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R180デフのオーバーホール その1   その2   その3   その4   その5

 

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2025年7月3日

R48 R180デフのオーバーホール

 今回はLSD無のオーバーホールなのでピニオンベアリング交換やサイドフランジベアリング交換の画像は取らないで一気に組み上げて、すでに刃当たり調整まで進んできた。

正転側の刃当たりはほぼど真ん中。

尚、ピニオンベアリングプリロードはM27を17Kgで締めて16.4kgだった。

またサイドベアリングプリは2.1kg

バックラッシュは0.11~0.13でものすごく安定している。(ばらつきが少ない)

逆転側の刃当たりです。ほぼど真ん中。

最終組付け段階に入っている。

フロントのボールベアリングを取り付けた。

この後オイルシールを打ち込みフロントコンパニオンフランジを調整時と同じM27を17Kgで締めこむ。

フロントコンパニオンフランジを取り付けました。

サイドフランジのオーリングを交換して取り付ける。サイドベアリングのテーパーベアリングはすでに交換しています。サイドフランジのオイルシールを打ち込んでいます。

サイドフランジ取り付け

錆腐食の酷かったデフカバーは中古の中から良さそうなものを選んで交換しています。

完成しました。


2026年2月6日

R50 R180デフのオーバーホール

 西の方からこのデフR180をオーバーホールして欲しいとの要望です。R180ですがギヤ比が4.375と珍しいギヤ比だと思います。PS30 Z432用なのでこのギヤ比で作りたいとのことです。又、純正に沿ったものにしたいという事でデフの上面にあるKマークは付いていないものにしたいという事で、この外観上のケースは使用せず中身をすべて別のR180ケースに移植することになります。

R180はデフ玉を取り出すときにケースに対してギリギリなのでいつも苦労します。人によってはあらかじめケース側の出っ張りを削っている人もいます。

分解すると確かに35:8で減速比4.375となります。

やっと取り出してきました。が・・・

こちら側のサイドベアリングを手で引っ張ったらするすると抜けてきてしまいました。使い倒したデフでここの受け軸が摩耗してゆるゆるになってしまうものが時々ありますが、このようになったデフ玉はもうオシャカです。サイドベアリングの摩耗を長らく放置したりすると、ベアリングの玉が上手く回らなくなり内輪をリジットで回してしまうためこのようなことが起こると思います。

外してみたら以前からこうだったようで溶接で肉盛りして無理やり組んであることがわかりました。いろいろな事情でこのようにリカバリしたと思いますがこれではかなり無理があります。

さらにリングギヤボルトを外してみると、あれ!こんなところに隙間が・・・?

計らなくてももう予想はできますが、デフ玉の取り付けサイズがΦ110です。このデフ玉はニスモLSDであるようです。

対してリングギヤ内径はφ115ですので、5mm隙間があることになります。これではリングギヤの中心を固定することができませんので、どうやって組んだのか非常に不思議です。固定ボルトの位置はどちらも同じですので、それからするとボルトを頼りにして中心だしして組んでいるという事になりますが、ボルトとボルト穴には1mmくらいのガタが有りますからこれを精度良く組むのはかなり無理が有ります。これで本当にデフとして駆動できていたのならむしろそちらの芯だし技術の方が驚愕です。

これで稼働していたとするとこのリングギヤ面はすでにどうなっているかわかりません。

ピニオン側はどうでしょう?

ただ目に見えて大きなダメージが無いのはどうしてなんだろう。やはり何か特殊な技術があるのだろうか?

ここでどのようにするか選択する必要が出てきます。

 

案1 4.375をどうしても生かす場合はこのギヤの現状は我慢してこのまま使う事にして、取り付け径Φ115のデフ玉を別途入手して組む。取り付け径Φ115の日産純正が出てくればよいが無い場合はスバル製にして、サイドフランジはカメアリ強化を購入する。

 

案2 この4.375はあきらめて別のギヤセット(例えばスバル4.444等)を探して、さらにLSD玉を探して新たに組む。スバル製とする場合は別途カメアリ強化サイドフランジの購入が必要となります。

 

案3 ニスモのΦ110のデフ玉を探して(ただし非常に高価)、4.375に近い内径φ110のリングギヤピニオンギヤセットを探し出し(これもかなり難しい)組む。この場合サイドフランジは純正のままでOKとなります。

このデフについては一次棚上げとなりました。方針としては

・ギヤ比はどうしても4.375としたい。これがR180 Z432の純正で有るため。

・外観はKマーク付きでは無くする。

・LSD刃必要

という事で部品集めに入ることにして、部品が揃ったら再開します。

 

部品が揃ったのでオーバーホール再開します R180 その8 こちら


2026年2月27日

R52 R180デフ OH

静岡市に近いところに住んでいるこのS30Z乗りさんは、S30Z購入依頼私のところでミッションをはじめとして駆動系に手を入れていますが、今回はデフの修理です。

こんなにきれいで真新しい感じのデフですがなんか変なので一度チェックして欲しいとのご要望です。

S30Zでアルフィンデフカバーですのでリヤデフメンバーから特殊なものに変更しているとのことです。

私もこんなにきれいなデフが送られてきたことは無いような気がします。

アルフィンデフカバーです。

サイドフランジは亀有強化と思われます。

フロントフランジも亀有強化です。

 

この時点でのプリロードですが測定不可能の”0”状態でした。オイルシールのリップが目いっぱい当たっていてしかもサイドフランジ付きでこの状態ではダメの状態です。

ギヤ比は39:10の3.9でS30Zの基本的なギヤ比です。ただ、この刻印はいつも見るものと掘り方が異なっているようです。

刃当たりですが正転側刃少しヒールより(外周より)ですがほぼ良い感じで出ていると思います。

逆転側も良い当たりです。

 

さてバックラッシュですが

なんとこの時点で0.20~0.23あります。

規格は0.10~0.18ですので完全に外れていて、バックラッシュが大きすぎる状態です。

この時点でこのデフ組はダメですが、この後もっとアッと驚くようなことが起こります。この刃当たりの良さから見ると何でそんなことにとそのギャップにビックリ。

サイドベアリングカバーですがこんなにきれいにバフ掛けされているものはなかなか無いです。ハレーションを起こしてカメラが焦点が定まりません。

所が裏側内側を見るとシムはドロドロだし、サイドフランジカバーの内側スキマには長年の汚れが固まったままです。

どうやって表面側だけこれだけきれいにバフ掛けしたんだろう。方法がわからん。

ベアリングは換えてはあるようですがプリロードがかかっていなかったせいだと思うのですが、当たりがおかしいです。

デフ玉を取り出しました。スバル用のLSDとギヤだと思います。リングギヤ内径は115mmです。

今まで組んであった状態のイニシャルトルクを測りますが・・・・・。

この20Kg(200N)まで測れるトルクレンチで何とかここまで引きましたが、これ以上は計れません。とにかくこの状態(15Kg)でもLSDはびくともしないのです。

トルクレンチを40Kg(400ん)まで測れるものに替えて測定ですが、なんと25Kgでもまだびくともせず、これ以上は片手で引けず断念しました。感じ的には40Kgを振り切ると思います。

 

通常のR180のイニシャルは

街乗り5Kg~7Kg

スポーツ走行 8Kg~13Kg

レース 13Kg~16Kg

ですので現状はこれをはるかにオーバーする値だし、多分これではデフロック状態であることでしょう。

これだとなんと低速でのプレートの引きずりチャタリング音は皮肉なことに起こらないことになります。ただUターンなどでタイヤがロックしたりして曲がらず何回も切り返すなどという事が起こっていたのでは無いかと思います。又ドライブシャフトが目いっぱいねじられますのでその負担も大きかったと思います。

 

LSDを分解しましたが校正は6枚で通常のスバルR180ですが、一番左端内側の黒いプレートが1.9mmありこれは通常のスバルデフでは使われていないです。どうもこのプレートが悪さをしていると思われます。

さらによく見ると一番右がスプリングプレートでこれでイニシャルを出すのですが通常は3枚あるのですがこれが1枚になっています。その代わりに平面のフリクプレート外爪が2枚と交換になっています。この外側3枚は全部外爪ですので回転が起こらず1枚と同じです。つまりここではすごくイニシャルを下げる構成になっています。実質上摩擦板となっているのは間の2枚のみ、しかも渦巻き溝有ですのでこれではイニシャルの出しようがないはずですがどうなっているのでしょう。

内側の黒いプレートは1.9mmあり、通常より厚いです。

ここにあるプレッシャープレートシムの厚さも犯人としては考えられます。

全体的にはLSDケースに対して中に詰め込んだものが厚すぎてロックしている状態だと思います。これは後から各パーツの厚みや隙間を全部計って計算すればはっきりすると思います。

それにしても何で組んだ時にこのイニシャル値でOKにしたのだろうか?ドラッグレース用なのかな?

わかりません・・・・。

デフケースに戻りますが、こういう所もダメです。

サイドベアリングケースの受け面が塗料の黒で塗りつぶされていますが、ここはバックラッシュ調整のために0.02mm単位のシム調整を行うところですので、ここを塗ってはいけません。そもそも相手部品でフタされるところなのに何で塗装する必要が有るのだろう・・・・・?

ピニオンベアリングは交換はされているようですがこのような当たり幅が不均一なものとなっており、これもプリロードがかかっていない証拠だと思います。

 

とにかく外観はすごくきれいだったが中身は全くダメのサンプルの様なデフです。唖然・・・・

LSDはスバルの110度

これについても各部の寸法を測り記録します。

スバルのLSDは殆んどが4ピニオンです。

矢印の2枚を交換しました。赤矢印は黒い色の社外プレートと思われる1.9MM厚みの物を純正の1.7MM厚みのフリクションプレートに。青矢印は外爪渦巻きフリクションを内津Mえ1.5mmスプリングプレート(皿バネ)に交換です。

このセットで組んでイニシャルは10kGと出ましたのでスポーツ仕様にはちょうど良いです。Uターンでは少しチャタリングが出るかもしれませんが、渦巻きプレートはマイルドです。

刃当たりですが何度か調整してこの状態にしました。

ピニオンプリロードは18kGトルクで締めこんで14.5KG

サイドベアリングプリロードは7kGでした。

バックラッシュはこの状態で0.11~0.14

 

紙面がいっぱいになったのでこの後の完成画像は省略いたします。(画像としては残っています)


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