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R180デフのオーバーホール その1   その2   その3   その4   その5

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デフ R180のレストア


2019年8月29日

ハコスカ用駆動系刷新

R180デフ R7

 岡山のハコスカオーナー様からボディーをドンガラレストアする合間に駆動系も完全なものにしておきたいということでR180デフ・両ドライブシャフト・プロペラシャフトの3点まとめて持ち込んでいただきました。今回はセットなので外観も含めてレストアします。

駆動系はオイル漏れと泥と混ざった上に何回も下回りパスタ塗られたりするとこのようにかさぶた状の膜になり、こそげ落とすのが大変です。

その後いろんな道具でさらに磨いてゆきます。

 

磨く前の一例

 

磨いた後、金属地肌が出るまで磨きます。


外回りがきれいに磨けたら内部の分解に入ります。

内部も真っ黒です。LSDは付いていないオープンデフの状態です。

ケースにはヘドロがこびりついてオイル抜いただけでは取れていきません。脱脂スプレーを吹くとやっと地肌が出てきます。

分解前に各部の精度を測定しておき、今後の参考とします。

 

歯当たり確認 正転側ですが歯当たりがトー側(内側)に寄っていることが分かります。

 

正転側、


サイドベアリングのアウターレース

当たりが中央よりに集中している感じです。

ピニオンを摘出しました。

ピニオンベアリングレースの外周はいつも見るものより焼き色がついているのが気になりますが、何らかの理由で発熱が多かったのではないかと思われます。

レース面側もこのように横筋や肌荒れが見られます。

分解はこれですべて完了したことになります。バラバラです。

組み付け準備に入りますが今回はLSDをつけたいとの要望ですのでこのOS技研のスーパーロックをチョイスして取り付けます。特徴は左右フリクションプレートの中間にプレート戻し兼イニシャルプレッシャー発生用としてコイルスプリングを取り付けてあることで、これにより街中ではLSD作動が0%となり引きずりが出ないことになっています。

イニシャルを測定しますが14㎏というかなり高めの設定でした。

一気にピニオンも組み付けてバックラッシュの測定に入っています。

この前にピニオンプリロードを調整しましたが1回目はやはりベアリングを新品にしたので、自分が作っている特性プリロード調整シム0.05を1枚入れて8.5KGと基準値内に収めました。

サイドベアリングについてもプリロード高すぎたので右側サイドリテーナーシムを0.05追加して良い値となりました。

塗装に入っています。

最終組付けに入ります。

LSDはOS技研のスーパーロック

歯当たりの確認、逆転(後進)側

良い状態と思います。

歯当たり確認正転(前進)側

良い感じです。

ピニオン側の歯当たり

右が正転側ですがほぼ理想的な当たり方です。

バックラッシュ測定

何カ所か測定しますが、この部分は0.17(規格は0.10~0.20)

完成です。

同時にドライブシャフトとプロペラシャフトもオーバーホール依頼されたので全て完成してこの3点セットの状態になりました。


R180デフ オーバーホール R15

HS30が走行中異音がするということで修理依頼されました。

坂道で負荷をかけるとガリガリ音

サスペンション関係はチェックして異常なしで、

次にデフを調べようということでの依頼です。

 デフはR180の純正オープンデフ(LSD無)

ギヤ比は4.111でこれも純正ママです。

おそらく一度も開封してメンテはされていないのではないかと思います。

先ずはバックラッシュを測ります。

全周の中で

0.31 0.15 0.24 0.22

と良いところと悪いところがバラバラに出てきます。

これはベアリングのプリロードが無くガタガタの状態によくあることで、実際にフランジ回してみると軽くするする何の手ごたえもなく回るのでプリロードは0つまりガタガタの状態でした。

 

 

 

歯当たり 正転側 申し分ないです。

 

逆転側 これもOKです。


デフケース単体になりました。

ピニオンまで全部分解しました。

結局今回の問題のガリガリという異音、何かがこすれるような音 というものの原因となるようなものは見られませんでしたが、デフもこれだけベアリング摩耗しているとうなり音というかゴーとかガーとかの連続音が出ていたのではないかと思われます。

デフケースを錆取してから2液式プラサフ、2液式ウレタン黒つや消しで塗装して準備しました。2液ウレタンは塗膜が固いのでカチカチになります。

 

ピニオンを組んでまずはピニオンプリロードを規定値になるように模索してゆきます。テーパーベアリングを交換すると必ずプリロードは過大になって来ますが、本来、テーパーベアリング新品で製造時の状態に戻したのですからそのままでプリロードは適正になるはずですがなぜかそうはならないのです。ケース側が長年の稼働で縮んで来るということでしょうか?不明です。

 私はここで特別に準備したシムを使ってプリロード調整しますが、何回もやらないとピニオンナットをめいっぱい締めてプリロードが適正値それも上限いっぱいに狙いにすることは実現が出来ません。最近だんだんと補正シム量の傾向が見えてきた気がします。

ピニオンプリは今回は13.6kgcmでセットしました。

サイドベアリングも交換して次にサイドテーパーベアリングのプリロードを設定しますが、ここもベアリングを新品にするとシム調整が発生します。

ピニオンプリよりどれくらいトータルプリが上がるかがサイドベアリングプリの量ですが、今回は3.5kgで落ち着きました。(この時にまずはバックラッシュ大きめの方向で調整しないと結果がおかしくなります)

 次にバックラッシュ調整。これも特殊シムが無いと調整できないですが、これはまだ純正が有る程度入手できますが全部そろえると何十枚にもなります。

 

 

 

 

歯当たり正転側、素晴らしい当たりです。ど真ん中。

摩耗が大きいギヤはどんなに調整してもど真ん中にはならない場合が多いです。

 

歯当たり逆転側、これも完璧です。


完成が近づいてきました。

あとはシールを打ち込めば完了です。

 

回転試験をしています。

問題なく異音もなく回っています。

良いと思います。


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のレストアも実施