最小限に出来るつもりだし、仮に問題が出てもその都度記録を更新して行きます。
この71BコンパチC α47は販売対象です。これが欲しいという方はメールでご連絡いただければ予約となりますのでどうぞ。予約が入らない場合はヤフオクでの販売となります。
e-za@vintagecraft-e-za.com
一番基本となるところのメインシャフトとカウンターシャフトの曲がりを測ります。
メインは0.000で精度良すぎて測定不能の値です。
カウンターが0.015とやはり問題の無い良い値です。
1-2速の部品達
シンクロやニードルベアリングは新品交換です。
1速メイン拡大ですが、この作業をする上ではガチの映像です。この画像のギヤの一段内側にある舳先の様な部分はこの作業でもっとも重要な部分だからです。ここが使用過程で摩耗することでギヤチェンジに問題が出てきますが、どれくらいをOKとするかは取扱説明書にも書いてありません。画像はすこぶる良い状態の部類に入ります。
2速です。1速に比べれば舳先部分がわずかに丸まりが見られるのが分かるでしょうか。どれも傾向としては2速の方が摩耗が多くなりますが、このレベルでは新品に対して95%の形状保持率と言えます。
そしてこのシンクロスリーブについても同じことが言えます。これはやはりすこぶる良い状態と言えます。
1-2速までの組み付けが完了しました。
こちらは3速系の部品達。3速は2速同様ダブルシンクロとなります。
メインインプット系の部品です。αシリーズは4速メインインプットは大径シングルシンクロですが、Ωシリーズならば4速もダブルシンクロです。
ベアリングはもちろん左隅のオープンから新品のシールドベアリングに交換です。
3-4速も組み付、フロント側のギヤ類はマウントされました。
カウンターの先端にはギヤのバックラッシュによるアイドリング時のチャタリング音(ガコガコ音)を防止するシザースギヤが取り付けられています。これを取り外してしまう場合が有りますが私はなるべくメーカーの改善策はそのまま使っていきますので外しません。
5速-バック側の部品
左側が良く欠けが出るバックアイドラーギヤ
これは少しの欠けです。
5速ーバック側も組み付け完了してギヤ部は完了となります。
ここでギヤ精度を確認します。だめならまた分解してやり直しとなります。ギヤを交換しなければならない時も有ります。
ミッションギヤ精度
1ST 2ND 3RD 4TH 5TH
バックラッシュ 0.15 0.12 0.17 --- 0.05(0.05~0.30目安)
エンドプレイ 0.36 0.14 0.11 --- 0.19 (0.05~0.40目安)
判定はギヤによって異なりますがだいたいの目安が ( ) 内です。
シフト関連を組み付け
バックはリンクタイプで有ることが分かります。バックにシンクロ付のものも有りますが一長一短で、バックシンクロ付はもちろんバックでギヤ鳴りしませんが噛み合いギヤが小さくなるので乱暴に扱うと壊れやすいです。リンクタイプは結構乱暴でも持ちこたえます。
完成しました。簡易試験機での回転試験1時間も問題なく、チェンジもスムース、オイル漏れなし、異音も特に無し。
71BコンパチCとしてはオーソドックスなタイプで安定感がでてきました。
シフトレバーが刺さるところのヒンジピン穴が2個ありますが、いろんなタイプのレバーが付けられます。クイック化も可能です。
2016年1月7日
71BコンパチC α48
今回はメインシャフトは日産純正新品を使いました。
手順は上記αシリーズと同じですので、ポイントのみ画像アップしています。
左2速 右1速
下シンクロスリーブ
左上からメインインプット
中 シンクロハブ
右 3速
下シンクロスリーブ
オーダーメイドならこのシンクロスリーブのWPC処理も承ります。
ギヤ精度
1ST 2ND 3RD 4TH 5TH
エンドプレイ 0.34 0.17 0.22 --- 0.14
バックラッシュ 0.13 0.16 0.20 --- 0.07
簡易試験機e-zanaraizer で5速500RPMで1時間回して温度上昇量は12度でした。
すべて良好な値です。
2016年1月22日
71BコンパチC α49
静岡県内のTさんからΩ6から引き続きα49をご注文いただきました。
今回は素材となる71C・71Bともに支給されました。
71C 2速ー1速 ハブスリーブとなりますが非常に状態は良いです。
こちらは3速
メインインプット これもすごく状態が良いものを使います。
バック・5速などメインプレート後ろ側のパーツです。
いつものようにギヤ精度を測ります。
EP 0.32 0.14 0.23 --- 0.18
BR 0.10 0.18 0.07 --- 0.13
良好です。
シフトリンケージ部分も完全分解してリペアします。
そして最終試験をします。
今回から自作簡易回転試験機e-zanaraizerも回転数を3倍の1500RPMまで確認できるように改造いたしました。この回転で回すとさすがに迫力がありますが、電源はべつにしてこの状態でEVがつくれそうな感じです。(笑)
マニュアルミッションつきのEVですが、インバータを使っているので回転数も自由に変更できます。
2016年2月21日
71B コンパチC α50
完成いたしました。
αシリーズの節目です。
メインシャフトは純正新品放出です。
シンクロスリーブはWPC加工品。
シンクロ舳先も申し分ない状態と思います。
1速~2速
カウンター
3速とメインインプット4速
シンクロスリーブはWPC加工品
5速とバック
バックはシンクロ付き
5速のギヤ比は通常の71Cの0.75ですので、高速で使いやすいです。
シフトリンケージ部はもちろん完全分解
ギヤ部完成です。
この後ギヤ精度のエンドプレイとバックラッシュを測定して、そのあとシフトフォークやロッドを組み立てます。
センタープレートの右上にはオイルガターというオイルのじょうごのようなものを取り付けますが変形しやすいのでケースに組み付ける直前まで組付けしないでおきます。
ギヤ精度
1st 2nd 3rd 4th 5th
エンドプレイ 0.15 0.10 0.05 --- 0.15
バックラッシュ0.32 0.14 0.24 --- 0.22
シフトレバー部について取り付け支点穴を上側に追加しています。通常のレバーの場合は下側の穴で純正ままで取り付けできます。
ある方法で支点先の長いレバーを作るとクイックシフトにできるよう上側の穴を追加しています。
2016年3月5日
71BコンパチC α51
方法は今までと同じやり方です。安定してできたと思います。
バックシンクロです。
5速は通常の0.75とハイギヤード。
回転試験1500rpmで1時間回して確認済み。
5速からバックへ誤操作しないためのチェック機構付き。
今回もシフトレバー取り付け部のヒンジピン穴を上部に追加工していろいろなシフトレバーに対応します。シフトレバーを改造すれば、このままでクイックシフト化できます。
インプットシャフトもきれいです。
今回も編み出した技、緩みやすいM38ナットのサイドロックボルト加工で完全にします。
メイン系ギヤ
全ギヤ シンクロ舳先の摩耗具合はすごく少ないです。
5速ーバック系部品
バックはシンクロ付き
1ST 2ND 3RD 5TH
エンドプレイ 0.38 0.25 0.25 --- 0.23
バックラッシュ 0.08 0.15 0.16 --- 0.14
回転試験 昇温量 +31度
電気負荷 1.37A/1500RPM 5速にて(試験機の表示値です)
2016年6月15日
71Bコンパチc α52
内部の造りはαシリーズの最新仕様となります。
おおよそα49の画像を見ていただければ同じです。
バックはリンクタイプ改です。
フロントカバーは純正新品
1st 2nd 3rd 5th
エンドプレイ 0.35 0.14 0.18 --- 0.19
バックラッシュ 0.12 0.09 0.11 --- 0.13