私の目標は自給自足ですから、自分で出来そうなことは自分でやることが必然です。
これは時計の話ですが、今までゼンマイ時計は私が尊敬すべき静岡市内の専門の一級時計師に定期的に修理に出していましたが、もちろん時計的なお値段がかかります。
そこで自給自足人間としては、これを自分でやるのです。はい・・・・。
工房の時計が壊れてしましまいました。もともとアナログだった巨大な時計を、電池時計に組み替えたものだったのですが、とうとう壊れました。
時計が無いと不便ですので、オークションで不動のゼンマイ時計をゲットしました。・・・・・?
?と思われるでしょうが、我が家にはすでに4台のゼンマイ時計が存在します。
今回落札したのはリズム時計社品ですから、私が持っているものの中では新しい部類に入ります。
画像でもスリースターの飾りが現代的?であることが分かります。
自給自足ですので、このジャンク時計を直していきます。
品物としてはday-dateで非常に興味がわきます。
これらの構造は私見ではゼンマイ時計としては、腕時計でも機械式なら同じ構造であったことが類推出来ます。
つまり 62万円するブライトリング や 40万円するロレックス や
もっと凄い 2000万円するツールビヨン付きのオディマピゲだって、
基本 一緒のはず
てな訳ないか・・・・・
でも大きさの違いはあれ当たらずとも遠からずではないでしょうか?
補足します。振子時計は振子が振れるよう垂直に保たなければならないのでそのままでは携帯できません。
そこで懐中時計が出来るときに多くはテンプという部品を振子の代わりに用いたと思います。この機構を振子と代替しただけでほかの機械部分は振子時計と同じと思います。テンプは蚊取り線香のように渦巻いたごく薄いゼンマイ付き歯車が正逆転する振幅を計時に利用したものです。この歯車の様なものは両端を軸受で保持していますから、どのような姿勢でも稼働出来ます。振子が1次元の重りであるところから、これを回転軸の周りにリング状に2次元に広げた重りとしたところが発想の転換ですね。多くの機械式腕時計はこれをいまでも使っているはずです。
しかしテンプを懐中時計に使うと重力の影響を受けるという現象が生じます。テンプが水平のときと垂直のときでは振幅に差が出るんでしょうね。腕時計ではどちらもあり得ますので、時間に誤差が生じます。
これを解消しようとしたのがテンプの位置を定期的に動かすことで重力の影響を少なくしようとしたのがツールビヨンなんでしょうね。想像の話なので正確かどうかはご勘弁を願います。ちなみにこれを装備する機械式時計は非常に高価で、1000万円以上すると思います。
我が家の自宅にあるゼンマイ時計です。
左上から 愛知時計 の30日巻き 30日間1巻きで持ちます。
その右は かなり新しいセイコーのホールクロックです。これは重りを引き上げることで8日動きます。
1m80cmくらいあります。
その左下は明治時計の30日巻き。明治時計は繊細で、少しでも条件やオイルが悪いと止まってしまいます。
その右は同じく巨大な明治時計の振子時計です。これは機械がいまいち不調で止まってしまいます。
これらがあるため自宅では毎時その時を打ちますが、12時になるとこれらが全部 12回時を打ちますが、
デジタルの世界では考えにくいですが、合計36回 鐘が鳴ります。
ゼンマイ時計ですべての時計が寸分もなく同時刻に鐘を打つことは不可能で、
夜中の12時には3台×12回で36回の鐘が鳴ります。
オークションで本日不動品部品どりとのことで届きました。
リズム時計は有名な時計メーカーですね。でしたねかな?。
ゼンマイ時計なのに日付けが付いています。こんなのが有るんですね。
不動なんて当然です。驚きません。なんてったって40年前の代物です。
早速分解に入ります。文字盤を外しました。
時計の本体を見えるようになってすぐに分かりました。
ドライバーの先で示している部分、本来はつながっている部分ですが、亀裂が入って分離しています。
この症例は2回目の経験です。
ここは振子がぶら下がる部分で フリペラ と呼ばれる部品です。
ここは弾力性のある金属で振子に振り続ける力を与える部分です。
ここは、よく分からないまま振子を引っ張ったり、時計を激しく振ったりすると、
折れてしまいます。
折れたところを繋ぎました。
銀ろう溶接も考えましたが、熱影響が怖いので半田付けしました。
しっかり付いています。
この後メカを取り外し、軸受部分を清掃してエアブローして、古いオイルを噴き飛ばし、
時計用オイルを綿棒で付けていきます。
裏表やります。
ここで、軸受部分が楕円に摩耗しているようなら、専用の修正工具で楕円を直し、
専用のリーマで穴径を修正し直しますが、私はやったことがありませんし、
工具もありません。
ここは一級時計技能士の世界です。
補足です。機械式時計には高価なものが存在しますが、多くはこの軸受部分に宝石類を使うためです。宝石類は硬さが非常に硬いため摩耗しにくいのです。○○ジュウエルスなどとカタログで謳うのはこの宝石が何個使われているかを示しています。表面に宝石がくっついているわけではないですよ。地球上で最も硬い物質はダイヤモンドですので、これを軸受に使えばいちばん摩耗しにくいことになりますが、そんなのあるのかな?
完了です。振子も無事動きだしました。
このように何事もなかったかのように40年前のゼンマイ時計が復活しました。
その上さらに最近 1週間の概念が無いので、富に希薄となる時間概念
今日何日の何曜日だっけを、デイデイトが助けてくれます。
私は振子が動いた時、チックタックとなる音が好きです。
この音はそれぞれの時計で違う音ががします。
メーカーによって特色があります。
これは すでに オタク の世界ですかね・・・・。