71Bのケースの中身のポルシェシンクロ・ギヤ類を71Bの最終仕様のワーナーシンクロで組みなおすのがβバージョンで、特徴はシンプルで有る事と、もちろんプロペラシャフトがスプライン差し込みがベストですが、スプライン差し込みペラをお持ちでない場合はフランジ結合のままでも組める事。


2019年11月24日

71BコンパチB’ β16

 

240Zの方からミッション修理のご要望がありましたので対応します。240Zは年式にもよりますが71Bの240クロス ポルシェシンクロ フランジ結合ペラが通常のはずなので不思議だなと思いましたのでオーナー様にミッションの画像を送っていただきました。

 見てびっくりですが71A3分割ミッションでかなり古い時期のミッションですが、純正でこの仕様はなかったと思うのですが・・・・

 

 

そして71A3分割のミッションはフランジ結合、このようにした理由がなんとなくわかる様な気がします。

 

 高速主体の現代で40年前の71Aミッションではさぞかし走りにくいことでしょう。

いつものようにβバージョンの製作にかかります。

いきなりミッションアッシー状態ですが途中の画像をロストしてしまいました。

 βバージョンでシンクロは71B最後期ワーナーシングルシンクロ、スリーブは71系の中でもがっしりとしていて厚みがあります。シンクロキーはこの時点までこの字型の成型キーとコイルスプリングでできていてある意味高級な設計でした。

 71Cほどはギヤ歯厚は厚くないですが、71Aに比べたらすごく厚くなり耐久性と回転の滑らかさがあります。71cのようにカウンター前にチャタリング防止シザースギヤの追加はありませんが、シンプルとなっています。

ミッション精度

 

エンドプレイ 0.35 0.15 0.14 --- 0.05

バックラッシュ0.08 0.10 0.13 --- 0.13

 

良好です。

リヤの5速とバック側

5速は71Bのポルシェシンクロままとしてギヤ比をあまりハイギヤードにせず街乗りが楽にできるようにします。71Cの5速ワーナーにも変更できますがその場合ギヤ比が0.75又は0.83のハイギヤードとなりノーマルL24では一般道では5速走行がつらい場面が出ます。

 

 5速の裏にはオプションの5速裏スラストニードルベアリングを採用しておきますが、これは絶対にやった方が良いオプションです。

矢印がスラストニードルベアリングで通常71Bには存在しません。71Aや71Bで多い故障が5速裏が焼き付くというもので、またここがプレーンでスラスト受けると回転抵抗で右側の大きなメインシャフトロックナットが緩む原因になります。

シフトフォーク側は重い鋳鉄製からスマートで現代的・軽量アルミ製としてスライド部には銅系のスライドメタル付きとなります。

ミッションケースは特殊ブラストでまっさらにきれいにします。新品なみ。

完成してミッション回転試験機で試験してシフトや回転に異常が無いかチェックします。

ミッション取り付けに当たりフロアトンネルのシフトレバーゴムカバーが破損しているということでこれを準備しますが左のゴムカバー自体はまだ純正が出ますが、その固定ステーが製廃ですので製作しています。中央は仮の木型、その木型にボンデ鋼板をかぶせて周囲にフランジ立て成形をした状態が右端の画像。

 

中をくりぬいて色塗りして

 

この製作したステーをゴムのうえからかぶせて周囲4か所をタッピングスクリューでボディーに固定します。


今回はオーナー様の指示でクラッチフライホイール関係まですべて手を入れることにします。補修履歴がはっきり把握できていない個体ではミッションとともにこれらも手順でやってしまうのが賢明な策と思います。右側3個の段ボールがタートルリアルのL型クラッチキットタイプDで軽量フライホイールと強化クラッチカバーとプレートのセットです。クランクパイロットベアリングが小さくついています。左が強化ミッションマウントと強化デフマウント。中央部がクラッチレリーズベアリングセット、私の作っているハンドメイド5速シフトノブ、Z用純正シフトレバー、クラッチ強化ステンメッシュホース、強化クラッチレリーズフォーク(サービス)、ARP強化フライホイールボルト、シフトブーツ、フォークブーツ、Miyacoの箱がクラッチオペレートシリンダー3/4、下側黒いのがトンネルハウジングゴムカバーと製作したリテーナーとなります。ミッションクラッチ系で街乗り仕様でこれで必要十分の仕様となると思います。

さて、いよいよミッション載せ替えの日です。雪が心配された長野からはるばると来てくれました。

ざっくりと現状を初見してみますとマフラーが干渉、この後マフラー外して錆が酷く太鼓には穴が開いてきています。

マフラーに穴

マフラーの中間吊りゴムがもうボロボロです。切れる寸前の感じです。

フロントサスが逆はの字になっていますが、サスを車高調で落としているためでこれだとロールセンターが崩れるのでロールセンターアダプターで補正した方が良さそうです。

デフ回りもオイルと泥でひどいことになっていますがデフも3mmぐらいそんなのが堆積していて原形が見えないほどに。またオープンデフですので出来たらLSDを入れたいところです。LSDは通常走行でも操縦性がすごく安定するので取り付けたいパーツの一つです。

リヤサスロアアーム前ブシュが変な取り付けになっていますが、今はブシュ用意していないのでこのまま行きますが将来的にはちゃんとしたいところです。

フロントスタビブッシュ、要交換です。

なぜかプロペラシャフトのセンターだし段付きがつぶれておかしなことになっていますが、これだとフランジが密着していなかった可能性もありますので、ハンドワーク修正しておきます。

ミッションメンバーですがこの世代のメンバーはこのようにがっしりとリジッドで車体トンネルを固定していて、その中にミッションマウントがある設計となっていました。この後の世代ではミッションマウントは車体に対してゴムフロートマウントになって車体トンネルの補強をしなくなっていますが、振動防止優先の乗り心地重視の対策なのでしょう。

内部はこのように最後期のミッションマウントの卵のようなものが内部に設定されています。それにしてもこのがっしりとした厚みの車体メンバーを後期ボディーでは何であっさりと捨ててしまったのでしょう。

ミッションのケースにはオイル漏れがあったのか液体パッキンが盛大に塗られています。

ミッション外してクラッチ関係が見えてきました。

外したフライホイール

 

クランクシールからすこしオイル漏れが見られます。

 

オイルにじみなので液体シールを塗り込んでおきます。漏れが多い場合はクランクシールを交換します。


軽量フライホイール タイプDキット を取り付けていきます。固定ボルトはARPの強化ボルトでネジロック処理をしたのち、指定トルク18kg/mで締めこみます。

 

強化ディスク

 

強化プレッシャープレートカバー


 

今までついていたミッションマウント


 

71BコンパチB’ β16 取付完了です。

試走も終わり工場まで戻ってきました。

 

 

いろいろお話もした後、長野に戻っていきます240ZG。

 

日帰りミッション交換やいろいろ無事完結となりました。少し夕焼けになりつつある中を240ZGサウンドで豪快に走ってゆきます。