看板車のS30Zをリフレッシュする その1  その2  その3 その4

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2021年3月29日

看板車のS30Z その3

 昨年に引き続き今回もさらなる進化を続けます。今回はエンジンのチューンと足回りの改善

 向こうに見えるサファリZと同時進行です。

今回は主としてヘッドチューンですので、定番のN42ヘッドを手に入れて外段取りで先ずヘッドを作っていきます。今回はまったくの街乗り仕様ということで過激なチューニングはせずに乗りやすいチューンエンジンを目指します。

・圧縮比を11付近を狙う

・カムは73度A

・強化バルブスプリング

・ポート軽チューン

が主な内容となります。

エンジンはいずれにしても降ろすのでエンジンチェックと今回は特に私の考えて設計製作した革新パーツ

「クランクラダー」をモニター価格で取り付けます。

クランクラダーはL型エンジンの長いクランクで不完全バランス、重いピストン、重いコネクティングロッドの

純正ノーマル状態エンジンでこそ、その効果が大きいと言っても良いパーツです。高回転での加速フィールを改善してくれるはずです。

もちろんエンジンに大きな負担のかかるチューニングエンジンでもエンジンを壊さないという大きな効果が有ります。

 

N42ノーマル燃焼室

N42はノーマルでもすでにL20に比べればバルブ径が大きいし、さらにP90ヘッドより燃焼室容積が少ないので少ないメンケン量で圧縮比を高く設定しやすいです。

ノーマルのポートです。

マニフォールドのシートリングとの段付きだけは削って整えていきます。今回はマニフォールドの拡径はやらないので必要最小限の削り調整にとどめます。

こんな感じで削りますがノーマルママの状態ではほとんどシートリングとの境目に段付きが有ります。排気側は裏側になるのでともかくとして、インレット側は段付きが有るとまともに吸入抵抗となります。

マニフォールド側も今回は手つかずで行きますので、ごく軽く鋳物の不整を整えるだけです。お金が掛けれるならここも機械加工で拡大したのちハンドワーク仕上げとなります。加工で失敗したりすると水穴に削りが貫通したり、鋳物スが出てきたりしますので、ここからは費用が大きくかかるようになりますので、ここの選択決断は重要です。

そしてこの後バルブシートカットとバルブフェイス加工に出します。バルブはN42ノーマルバルブとなります。

2021年6月13日

バルブシートとバルブのレーシング仕様カットに出していたヘッドが戻ってきましたので、ヘッド加工再開です。

シートカットはこんな感じで、バルブを奥に逃がすため2mmほど彫り込んでいることになります。こうしないとノーマルヘッドではバルブがピストンと干渉してしまいます。カットはレース用カットなので吸排気の効率を追求したカットとなりますので、これでバルブ逃げとバルブシートのチューニングが同時にできることになります。

 ピストンをチューニングピストンのバルブリセス付きに交換するとか、

 バルブをP90ヘッド用に交換すれば

バルブの追い込み加工はしなくても良いですが、どちらも費用がかさみます。

バルブの当たりはこんな感じです。

現状でのヘッド容積を測定します。測定はいろんな器具を試しました。例えばこんなもの。

ヘッドの上に穴あきガラス板を張って、そこに測定液を垂らしながら満杯になった時の測定液の入った量を調べます。今回は44ccとなりました。

 これはまだヘッド加工前の値なので参考値となります。ここからヘッド加工して、ヘッドメンケンして圧縮比が目的値に入るかどうか検討しながら作業を進めます。

  このヘッドはN42の2mmメンケン品なので、純正ノーマルが43ccを2mmメンケンで38ccぐらいになっているはずなんですが、バルブを2.5mm追い込んだ分で現在は44ccとなっています。

 

バルブを追い込んだ状態ではバルブの周りに段付きが有ってガス流動の効率が悪くなります。このままでも充分エンジン稼働はできるでしょうが対策します。

 

真上から見るとこのようです。


 

ガスの抵抗となりそうな部分を追加工してゆきます。アルゴン盛りだと削る量がけた違いに多くなり、基準となる燃焼室形状は完全に溶けてしまっているので新たに燃焼室を創成するということになりますが、純正のままの場合は抵抗になりそうな部分を削り取るだけなので全く手間が違います。

 

真上から見ると


マニフォールド形状、今回はセミチューンなので大まかにはここにはてを付けません。ここを加工するとするとまたもやけた違いに手間がかかってきます。

現在のエンジンの状態

付帯設備、キャブ類です。

インマニです。サンヨーの2階建て仕様、当時物だと思います。デルリンのコネクティングロッドが珍しいです。

 

エンジン分解前の状態

クラッチフライホイールは新品交換したばかりです。

クランクプーリーは3段仕様(オルタ・パワステ・クーラー)でS130世代以降でよく見られた仕様です。エンジンブロックはF54です。ヘッドはP90。プーリーの一番内側にギヤのような薄いプレートが付いていますがECCSの点火タイミング入力用のパーツで、その右側のステーには本来マグネットパルス検知用のセンサーが付いていますがこのエンジンでは交換されています。このタイプのエンジンはデスビがデカデスビになっていて遠心進角とかバキューム進角はコンピューターでコントロールするようになっていました。

これが交換されているディスビですがポイントがまだ残っていますが、その反対側にマグネットパルスを検知するセンサーが併設されてるフルトラシステムとなっていますが、このタイプは初めて見ました。

ヘッドはP90

このヘッドは燃焼室ボリュームが純正で54cc有り

チューニングするためには相当メンケンしないと圧縮圧力が出せません。アルゴン盛りするならあまり関係ないですけど。現在はあまりメンケンはしていないようです。

インレットポートはφ35になっていて純正のφ30より入り口側が拡大されていて、インテークマニフォールド径との段差が少なくなるよう拡大されています。ごく入り口側のみ加工でなだらかにしていて奥の方までは拡大はしていないですが、チューニングと言えば軽チューニングと言えると思います。

カムですが見ただけではわかりませんがノーマルより若干はスポーツ仕様かなという感じで、バリバリチューンカムでは無い感じです。

ロッカーアームはまだきれいな状態で、このまま使用できそうな感じです。これも買おうとするとすごく値段が高いです。

カムを外しました。

下側のヘッドがはぐったヘッドです。ヘッドに大きな損傷は見られず、形状はP90のノーマルです。

エンジン腰下です。今回はセミチューニングですので腰下はいじらない予定ですので、こちら側に大Kな損傷が有るとまずいのですが見たところ大きな損傷は有りません。

シリンダーボアはφ86のノーマルです。

シリンダー内壁にはまだクロスハッチが残っており、ピストンとのかじり傷も少しある程度で済んでいます。

クランク側です。セミチューンといえども正確なカムタイミングをセットするためにはエンジンフロントカバーを外す必要があり、フロントカバーを外すためにはオイルパンを外す必要があります。

 もう一つ今回はスペシャルメニューとして私の開発した 「L型エンジン用クランクラダー」こちら

を取り付ける予定でいます。 

オイルストレーナーに何か引っかかっていますが、プラスチックの何かでその正体はわかりませんでした。

クランクはL28のP3040純正となります。このエンジンはF54のL型2800ccのノーマルエンジンです。

また反転して、ピストンヘッドのお掃除をしますがヘッド上面のカーボンを掻き落とすとこれだけの量になります。

圧縮比を計算する為ピストンの突き出し高さを測りますが、このエンジンは0.5mmの突き出しとなります。

シリンダー上面ですが画像矢印のようなへこみが無数にできています。オイルストーンで磨いて修正できるようなものではない凹みとなります。なるべくならここはさらっとメンケン修正したいところですがそうするとフルチューンオーバーホールとなってしまうので今回はこのまま行きます。無理な運転をしなければ吹き抜けることは無いと思います。凹みはほんの僅かですし、ヘッドガスケットはメタルタイプで強化します。