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71BコンパチC Ωバージョンは71Bミッションの中身を71系最終バージョンの71Cに入れ替えて性能回復を図るバージョンです。Ωバージョンは純正でも存在しない4速まで強烈なシンクロのかかるダブルシンクロとするバージョンです。バージョンとしてΩ、α、β、γ各バージョン×クロス組バージョンが有ります。

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2025年2月11日

71BコンパチC Ω65TC24

 

いままで何回か同じ仕様でご注文いただいておりますところから、今回もTC24用としてオーダーいただきました。

 1-2速のパーツを準備しています。

3速ギヤは新品を使います。

 

メインインプットも箱入り新品を使用

 

ダブルシンクロT関連パーツです。

1-4速までギヤ組が完成。

ギヤ精度

 1ST  2ND 3RD      5TH

エンドプレイ

0.30 0.20 0.25 ーーー 0.25

バックラッシュ

0.17 0.22 0.12 ーーー 0.10

 

 

シフトフォークの組付けです。

バックにもシンクロが付いているバックシンクロタイプです。

ケースに組んで回転試験です。

今回はTC24用なのでフロントベルハウジングがL型用とは異なりますので回転試験機にもそのままでは取り付けられないので、シャコ万力で仮止めしての試験となりました。ケースはブラストをかけたのですごくきれいになっています。すべて試験して良好な状態でした。完成です。


2025年4月29日

71BコンパチC Ω66クロスー0.86

横浜2DAYSでご挨拶したオーナー様からご注文です。4速もダブルシンクロのΩバージョンを亀有クロスで組んで、今回はさらに特別に5速のギヤ比を0.86とします。これは私が時々富士スピードウェイでご一緒するZG&Z432レーサーに依頼されて組んだギヤ比組の同一仕様で0.86組3例目となります。

 71BコンパチCミッションとしては通常は5速は純正5速0.75ギヤ比となるのですがこれは高速でエンジン回転数を低く抑えるメリットがある代わりに低回転のエンジントルクが少ない車や、小排気量車では無理がくる場合が有ります。又、クロス組と考えた場合は4速の1.000から大きく離れたレシオとなっています。71Cとしては省燃費・高速での騒音低減が狙いなのでこのようになっていると思います。ターボ車などは低回転でも十分なトルクが出るのでこのほうが相性が良かったのでしょう。

 私がコンパチミッションを作った当初はコンパチ化すること自体が至難の技で、71C純正の5速0.75でもそのメリット側を重要視してデメリット側は目をつぶっていたのですが、私がコンパチCミッションで富士スピードウェイを走るうちにメインストレートで5速ギヤ比0.75ではどうしても最高速が伸びず、そこから試行錯誤して何とか0.83ギヤ比を装着可能にして、富士メインストレートで215km/Hの最高速まで得ることができたのですが、それでも5速6000RPMくらいからの伸びは緩慢に感じる状態でした。

 そこで何とか5速0.86ギヤ比ができないものかとさらに試行錯誤して完成したのがこの5速0.86ギヤ比です。これで5速のクロス具合はさらに良好になり、最高速に達する時間ももっと早くなるはずです。

それに何より71Bから考えると71Bの純正と同じ5速ギヤ比ですから、普段の街乗りでも違和感が少ないレシオであるのです。仕様としては71C仕様ですのでシンクロはワーナーシンクロでシフトリンケージも71Cと同じとなります。(バックリンクタイプとバックシンクロタイプが有ります)

 

今回も画像の様に組み込むパーツを準備してきました。箱入りはメインシャフト・メインインプット・亀有クロスギヤとなります。

 

1-2速のギヤ組です。

1-3速までカメアリクロスの部分を組みました。

メインインプットはΩバージョンですのでダブルシンクロ仕様に改造しています。

メインインプットに入るニードルベアリングは私が通称デカベアリングタイプと言っているもので左側のパーツとなります。右側は殆んどの71B・71Cに使われているノーマルベアリングで、これだけ大きさが異なります。これに交換することで3速・4速間のブリッジ構造が強化されるのでメインシャフトがパワーで煽られる(曲がる)ことを低減し、3速や2速のギヤブローを防ぐ効果が出ると思います。

メインインプット・カウンターギヤ組付け

71Cではカウンターの全面この部分にシザースギヤ(サブギヤ)と呼ばれるギヤが組み込まれ、アイドリング時のチャタリング音(ガコガコ音)を低減する機構が組み込まれます。

シザースギヤはカウンターより歯数が1歯多いギヤで、これをカウンターギヤに面接触させてスプリングでフリクションをかけることで回転時ダンパー効果の様な働きをしています。