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240クロスのオーバーホールからコンパチ化改造まで

 71BコンパチB’ 240クロス はこちら

 ・240クロスを含めた71系ミッションの輪廻転生 記事はこちら

71Bのケースの中身のポルシェシンクロ・ギヤ類を71Bの最終仕様のワーナーシンクロで組みなおすのがβバージョンで、特徴はシンプルで有る事と、もちろんプロペラシャフトがスプライン差し込みがベストですが、スプライン差し込みペラをお持ちでない場合はフランジ結合のままでも組める事。

 

240クロスは全てポルシェシンクロですがこれをワーナー化するバージョンを開発 

71BコンパチB’ 240クロス プロペラシャフトはフランジでもスプラインでも製作が可能


2021年2月24日

71BコンパチB’ β21CROSS

 510ブルーバードでJCCA Sクラスレースに参加している方から戦闘力の有るクロスミッションの製作を依頼されました。

 510ブルで200馬力 Sレースでは改造内容がいろいろ制約が有るので戦闘力を持たせる最大の味方は軽量化です。なぜαやΩバージョンが有るのにβバージョンの選択かというところのおおきな意味がここにあると思います。

 ひたすら軽量化を目指して、あとはドライバーの技量に任せるということになります。

ドナーは全速ワーナーの薄歯(71Cと比較して)仕様です。

どちらかというと重量が大きい車用のおとなしいミッションです。

その最大の理由はメインインプットのギヤ比が21-32というギヤ比の低いタイプであることで、これではスポーツ車のミッションとは言えないワイドともいえるギヤ比で、この組み合わせだと1速が3.5から始まるローギヤッドとなります。

5速はこのミッションによくある24ー44のギヤ比でこれらの組み合わせだと5速は0.81となりこれまたワイド仕様です。

 

この後、このドナーミッションは全バラします。

 

組み付けに入ります。

軽量化のために今回はセンタープレートをアルミとします。よくある鉄製と比較して半分ぐらいの重さで、手で持った感じではもっと軽くかんじます。もちろんアルミと言ってもジェラルミンですから強度は十分、値段的にも高額だったはずです。ただアルミの弱点は衝撃に弱いことで強い衝撃でひび割れしたりすることが有りますので、300馬力以上の車には使いたくはないですね。

 

ギヤはカメアリクロスの71B用です。通常のシングルシンクロタイプ。歯厚が通常の71Bと同じ厚さなので71Cの厚歯に比べれば大きな軽量化が望めます。また当然シンクロはシングルでしかも大径では無いですからそこも軽量化に大きく効きます。

 

もちろんその裏側の弱点がある訳でギヤの強度が下がる、ギヤの振動が少し増す、シンクロの効きは71Cに比べれば弱いなどのことが有りますがそこはドライバーの技量でカバーです。

 

 

メインシャフトの2速受けスラスト面に少し擦り傷が有りますがここは手直しで直していきます。

 

メインインプットギヤ

左が今までの21-32

右が準備した22-31 ハイギヤードとなります。

よく見るとギヤ厚が少し厚く、実際2mm厚いです。

ここは最も負荷の多いギヤですから厚い方が良さそうです。

 

と考えて組んでいったのですが組みあがって試験機の段階でこの組み合わせではだめなことが発覚しまして、再度薄歯(71Bの普通歯)のメインインプットを探し出して組みなおしました。私は71Bのドナーパーツはたくさん持っているので何とかなりました。

1-4速までクロス組で組み付け

5速は絶対に0.86の指示ですのでいろいろ模索したのですが最もオーソドックスな71Bポルシェで行くことに決定しました。上列がポルシェ

もちろんギヤだけでなくハブ、スリーブ、シフトフォークまですべてポルシェに組み替える必要があります。実は私は240クロスも含む大量のポルシェ組のストックを持っています。

別の方法としてシンクロ抜き替えでこのままワーナーのままで0.86が作れそうですが今回は見送りました。

0.83で良ければ5-B関係をすべて71Cに入れ替えてしまえば、ワーナー厚歯の5速化が可能で、これは何例もやっています。

 

これはもう私の定番、「5速裏スラスト」です。

その効果は言うまでもないですね。

M38もこれまた私の定番サイドロックボルトで完全固定。

それにしても5速0.86はギヤ山が大きいな。

5速カウンターのエンドベアリングはこのニードルベアリングに変更してゆきます。カウンターの後端軸がたわんでぶれて折損するのを防ぐ効果が有ります。実際、カウンター後端軸はセンタープレートの直後で輪切状に折れているのを何例か見ました。細かく観察するとカウンター軸のセンタープレート部分は軸径や形状が年代ごとに微妙に設計変更されていることが分かります。

ギヤ組が完成

ギヤ精度

 

 1ST  2ND  3RD   5TH

エンドプレー

0.35 0.20 0.21ーーー0.05

バックラッシュ

0.08 0.12 0.12ーーー0.10

良い値です。

  

シフトブロックの中にあるオイルシールはこのタイプはリップシールとなっています。このシールはスライド部分のシールは不得意で、漏れやすいです。

 

この金属冠+オーリングタイプのオイルシールに変更してゆきます。左右のシフトロッドガイドが小さなベアリング入りで有ることが分かります。中期までの71Bはここがただの金属突起となっています。


矢印右上

イーザ方式クイックシフト用レバー支点を追加工。この支点を利用して小判式シフトレバーを加工すると簡単にクイックシフトができます。

 

参考記事こちら

 

左側矢印

スピードギヤが不要とのことでケーブル取り出し部は蓋をしています。内部の重い金属ギヤも取り外しています。レーサーはやはりスピードメーターは見ないようです。

 

矢印右中

このタイプのミッションにある公害対策センサーは取り外して蓋をしています。

 

矢印右下

エアブリーザーはホースタイプが希望でしたのでこの金属の取り付けパーツに交換してこの後ホースを取り付けます。こうすると高回転でミッションオイルが吹きだすのを防げます。

フロントカバーは軽量化のためにアルミ製を使います。クラッチレリーズフォークのピボットは左側のニスモタイプではない純正パーツの強化仕様に交換していきます。(右が今までついていた普通のピボット)

 

再度回転試験機に載せて試験しています。

負荷抵抗が少なく良い状態です。

シフトは71Cのダブルシンクロに比べればだいぶシフトが重いですが、ヒールアンドトーでうまく回転合わせれば全く問題なくシフトできると思います。

 

完成です。

 

重量ですが実測

36kGでした。

4~5kg軽量化できたことになります。


2021年3月13日

71BコンパチB’ β22 240クロスーワーナー

 L型エンジン用71Bミッションの中で、240Zに採用されていたミッションは240クロスと言われていて、これはどのL型エンジンにも利用できるので人気が有ります。しかしやはりこの時代の物なので100%(私の知る限り)ポルシェシンクロとなります。ポルシェシンクロはその扱いや、寿命、メンテナンスが難しいので240クロスはそこがつらいのですが、しかしそれをワーナーシンクロにすればこれは今現在手に入るクロスミッションの中で最も街乗りに適していてしかもクロスギヤであるという楽しいミッションになることでしょう。

 それぞれの1速のギヤ比を比較すると

純正4S      3.6

純正5S      3.3

240クロス    2.9

OSクロス     2.7

亀有クロス     2.4

(4S以外、すべて1時減速を22-31としての計算)

となりますので、240クロスが如何に使いやすいかお分かりと思います。

 そこで今回はこの240クロスをワーナー化する作戦で進めます。

今回は素材支給なので、素材の状態から把握してゆきます。全速ポルシェでしかもシンクロは相当摩耗しています。

メインインプット

ダメレベルです。

3速 完全にダメ

1速も同じ感じ

  

240クロスのカウンターギヤ ほとんどのクロスギヤにも言える事ですがこのカウンターギヤは組み換えが出来ないので、これでクロスレシオが決まってしまいます。

ここにVのような刻印が有ります。


いきなりですが今までのギヤをすべてワーナー化して準備した状態です。

5速もワーナーですが、ギヤ比は

0.86スペシャル、 0.83 0.75

からの選択になります。

フロント側を組み付け

リヤ側も組み付け。

5速は0.83とするため純正新品を使用してこのような構成となります。5速ワーナー化して、5速裏スラスト・M38サイドロックはお約束です。

ギヤ精度

 1ST  2ND  3RD    5TH

エンドプレイ

0.33 0.12 0.22ーーー0.20

バックラッシュ

0.12 0.20 0.10ーーー0.10

 

2速のバックラッシュが大きめですが問題の無い値と思います。

シフトフォーク組も240クロスとはだいぶかけ離れたものとなります。

シフトブロック

ここにあるオイルシールが真四角になって固まっています。交換。

シフトブロックの中のオイルシールは取り付けられていませんでした。ここも修復します。

71BコンパチB’ β22ーw240クロス

完成です。1速から5速まですべてワーナーシンクロです。