夏場で無くても恐怖のかぶり 2012.11.1
私のZ 1号機はタコアシ仕様ですが、バンテージは巻いていません。だってカッコ悪いし、バンテージも結構な値段がします。自作の遮熱板だって取り付けてありますから簡単にはかぶらないつもりでした。
が、この状態で10月に一般道を走ると信号停止の度にゴボゴボと突然まるで水没したかの様な走行状態に陥ります。
もともと濃いめの状態で、燃費は4km/Lと最悪です。(L2蜂のノーマルでこれは燃費悪すぎますので、どっか壊れていると思います)ですので、ちょっとしたことでかぶります。
タコアシの放射熱がウェーバーキャブに影響していることは間違いないようで、走り始めて冷却風が入り出すと何とか元に戻ります。
この対策はバンテージを巻くこと以外に、よくある対策が扇風機をつけることです。エンジンにはもちろん冷却ファンが付いていますが、アイドリング時には回転が遅くほとんど風が起こりません。そこで小型の扇風機(もちろん車用のです)をキャブの前方に取りつけますと、かなり冷却効果があるようです。これ以外にもボンネットを少し浮かして隙間を作るとか、ボンネット上部にエア抜きスリットを設ける(アメリカ仕様でありますよね)とかあるようです。
不具合があるとそれに対処する為に対応機器を取りつける=これを対処療法といいますが(私が勝手に名前付けました)、自称技術屋の私としてはこの様なやり方は敗北を意味します。
技術屋なら原因を取り除くべきです。この場合の原因はアイドリング時にファンの回転数が減って冷却出来ないですので、アイドル時の冷却ファンの回転数を増せばいいわけです。そのためには、ファンを電動化すればイイわけです。(かなり論理に飛躍がありますが、いいんです。自分が納得できれば)。
で、これを買ってきました。レガシーの中古電動ファン・φ16mmのステンレスパイプ・帯び鉄(フラットバー)以上いつもの材料商社 ヤフオクとホームセンターから入手
ステンレスパイプは半つぶし加工をして、そこにフラットバーをたたき込みます。
全つぶし密着までつぶすと極端に曲げ強度が落ちますし、タップも切れません。
実はこのことについては事前にステンレスの端材パイプをつかって、つぶしたり曲げたりたたいたり焼いたり煮たりしてテストをした結果得た結論です。
両端を同様に加工してさらに中間部にも画像の様にフラットバーを溶接していきます。
両端にはラジエターの取り付け穴に合わせてタップ加工をします。
また溶接したフラットバーにも同じく取り付けタップを加工します。
ラジエターに取りつけた状態がこの様になります。上側がこれまでに出てきたステーです。下側は別途フラットバーで作ったステーです。
最終的にこうなります。
上側のステーをステンレスパイプで作ったのは、フラットバーでは断面係数(ウフッ専門用語)が低いため強度不足で曲がってしまう恐れがあるので採用しました。パイプは曲げ力に対して非常に強いです。
下側は支点が近く2点あるので問題なしと判断してフラットバーで作りました。
そしてこの電動ファンですが、すぐれもので回転数がこれ一個で2段階で動くようになっています。構想としては、ラジエターの水温を専用センサー=クーラー用から拾い、70度ぐらいで先ず第一段階のファン回転数で回します。そしてもう一段階は手動スイッチでON出来るようにしておいて、状況により作動させます。多分、第一段階の回転数だけで冷却は問題ないと思います。
さて、完成しましたが実はこれはスペアのラジエターで寸法合わせしていますので、実際にエンジンルームに収まるかどうかは?です。
エンジンルームではエンジンのクランクプーリーとファンプーリーがかなり出っ張って存在しますので、あまり厚みがあると干渉してしまいます。これはある程度予測していますので、電動ファンを出来るだけ左側に寄せて取り付けましたが、どうもこれでも干渉回避はきわどい状況になりそうです。
こんな所もあまり意に介せず、寸法取りも仮あてもしないで本能と欲望のおもむくまま作業を進めるところが、理想の ものつくり のあり方なんです・・・・。小さなことにこだわっていてはいいものは作れないんです・・・。
あんた 何作ろうとしてんの・・・・? (向こう側にいる淑女がたまりかねてしゃべったようです)
実際に取り付けできるかどうかはしばらく後になりそうですが、また結果ご報告します。
お楽しみに!!
2012.11.09
やはり結果を早く見たいので、交換してみます。
それともう一つ、エンジン交換して以来エンジン水温が55度近辺で上がらない現象がありますので、これもチェックです。
画像はラジエターをいったん外して今度製作した電動ファンを取りつけたものを再びエンジンルームに戻したところですが、なんと奇蹟的にぎりぎり収まってます。
別の角度から見たところですが、金色の丸いものがウォーターポンプーリーですが、電動ファンまで20mm隙間ぐらいです。また、水色の丸いのがクランクプーリーですが、そことは10mm隙間くらいです。
冷や汗・・・・・
拡大図です
汚くってすみませんが水温調整のサーモスタットですが冷却水を抜いたのでついでに外して確認してみますと一見何ともないようでしたが良く見るとこの状態でバルブが密着しておらず少し隙間があります。それでいつでも冷却水が流れっぱなしになっていたようです。バルブを手で押しても押し込めないので、この状態で固着しているようです。これは交換ですが、懲りずにまた手じかに有った余り物のサーモスタットに交換です。
ということで、取り付けは完了しました。見たとこ電動ファンが汚れっぽいですが艶消し塗装なのでフラッシュ撮影ではこうなりますが、実際はもう少しきれいですが、錆もあるので再塗装すればきれいになります。
今回は機能優先で見たくれは二の次です。
さて、その性能ですが先ず電動ファンをオフにしてエンジン温度を上げていきます。普通のエンジンファンの場合では、ファンベルトが切れたのと同じ状態ですが、エンジン温度が85度まで上がったところでサーモスタットが効きだしそれ以上温度はあがりません。走行風もない状態でクーリングファンが無い状態でもエンジン温度はそんなにすぐには上がらないもんなんですね。
ここで、電動ファンの第一段階速度で回しますとあっという間に65度くらいまでエンジン温度が低下しました。まだファンコントローラーが無く直結なので過冷却となりました。また、電動ファンがどれくらい風を吸いこんでいるかラジエターの前に手をかざすとすごい勢いで吸い込んでいます。またファンの後ろ側のタコアシの辺りにもすごい風量が発生していますので、タコアシやキャブ冷却の目的は達成できそうです。
しかし少し問題がありまして、ラジエターの冷却能力がここまで強力であることは予想外で、ありがたいことですが、今回取り付けた電動ファンが動く場面はすごく少ないということが予想されます。ですから、確かにタコアシを冷やすだけの能力はありますが、問題の信号待ちの場面で動いてくれるかどうかは非常に危ういです。手動スイッチで信号待ちの時常にONする手もありますが面倒ですね。
走行スピードが0=止まった時にスイッチオンになるようなセンサーがあればいいのですが、旧車にそんなもんあるわけないですね。
うーん どうしよう やっぱ手動スイッチかなー
完成はしましたし、性能もでましたがコントロールに難ありです。でも、もうひとついいところはエンジン負荷からクーリングファンが省けたことでエンジン回転の立ち上がりは楽になるはずです。
2012.11.22
電動ファン直結では具合悪いのでこんなもの購入です。すごく安かったです。なぜかわからんけどすでに倒産してしまったあのメーター屋さんの品物です。
これは上のパーツに取りつける温度センサーです。有る温度になるとスイッチが切れます。
そしてこんな風に取りつけます。ラジエターロアーホースは新品でしたが迷わず、いや・・・さんざん迷った挙句切り分けました。私は分割することを嫌います。出来るだけ一体にしておきたいのですが、温度センサー入りホースはありませんから仕方ないです。現代の車にはラジエターにこのセンサーが直接付いいていますので、ラジエターを改造する手もありました。
そしてもう一つのセンサーがこれ。これも山梨の有名なビルダー****から常時販売されていますが、新品でも信じられないくらい安いです。これは左側の温度センサーに発生した温度によって自由にスイッチのオン温度がコントロールできるというものです。
温度センサーはここ タコアシのすぐ横に取りつけました。普通はラジエターのフィンに取りつけるのですが、別にこの様に使っても問題ないと思います。理由はもちろんタコアシによってこのキャブレター下側の温度が上がった時に、電動ファンをオンにして回す為です。これはエンジン水温とは関係なくオンに出来ます。
コントローラーは新しく取りつけた電動ファンの上側に丁度都合よくステーが出ていたのでこの位置に取りつけました。上に丸く出ているシャフトが温度調整ボリュームでマイナスねじで調整します。
そしてこれは電動ファンをコントロールするリレーです。左側は今回の改造とは別のCDIに大量の電流を送る為のリレーです。
真中がラジエターホースに取りつけたセンサーで稼働するリレー
右が、タコアシに取りつけたセンサーで稼働するリレーです。スペック的には各センサーともに電動ファンを回すだけの容量は有りますが、念の為リレーをかましました。
電気系の取りつけ状態です。私は機械系の人間なので、電気系の配線処理はあまりうまくありませんで、この様な乱雑な有様ですので、きっと他の人にはどこがどうなっているか分かりませんね。
このあとエンジン暖気してチェックいたしましたが、目標どうり電動ファンのコントロールが出来ています。
1)エンジン温度が上がると80度くらいでサーモスタットが効きだし、少し温度が下がります。
2)そのあとまたエンジン温度がじわじわ上がり始め90度くらいでラジエターホースのセンサが反応してNO1の電動ファンが回ります。
3)電動ファンが回ると75度くらいまで温度が下がり電動ファンは止まりますが、ボンネットを閉じるとしばらくしてタコアシの温度センサーが反応して、NO2の電動ファンが回ります
4)夏場でエンジン温度が高い状態で信号ストップすると、両方のセンサーが感応してNO1・NO2両方の電動ファン(実際は同軸なので2倍の回転数で回る)が回るということになります。
これで完成です。でもこれから寒くなるので、本当の実力確認は来年の夏までお預けですね。
字あまり