2014.12.07 からスタート
ノーマル的S30Zの在り方
これは私の2台目のグリーンのS30Zですが、今はだんだんとノーマルに戻してゆく作業をしています。
すでにエンジンは2000ccだし、サスはノーマル・フロントスポイラー外したり作業をしています。
赤いほうのS31Zはどんどんサーキット仕様に換えてきていますが、こちらはその対比車としていきます。
つまりこちらはノーマルとしてのS30Zの良さを存分に出していきたいのです
その1 リヤハブ・ワイパー・シート破れ・ブレーキマスターバック・ヒーター修理
その2へ プレーキ・シートベルトリトラクタブル化・ステアリングラック修理・北海道出張
その3へ 足回りビルシュタインショックへ交換・大阪出張レトロカー万博
その4 シートの改良・デフの改良
その5 点火系改良ワコーCD1200取付・トルセンデフ取り付け・ドラシャOH・MK63に変更
今回、気まぐれにホームページアップしようと思いついたので進捗過程が唐突ですが、今後続けてアップする予定です。
で、今回はホイールの交換なんですが、画像のとうりワイヤースポークホイールにしています。今まではワタナベエイトスポーク9j14→カンパニョーロ6j14と来ていましたが、今回はこれです。
ワイヤスポークホイールは今ではアメリカンなイメージがすごく強いですが、70年代はジャガーや2000GTに見られるようにヨーロピアン的なものだったと思います。当時の私はワイヤースポークに憧れたもんですが、なぜか世の中はアルミホイールに走り、ほぼワイヤースポークは全滅状態です。S30もワタナベエイトスポークアルミが定番のようになっています。
でも私の考えからするとアルミもメッシュタイプが存在するように当初はワイヤースポークの代替品として商品化されたのではないかと思います。ワタナベにしてもスポークタイプという言葉が商品名に残っています。
ワイヤースポークがアルミに変わって行った理由はいろいろあるのでしょうが、一番の理由は作りやすいからや維持しやすいからではないかと思います。アルミなら鋳造なり鍛造して削れば完成だし、精度もバッチリ出せます。しかしWS(ワイヤースポーク)の場合リムとハブを作りそれを何十本ものスポークで組んで精度を出さねばなりませんし、組み付けは機械化は難しいと思います。そして、スポーク穴からのエアー漏れの危険性を考えていなければなりません。
自転車やオートバイの世界はどうかというと、オートバイも同じような傾向ですが、自転車では99%はWSです。
ママチャリもツールを走るクラブチームのレーサーも同じようなWSで一見変わりはないように見えますが、全く異なるものです。先ずリムやハブの材質や精度が異なります。ジェラルミンやカーボンが使われます。リムの幅は極限まで細くして(21mmくらい)空気抵抗を減らします。だいたい三角断面で内部は中空になっています。重さは300g/1本(桁間違えていませんよ)です。そしてスポークは先ず本数を減らします。ママチャリは36本/1輪ですが、レーサーは16本/1輪(これも書き間違いではないです)と極限まで減らして重量と空気抵抗を減らします。さらにスポークの断面を針がねの様な丸ではなく薄くつぶした楕円形にして空気抵抗を減らします。で完成品は前輪600g台 後輪800g台が相場です。
自転車の場合ここまで工夫してWSを使う理由は重量軽減にあると思いますし、アルミ一体にできない大きな理由があります。
WS(ワイヤースポーク)とアルミホイールの一番の違いは、ワイヤースポークの場合車軸はワイヤーでぶら下がってホイールの上半分で支えられている状態ですが(厳密には全部のスポークだけど)、アルミホイールの場合は車軸は主に(70%くらいかな)下側に荷重がかかって支えています。ワイヤーは圧縮荷重は支えられないので当然ですが、目で見ている限りあまり考えないことですね。WSはぶら下がっている、アルミホイールは乗っかっている と言うことですね。
さて、私の付けたWSですが軽いのかというと、決っして軽くはありませんでした。アルミに比べて2Kgほど重く、タイヤ込み17Kgありました。80年代に作られた当時物ですので主としてファッション優先・安全重視で作られているものだと思いますので、スポークも多くあまり軽量化の事は考えていないようです。でも、私はワイヤースポークの雰囲気が気に入っているので取り付けてみました。
先ず取り付けについてワイヤースポークはその構造上オフセットがあまり取れずタイヤが内側に寄ってきます。(追記:オフセットがマイナスしている理由は別のところにあるかもしれません。いろんな車種に適合するためとか。ワイヤスポークでもオフセットは自由にできそうな気がします)。私のはそうでフロント側は締めつけ状態ですでにタイヤの内側がコイルスプリング受け皿と干渉して回らない状態でした。トレッドスペーサーで外側に出すのですが、1枚で足りず2枚 8mmも出しました。その結果ハブボルトの締め代が不足(最低10mm
は欲しい)してしまい、ロングハブボルトに交換するハメになりました。ハブボルトを交換するにはフロントハブを分解する必要があります。
でもとにかく取り付けて使える状態になったのですが、問題発生。高速で90Km/H以上でハンドルのぶれが出だしてとても走っていられる状態ではありません。低速では気になりませんでしたが。
で、仕方なくタイヤ幅を205から185に狭くして干渉を逃げて、なんとかスペーサー5mm 1枚にしたのですが、全く変化なし。
やっぱりWSのバランスと言うかスポーク調整が悪いのかとあきらめかけたのですが、バランサーで測ってみると思いのほかバランスは良くぶれも有りません。
いろいろやったんですが、あることが気になります。ホイールを持ってゆすってみると右側だけすこしベアリングガタがあります。ハブボルト交換するとき分解したので調整が悪いのかも知れません。
それで、ベアリング締めこみ調整を整備書と首っ引きでじっくりとやり直し実施。先ずトルクレンチで締めこんで60度戻すとあり、やってみました。ついでにグリースも詰め替えておきます。
その結果・・・・
全く変わりませんでした。現象は同じで90Km/h以上でハンドルがぶれてしまいます。
もうホイールアライメント見るしか手立てはないかなと考え出したのですが、確かにショック交換でストラット外したりしましたが、アライメントがずれるほどの作業ではないです。
で、ホイールのガタを念の為再度チェックしてみると、右側がやはり同じようにガタがあります。整備書の通りにやったつもりなんですが駄目だったようです。それで、整備書にあるもう一つのやり方、野戦的な ハブナットにソケット被せて手で絞めた位置で固定と言うものですが、それでもやはりガタは直りません。
最後の手段で、自転車のハブのベアリング調整と同じやり方でやってみることに。自転車も最近のレーサー用のパーツはどんどんカートリッジ式、つまりベアリングごと交換するタイプが主流になっていますが、以前の最高峰のハブはカップ&コーン式でクリアランスを調整できるものでしたが、この調整はすごく微妙で絶対にプロにはかなわないところでした。この調整がうまくできているホイールは空気を入れる口(ここが一番重い)を頂点にしてから離すといつまでも振り子運動を続け何十分も止まらないという伝説があるくらいです。ここの調整がうまくできていれば当然抵抗が少ないわけで、コースティング距離に差が出ますし、負荷も違います。 話が逸れましたが、それで先ずブレーキキャリパーを外しておきます。そうしないとパッドが摺ってハブベアリングの調子が判らないからですが、そうしておいてハブの回転具合を見ながらハブベアリングが接触した位置、プリロードがかかった位置をつかみながらハブナットを調整してゆきます。そうしてスラスト方向の微妙なガタを感じながらナットを固定します。締めすぎるとベアリングが焼きつきます。
結果的にはこれでハンドルのぶれは収まってしまいました。私のこのZのハブベアリングはもう長い間交換したことが無いし、グリースもこまめに換えるわけでもないので、なにか変な変形が出ていそうな感じがします。それで、整備書のやり方ではだめだったような気がします。今回はとりあえずこれでOKとなりましたが、早いとこベアリング交換します。
さて、ワイヤースポークホイールですが、またブーム復活して欲しいものです。そして自転車レーサーのように極限まで軽さを追求したワイヤースポークが出現してくれないものでしょうか?現代の工業力をもってすればかなり面白いものができそうな気がします。
2015年3月18日
リヤホイールベアリングの交換
車検も近づいていることも有り、足回りをチェックして行きますが、リヤロアアームのデフ側インシュレーターがへたっていたので交換しましたが、その時に左側のホイールのガタがやけに気になりました。カクンカクンとかなり動きます。
走行距離はメーターで80000kmですがそろそろベアリングがダメと判断しました。
リフトアップしてドライブシャフトの4本のM10ボルトナットを外し、ドラシャを横によけておきます。
ホイールボルトにナットを締めて保護してから、画像の様なテコ棒をかけて回り止めします。正式には特殊工具が有りますが今回はこれ 要らなくなったルーフキャリアーの横棒で代用です。そして、内側のロックナットM27をソケットかけて回します。日産車はこのM27とM24が以外とあちこち共通で使われていますので、このサイズの工具は買いです。
ロックナットは緩み止め可締めが有りますが、構わずそのまま緩めます。今回はこのロングブレーカーでも緩まずパイプ延長して緩めました。緩める場合はパイプ掛けてもいいですよね。工具はかわいそうだけど。
ナットを外したらリヤアクスルシャフトを抜くのですが、内側からナットを仮止めしてから叩きぬこうとしたのですが、サスアームやデフがあるのでハンマーに力入らず抜けません。
仕方なく急きょこれを作りました。
こんな風にスライディングハンマーで抜きます。
スライディングハンマーは以前作っていた自作品で、ほとんどすべてホームセンターにあるもので作っています。
これで、2,3発引っ張ったらあっけなく抜けました。
グリースはこんな風に焦げています。
相当発熱していたと思われます。
こちらがハブ側 やはり奥のベアリングもグリースが真っ黒です。
こちら側のベアリングは外側から打ち抜くのですが、ハブの受け面の2か所に切りかき風の窓が有るのでそこにたたき棒をあてがってハンマーで交互に叩いて抜きました。
その向こうにはオイルシールが有るのですが私はベアリングと一緒に抜きました。
ここまでの分解はスライディングハンマーさえあればたいして時間かかりません。
抜いてみたら、オイルシールがこんなことになっていました。シール面が切れて分離してしまっています。今切れたものではないのでずっとこうだったということでシールの役目はできていませんで、水もほこりも入り放題でした。
ボールベアリングを抜くのですが、このようにベアリングリテーナーを取り付けてもその向こう側に四角いホイール取り付け面があるので実際は押す所がすごく少ないので難しかったです。なんとか外しました。
画像に写っていませんが、もうひとつディスタンスピースというカラーの様なものが有るのですがこれは一品一様セットなので重要で混載は不可です。
ここから組み付けですが、分解より組み付けの方がずっと難しかったです。
1)まず、ハブの中の古いグリースを指でほじって排出します。そして新しいグリース(今回はチキソ)をハブのくぼみ全周に塗り込みます。
2)次に新しいベアリングを付けたアクスルシャフトをハブに打ち込むのですが、これが結構固くてかしいでしまうことがあります。コツは裏側でシャフトの先端を支えておおよそセンターにあるようにしながら打ち込むとスルリと入ります。
3)次に裏側のベアリングを入れるのですが、やはり場所が狭いのでとてもハンマーで打ち込みはできません。
そこでフランジを仮に取り付けて元のナットM27で締めこんでベアリングを押し込んでいきます。
私はこの時横着してオイルシールも一緒に押しこんだのですがこれは間違いでした。
理由は簡単に言えばオイルシールが完全に奥まで押し込まれず、フランジと常にこすれている
状態になるからです。正解は、ベアリングだけ押しこんだらいったんフランジを外してから、オイルシールを適当な棒で
全周均等に叩きながら一番奥まで打ち込むでした。
4)そのあと再度フランジを取り付け新しいM27ナットをワッシャーを介して締めこみます。締めこんだらアクスルシャフト
の先端に2か所ある可締め溝部でナット可締め部を可締めます。
5)こうして組んだハブベアリングですが回してみると変な固さが有ります。これは取り付けをナット締めこみでやったため
でプリロードがかかった状態で組まっているからです。アクスルシャフト外側やナット端面側を胴ハンマーで軽くコンコン
としてやるとするすると軽く回るようになりました。
6)あとはドラシャを元どうり組んで完了です。
念のためにと思ってガタが無かった右側のハブも分解してみたのですが、オイルシールがこんなでした。
左が外したもので、回したときキュルキュルとゴムがこすれるような音がするので変だなと思っていたのですが原因はこれです。
この角度から見るとリップが完全に摩耗して面になってしまっています。
オイルシールは安いので念のため余分に買っておいたので良かったですが、新品はこんなにとがっています。
ここまで来るとベアリングさえあれば交換するのは手順内ですがけちって買わなかったことが悔やまれます。しかたなくグリースの交換とベアリングの清掃だけに留めて再度組み付けしました。
これで走ってみましたが、違いは感じられませんでした。こういうとこって判断が難しいですね。強いて言えば若干シャーと言うような音が減ったかなと言う感じです。でも予防保全でこの時期にやって正解だったと思います。
2015年4月3日
ワイパーが動かない
3月29日にクラブのツーリングでツインリンクもてぎまで片道250kMくらいの遠出にでました。その帰り常磐道を走行中やはり天気予報どうり雨粒が落ち始めました。覚悟はしていたのですが仕方ないなーと思いつつワイパースイッチをひねります。 ところがワイパーがうんともすんともいいません。
ワイパー故障の場合前が見えませんからだましだましとかの逃げ道がありません。なんとか次のICまで頑張って一般道に入り、カーショップを見つけました。幸い雨が小粒だったので無理できましたが、大雨なら側道に停止して故障車扱いでした。静岡までけん引は悪夢です。
カーショップ駐車場でフューズを見ますが問題なし。お手上げです。仕方なくレインエックス(ガラス撥水コーティング剤)を買ってスプレーして勝負に出ます。ラリーやってた時は必ず車に積んでいましたが、効き目は結構あります。そして再び常磐道に乗り、首都高に向かいますが、今度は大渋滞にはまります。
首都高はほとんどトンネルの中ですから雨からは逃げられるのですが、
別の恐怖が有ります。オーバーヒートです。首都高トンネルのなかは外気よりもずっと温度が高い環境なので、クーリングが弱い車はオーバーヒートしてきます。私のもそうで、ノロノロ運転30分ぐらいで100度を超え仕方なくまた次のインターで地上にでて今度はワイパー無しの車で雨の恐怖と闘いながら一般道で用賀インターを目指します。最後は頭痛がしてきました。
で、なんとかしぶとくJAFのご厄介にならずに静岡の家まで辿り着きました。
ワイパーが動かないってたいていコンビネーションスイッチのところの接触不良だったりするのですが、今回は問題ありませんでした。テスターでそれぞれの導通を見ていけば判りますし、12vが来ているかもチェックして問題なし。そうするとそれより先と言うことでモーター側をチェックします。先ずはコネクターでやはり導通チェックして問題ないことがわかりました。もう後はワイパーモーター側に特定できました。それで、ワイパーモーターを外した状態です。
ワイパーモーター焼き付いているのかなと思ってモーター分解して軸受とかコイル損傷、ブラシのすり減り等チェックして問題なし。比較的新しく、直で12vかけると回転します。丸いウオームギヤ部も分解して問題なしで、グリースアップしてからふさぎました。
もう後はリレー(画像手前)しかありませんが、スイッチ入れたとき作動音がしていたので大丈夫と思い全く注目していませんでした。
リレーを分解したところですが、このリレーは少し複雑にできていまして汎用で代用はできません。多分定位置停止の機構の為だと思います。
この画像で3個ある端子プレートが2個のプラスチックボスで可締められているのですが、このうち右側のボスが欠けて浮いてしまっています。それでスイッチング時に鉄片プレートは吸いつけられてカチカチ音がしていたのですが、端子は浮いて接触しない状態だったということですね。ここは強力接着剤で隙間を埋めてから固定して固めて復元しました。
ということで地味な作業で終わりましたが、たったこれだけの故障でもひどいことになってしまうという教訓でした。
2015.8.8
s30zのシートの修理
運転席側のシート座面がこのように破れてきています。早く治さないとどんどん切れていきます。
こういう修理ってなんとなくミッションやエンジンの修理と別ジャンルでなかなか手がつかなったのですが、今回やることに。
分解できました。
スポンジクッションは思ったよりしっかりしていますが、お尻の部分はやはり劣化して来ています。またフレームのスプリングもヘタッテいるようで手で簡単に凹みます。乗り心地としてはスプリングが効かず直接フレームのパイプ部分に尾てい骨が当たりながら運転している状況でした。
せっかくなのでスプリング部分を改善するためにゴム帯で補強していきます。ゴム帯を前後丸フレームにかぶせて、中央部でやはり番線針がねで繋いで止めます。
これもフレームへの加工は一切不要でした。
シーと亀裂は裏から当て布を当てて縫い合わせ補強します。左側の同じ部位は亀裂は入っていませんでしたが、同じように弱くなっている可能性があり、また右側の追加縫製とバランスを取るため同じように補強しておきます。あと、全体を見て亀裂や弱っているところが有れば同じように補修します。
これでシート部分は完成ですが、結果的には亀裂の入ったところの補強は出来たのですが開いたシート地の端が手で触ると引っ掛かります。座ってしまえばいいですが乗り降り時、衣服に引っかかる恐れがあります。実際に支障がでたら接着剤で固めるしかないです。
取り付けた状態。
見たところはシート亀裂は無くなり、補修跡も違和感を少なく出来たと思います。縫い合わせ部の引っかかりも心配したほどでは無いです。
さて。クッションですがあれだけゴム帯を追加したのですがそれでも一番下のゴム帯まで下がります。フレームまであと3cmぐらいです。
スポンジもかなり増やしたのですがまだまだ硬くても良さそうで、やはりスポンジは硬いタイプ(スポンジには数種の硬さ区分が有る)を使うべきでした。硬い芯部が有ってその表面にごく薄く柔らかい層が有るというのが正解のようです。高級ソファーもその様になっていると思いますが、この加減はかなり経験を積まないとマスターできそうにありません。
それでも今までの腰がずり落ちてしまうようなグダグダ感は解消し、快適なドライビングポジションが出来たので良しとします。次はもっとうまく出来そうです。
2015.9.06
ついでと言ってはなんですがミシンもセットしたのでこのサイドブレーキカバーも作ってしまいます。デザインも少し変えました。
左が純正、右が今回製作品。
まずレザーの材質が異なりますが、レザーの品質は現代の方がはるかに良くなっていると思います。変にシボ模様がはっきりしすぎず上質の皮革の風合いが再現できていると思います。もちろん本革で製作も可能ですが、手入れが大変なのでレザーの方がよろしいかもです。
詳細は こちら
2015年9月13日
やっぱりマスターバックが
この70年台の日産旧車、いや日産に限らず多分全ての旧車は40年以上たった今ゴム部品は寿命を迎えると思われます。特にこのマスターバック等の機能パーツは間違いなく遠からず破損します。私もすでに自分のを含めてその実例を5例ほど見ています。これは日常メンテナンス云々の問題では無いですから、必然ですね。
現象はもちろんブレーキが重くなるのですが、全くノーブレーキになるわけではありません。ペダルを踏んだ時足もとでシュウシュウ音がしていたらほぼマスターバックの破損です。
さてどうしようかなんですが、ブレーキパッドやブレーキピストンシールなどはまだ入手出来ますが、マスターバックのゴムは入手は困難です。
とにかく分解してみます。
内部は思ったよりシンプルです。左がマスターシリンダー側ボディー、真中がピストン、右側がペダル側のボディーです。
漏れているところはこのように亀裂が入っているのですぐに分かりますが、破損した部分はいかにも繰り返し疲労しましたと言う感じです。
このゴム部品が有れば交換して修理完了なんですが、どうも見つかりません。修理してくれるところは有りますがパーツのみは売っていませんし、やはりそれなりの修理費用がかかります。
少し引っ張るとぼろぼろと亀裂が連続してしまい全く柔軟性は無くなっているようです。
ゴム厚は思ったより薄く、曲率も小さくかなり負荷が大きい感じです。
今回はどうしたかと言うと別の中古のマスターバックが有ったので交換して修復しましたが、それもいつまで保つか判りませんが、すぐには対応できないので暫定処置です。
2015年10月8日
フェアレディーのマスターバックは限界が近い
製造から40年も経ったゴム部品はそろそろ限界が近いのではないかと思います。ブレーキを踏んだ時足もとからシュウシュウ音が連続しているときはマスターバックの破損です。ブレーキが重くなり怖いです。
右画像は
左がφ210マスターバック
(48.10月以降の標準品)
右はφ250マスターバック
フェアレディーZのマスターバックの種類をまとめてみると
1)46年までの前期ボディー 小径180タイプ 39000円で新品入手可能
2)47年~48年10月中期ボディー 中径210タイプ 現在取り扱い無し
3)48年10月~の後期ボディー 大径250タイプ代替品39000円で新品入手可能
(年式区分についてはかなり想像の範囲で多分そうだろうぐらいです)
となっており、47年~49年は外れ年で私の48年は該当せずです。
48年に大径250タイプを付けようとすると、クラッチシリンダーにマスターバック外形が干渉します。
また、φ180タイプは取り付けピッチが異なる(80mmと100mm)のでボディーへボルト穴加工が必要です。
あとは破損品を修理してくれるところに頼むかですが60000円とそれなりの金額になります。
またS13やR32系のφ210タイプを流用している例も沢山ありますが、取り付けアダプターが必要・マスターシリンダーカップが1本タイプになる・ブレーキ配管のやり直しが必要でものすごく費用がかかる上に外観がやはり浮いてしまいます。
私が調べた限りでは上記ですが、これ以外にも対応方法が有るのかも知れませんので、もし良い情報ありましたら共有してください。
私は今回どうしたかと言いますと、マスターバックのドミノ倒し作戦で行きました。先ずφ250径のマスターバックを入手して、52年式のs31に取り付けます。そして外したφ210のマスターバックを48年式s30に移植します。こちらの方が4年は新しいので、後4年は安心できるはず。(てなことは無いか・・・)
皆さんも仲間同士でこのようなやりくりが出来ましたら有効な手段だと思います。
52年式純正φ210マスターバックとクラッチシリンダーの位置関係
48年式はこんなに隙間がありません。
上記52年式にφ250マスターバックを取り付けた状態。クラッチマスターシリンダーまで後5mmの隙間でぎりぎり収まります。
このφ250マスターは車重が重いモデル(似たデザインのモデルがありますよね)には必要だし、それを普通のs31に付けるとブレーキがさらに軽くなります。
φ210マスターは上記のように中古しかないので、やはりいずれは限界が来るはずです。
今後どうするかなんですが、やはりある程度新世代のマスターバックで形状が近いものを流用するというのが考えられますし、もうすでに多くの方がやっていると思います。
でもあんまり形状が異なると違和感があるし、マスターシリンダーの形状も異なるとさらに違和感が有るし、ブレーキ配管まで変更が必要になりそうです。
これからさらにどうしたら違和感少なく流用できるか検討していき ますがしばらくかかりそうです。
2015年11月25日
S30Zのヒーター破損
それにしてもいろんな事が起こるものです。この前のマスターバック破損に続いて今度はヒーターが漏れ出しました。ヒーターはまだ部品が入手できるのでまだマシですが、この狭苦しいところからごっそり分解する必要があります。
それが億劫でしばらくはエンジン側でヒーターホースを外してメクラ栓をしてしのいでいましたが、冬を迎えてさすがに寒くて困ります。夏はエアコンなしの暑さで苦しみ冬まで寒いでは耐えられません。
こんな奥まったところにホース配管がありますが、これらのホースは古くなると硬化して張り付いて簡単には抜けません。
基本的にはダッシュボードを外す必要が有るようですが、私のダッシュはすでに少しヒビが来ており無理するとぱっくり割れてしまいそうです。ダッシュの修理には今とんでもないプライスが付いています。
そこで、ダッシュを外さずに出来る所までチャレンジします。富士のOさんから外さずに出来たと思うという情報ももらいました。
でもどうなる事やら・・・。
先ずはクラスターと8トラデッキは外します。
グローブボックスを外しますとブロアが見えてきました。
ブロア外しましたが長年の砂ほこりが堆積して白っぽくなっています。形的にはアンモナイトの様な形してますね。
ブロア外すとやっとヒーターユニットが見えてきます。
向こう側のホース類を外してからユニットの固定ネジを全て外して横にずらすとなんとかユニットごとごっそり外せました。
日産さんに感謝ですが当時からこんなことも有るんじゃないかと想定していたのでしょうか?
向こう側にはペダル類やハンドルポストが有るのでほぼ作業は無理です
ので、こちら側が何も構造物が無いのは有りがたいです。
外して全バラ
さび落として色塗りなおせば綺麗になりますが、室内で錆びにくいですし性能に関係ないのでこのまま行きます。
外したヒーターコアですが横の壁の取り付け隙間から漏れていたような気がします。エアー圧かければ判ると思います。今回は新品に交換。
ここまでくれば後は分解の逆手順で組み付けるだけです。
全部もとに戻すのが普通ですがこんなことになりました。8トラックデッキが目くら蓋でつぶされてメーターナセルに変身です。
人によっては当時物の8トラデッキが定石でしょうが、私はあえてこだわりません。もう8トラテープも賞味期限切れですし、アダプターが無い限りFMもきけません。ましてや通常はモノラルで、オーディオ的には音といったらなつかしい音です。デザインがまた私的にはまったくスポーティーさが無く見えるし、スポーツカーとしてのS30Zには似つかわしくありません。(人によって違うでしょうけど)
現代風のCDデッキも簡単に取り付けられますが、そうするとやはりデザインが浮いて興ざめです。
2016年3月26日
ノーマル的s30zはオーディオには凝りたい
前回までで8トラデッキは外してしまい、大森ツインメーターに換装してきました。
ではオーディオはどうするかといろいろ考えたのですが、これを掴んでしまいました。
マッキントッシュ
ブリッッエンB4にもオプションであったのですが高すぎて買えなかったやつ。もちろん中古です。
すごく大きなアンプでシートの下にやっと収まる大きさ。
デッキはこんな感じ。
これも中古ですがとてつもなく競り合いました。
自分は自宅ではオーディオはすべて真空管のアナログ(ラックス)、レコード盤プレーヤーは高級ターンテーブル(マイクロ)スピーカーはバックロードホーン(ビクター)以上すべて中古ですが、すごく安かったのでマッキントッシュが一番高いオーディオとなりました。・・・・。
スピーカーはboseのカースピーカー。
さてその音ですが最初は古いカーデッキ的な音でそんなもんかなと思っていたのですが続けて聞くうちにすごく聞きやすく疲れない音であるなと感じるようになりました。音自体は一緒なんですが滑らかさが違うという表現が妥当と思います。
これで長距離ドライブで一日600kmぐらいは走ることが多いですが、CDもFMも聞けるので楽しいドライブというかイベント行商ができると思います。
2016年8月20日
夏真っ盛りの暑さですが、これを手を付けます。
私の工房には昨年エアコン、それも業務用の大きな中古ものを取り付けましたが真夏は却って外で作業するより、エアコンなしの自宅にいるより快適です。しかも業務用エアコンは200vですので電気代が安いです。
それで工房にこもってこのヘッドライト交換をやりますが、何か不具合があるかというと別にありません。ただ、ラリーやってた時の憧れのキャレロw反射が手に入ったのでそれをつけたいというだけです。
W反射だから明るいかというと現代のヘッドランプに比べるべくもないですが、気に入っているところはやはりガラスレンズのクリスタルカットのようなデザインとCARELLOのロゴデザイン、そしてランプ面のドームっぷりですかね。
S30Zにはどうもよく言われるように平面ガラスのランプは似合わないようです。
電気配線ですがこの時点で少し問題があることに気付きますが、それはH1バルブでプラス端子が一本だけで、マイナスはランプボディーへ共通アースとなっていることで、この場合ライトローとハイの切り替えをプラスコントロールでやる必要がありますが、この48年式S30Zはマイナスコントロールなのです。(50年以降ぐらいからS30Zもプラスコントロールに移行しています。)
もう一つの問題はフェアレディのランプは画像左のランプケースに収まっているのですがキャレロのW反射のボディーと配線がこの中に納まるかです。
マイナスコントロールについては画像のようなリレー配線で問題ありませんでした。赤線はバッテリープラス端子に直接つなぎましたがその場合アンメーターに消費電力が反映されません。反映するためにはアンメーターの下流側まで赤プラスの太線を伸ばす必要があります。
この配線キットで従来の配線を一切いじらずにカプラーオンでプラスコントロール化できました。パッシング回路も問題ありません。また、これにすると社内のコンビスイッチにはコントロール電流しか流れないので負担がすごく少なくなり、接触不良による発火などの危険が減らせます。
ライトケースへの収まりはぎりぎりOKでランプの水切りゴムがケースにちょうど接する理想的な状態でした。
交換前のボッシュ 限りなく平面ガラスです
交換後、クリスタルな感じでよろしいです。
W反射の特徴がよく出ています。キャレロの場合レンズカットに沿ってw反射板があるので目立ちすぎずスマートです。
平面的なところがほとんどないS30Zにはやはりこのような凸面ランプが似合うと思います。
ポジションランプがありLEDでセットしました。
私は時々ほかの人にも言うのですが、旧車はヘッドランプの形はお上の意向で丸か四角と規格が固定されていましたが、それでもこのように同じ丸でもそのデザインで印象がかなり異なり個性があります。ましてや、同じジャンルの他車種ではフロントマスクのデザインを工夫していかに差別化するかが売れ行きに大きく影響したので、ヘッドランプは同一サイズの丸なのにすごくいろいろなフロントデザインの工夫があり面白味があったと思います。
ところがそのヘッドランプの規格がなくなり自由にデザインできる現代の車のヘッドランプがほとんど似たものばかりというのはどういうことなんでしょう?フロントマスクもどれも同じような傾向になっていませんか? 何もないところで生み出すのがいかに難しく、かえって制約があったほうが良いものができるというのはなにか示唆的で考えさせられますね。
ノーマル的S30Zの在り方 その2へ