やってしまいました。左側のスナップリングが変形してますね。ベアリングを抜くときにベアリングの裏にあったこのスナップリングも一緒に引っ張ってしまったのです。あーあ。部品どりから調達するか。
71cではメインドライブの一番後ろにスラストベアリングが追加されています。そのためにギヤの内側に見えるカラーが5MMほど後ろへ伸ばされたようです。したがって71Bでもこのカラーとスラストベアリングを購入すれば、ちょっとした加工でこの部品が付けられると思います。ボルトオンでは無理ですが・・・。
右側が5速ギヤ 下はシンクロスリーブです。5速のベアリングは割れてしまったのではありません。初めから2分割です。理由はよくわかりませんが、シャフトから全部抜かなくてもこのベアリングだけは交換できるので、作業性の問題か?わからん。左上はシンクロキーとスプリングで、これにも2種類あります。
バックのアイドラ―ギヤですがシンクロが無いためやはり先端が磨滅しています。でも程度は軽いほうですね。
あー またやってしまった。今度は痛手が大きい。カウンターのドリブンギヤを抜こうとして、スナップリング溝を欠いてしまいました。私が悪いんでは無いんです。スナップリングはちゃんと外したのですが、ギヤ音軽減パーツが追加されているのですが、その薄いギヤが溝に引っ掛かりました。ま、気がつかなくて目いっぱいプーラーを回したのは私ですが・・・。どうしよう・・・
あきらめて部品取りからカウンターを摘出して交換です。
これで完全に71c一基が部品取りに格下げです。
下段がカウンターのドリブンギヤです。左からギヤ 音消し用サブギヤ 皿ばね リテイナー スナップリングです。今回このリテイナーがスナップリング溝に噛みこんでしまっていたのです。先に外しておくべきでした。
21012,11,25
N社の71系に携わっていた方とお話しでき、このシーザーギヤはアイドリング時のギヤ音を押さえる目的で追加されたようです。アイドリングが高くなると音が目立つようです。71Cはギヤを厚くしたため全体の重量慣性力が増して、この様な対策が必要になったのでしょう。SRエンジンになりパワーが上がり耐久性対策でギヤを強化して重くなったので、ギヤ鳴りが出るようになり、音止めのギヤ追加となったわけですが、こういうのをなんて言うんでしょう。
また、このシザースギヤはサラバネで押しつけることにより摩擦力を得ていますが、このサラバネすぐに摩耗してしまう場合が多く、ほとんどが機能しなくなっていたようです。
下が71B 上が71Cです。 わかりにくいですがギヤの厚みが71Cのほうが厚いです。ベアリングとの隙間でわかりますか。またシンクロの直径も71Cのほうが大きくなっています。
下が71B 上が71Cです。やはりギヤの厚みが71Cのほうが厚いです。
3速です。ダブルコーンです。
2速ですが、ダブルコーンシンクロです。これが欲しかったんです。いかにも効きそうなメカではないでしょうか。3速もこれと同じようにダブルです。ちなみに1速は大径化されていますがシングルです。そして4速もシングルだったと思いす。
各シンクロの摩耗チェックをしました。新品時は1.80規格は0.8以上
1st 1.30~1.40
2nd 1.65~1.70
3rd 1.70~1.80
4th 1.45~1.50
5th 1.45~1.50
やはりダブルコーンの2・3速は摩耗が少ない?
ギヤはほぼ組み終わりました。リヤの固定ねじは目いっぱい締めてから、回り止めのコーキングをたがねでしておきます。これがゆるむという現象が結構あるそうです。
この組み合わせですが、71Cそのままではスピードメーターギヤの位置がずれるため組み付けはできてもスピードメーターが動きません。少し工夫が必要です。
シフトフォークを組みつけていきます。
1-2速と3-4速のフォークは同時に組まないと取りつけられません。先に1-2速フォークを固定してしまうと、あとからは3-4速フォークは入りません。
また、5-バックは 前からシフトロッドを入れるようになっています。
順番的にはまず5-バックフォークを取り付け、前からロッドを差し込みスプリングピンで固定し、そのあとEリングを入れます。そして次にチェックボール2個を上から入れます。そして1-2速、3-4速フォークを仮に定位置に置いて、1-2速ロッドを差し込みます。そしてチェックボール長いもの1個を入れて、3-4-速ロッドを差し込みます。そしてスプリングピンでそれぞれ固定して、最後に1個チェックボールを入れます。横からのチェックボールセットも2か所取りつけます。
分解時謎だったこの5速―バックのシフト部分の見慣れないリンクですが、組み付けながら気が付きました。アルミの部品がシンクロを動かすフォークですが、このフォークはシフトロッドに固定されていません。これを動かしているのがこの見慣れないリンクなのです。でもなぜそうしたのかの理由は依然わかりません。想像ではフォークをなるべくバランスのいい中央部で押したかった。またはリンクを使って押す力を変化させたかったか?わかりません。ただ単にプランジャーを追加で位置決めを確実にしたかっただけかも。謎です。
そしてこのリンクですが、やはり判りません。どうもバックへの誤操作を防ぐ目的のようです。でも71Bの時代からシフトロッドの方にバック誤操作防止機構があり、5速から一旦ニュートラルにしてからでないとバックに入らない様になっています。なんでまたこれが必要なんでしょうか?今回は必要ないと判断して空振りするようにしておきました。組み付け後あとからバックへの操作をしましたが、問題なくチェンジでき誤操作防止も問題ありませんでした。
2012.11.25
前述していますがこのリンク機構はバックへのシフト時ギヤ鳴りを押さえる目的で追加されたもので、バックシフトの初期にこのリンクで4速シフトを少し押してメインドライブにシンクロを押しつけてブレーキをかける役目との事です。
71Bのケースに取りつけるにはシフトロッドの画像右端の穴をφ14→φ16にする必要があります。また上の小さいほうのベアリング穴はカウンターベアリングが入る方ですが、ギヤ音消し部品が追加されたので、干渉する部分が出てきます。穴の周囲をφ60以上深さ3mmほど逃がします。干渉範囲はφ60までです。
その後他の71cをチェックしていて、やはりギヤなり解消サブギヤのφ90範囲はベルハウジングリブがすれすれで有ることが分かりました。このα1は個体差誤差でラッキーにもクリアー出来ただけの様です。
こんなもの総動員で加工しました。ベルトグラインダーが一番効率が良かったです。
そしてベルハウジングに組み付けました。
備忘録
この後リヤエクステを取りつけるのですが、干渉部があります。
・ベアリングストッパープレート
・1-2速のシフトロッド
・バック―5速のシフトフォーク
・アダプター下部に取り付ける鋳物のリンケージホルダーのプランジャー受け部
そしてリヤエクステンションも組み付け完了です。どうみても71Bですが・・・・中身は71Cです。これならミッションマウントの改造やコンソールに穴をあけるなんて乱暴な改造は不要です。だって外観は71Bそのまんまですもん。
*補足しますと71cへの換装の記事はいろいろあるのでご存じのことと思いますが、s30zやハコスカで71Cのフロントケースのみを71Bにしてリヤエクステを71Cのままで取り付ける方法はよく見うけますが、その方法で71cにした場合ミッションマウント位置が30mm後方へずれるためミッションメンバーを切り貼り溶接やカラー調整で合わせる必要があります。また、シフトレバーの位置は逆にコンソールの前側にずれる為、1速シフト時はコンソールと干渉、およびレバーによっては手がクラスターに干渉します。そのためコンソールの前側を30mmほど切り欠く必要があります。また手が干渉しない様にシフトレバーを曲げたりする改造が必要な場合があります。
その後
2日後のことですが、外した71Cのシフトロッド(リヤエクステンションに付いてるやつ)をなんとなく眺めていて或ることに気づいてしまいました。やっぱり71cのロッドは重いな~ なんでだろなんてのんきにいじくっていたら。ンーん そう、71Bはφ14なのに71Cはφ16です。
ということは、次の写真で大変なことがわかります。
上の画像でギヤの左側にある穴には先ほどの画像のシフトロッドの先端が入り込んできてガイドするようになっているのです。このアダプタープレートは71C用なので、当然φ16のガイド穴になっているのです。したがって71Bのシフトロッドでは2mmも隙間ができてしまい、ガイドできません。あわててまたリヤエクステンションをはぐってここに工夫をしてガイドできるように改造です。
気付いてよかった・・・・。
再組み付けしてシフト確認すると、気のせいか前より滑らかになったようです。・・・・気のせいではないですね・・・・
2012年9月にこのミッションを実際に自分のフェアレディーに積みこみ試験する作業を実施しています。詳細は こちら
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