2018年4月15日
71BコンパチC α68
今回はメインシャフトは日産純正新品
メインインプット 左下のニッサン箱新品
これはメインインプットギヤとカウンターギヤ(4速)セットで新品となります。
右下のBシンキットと書いてある箱はバックがシンクロ付となるセットです。
私は最近はだんだんとこのように機能毎にセットして在庫するようにしてきており、この方がお客様の要望の組み合わせがやりやすいからです。
1-2速の部品
左上の2速ギヤはダブルシンクロでシンクロ舳先の様子が1速とは異なることがよくわかります。
インプットシャフトギヤはこのようにまっさらの新品です。カウンターギヤも新品。ここは1次減速となり常に回転トルクを受けるギヤですので重要です。(他のギヤは常時回転しているがトルクを受けるのはシフトが入ったギヤだけです)
ギヤ部が完成です。
1速 大径シングルシンクロ
2速3速 大径ダブルシンクロ
メイン 大径シングル (Ωverならダブルも可)
5速 シングルシンクロワーナー
バック シングルシンクロワーナー付
メインシャフト純正新品
メインインプット純正新品
3-4速シフトフォーク純正新品
ギヤ精度
1ST 2ND 3RD 5TH
エンドプレイ 0.14 0.18 0.21 --- 0.10
バックラッシュ0.17 0.15 0.07 --- 0.10
完成いたしました。回転試験をしています。
シフトレバーを取り付けるところ(私的にはウサギの耳)には支点穴を一か所追加していますが、お使いになるシフトレバーの支点から作用点ブッシュ中心までの距離が42mmの場合は必ず上側の支点穴を使ってください。38mmの時は下側の支点穴を使います。
2018年5月31日
71BコンパチC α69
滋賀のレーシングをメインに扱っているお客様からご依頼をいただきましたαバージョン。メインシャフトとメインインプット、カウンターギヤともに純正新品で作ります。
1-2速ですがいつものとおりのやり方です。
今回は5速のギヤ比にこだわるレーシング仕様ですので0.83のギヤ比を指定されました。なかなか手に入らないギヤで画像で左が0.83用の22T
右が0.75用の21T 数えてみてください。またこれと組み合わせるカウンターギヤもそれぞれ歯数が異なります。
ここまでくればギヤ部はほぼ完成です。
バックにもシンクロが付くタイプですのでバック操作は必ず車が停止してからやりましょう。
ギヤ精度
1ST 2ND 3RD 5TH
エンドプレイ 0.40 0.15 0.18 --- 0.03
バックラッシュ0.13 0.22 0.32 --- 0.04
3RDのバックラッシュが少し多めですがOKと思います。
2018年7月24日
71BコンパチC α70
とうとう私がミッションを手掛けるきっかけとなった最初の開発ミッションバージョン α が70基目の節目を迎えました。港区のS31オーナーKさんから依頼されました。
基礎となる71B一式を支給されてのご依頼ですので作業がやりやすいです。
一番暑い季節ではありますが工房にバッタもんの工場用クーラーをいれたので涼しく作業ができます。ありがたいです。
組み付けについていつものように進めていきます。
バックギヤにシンクロが付くバックシンクロタイプです。カウンター前にはアイドリング時チャタリング音軽減シザースギヤ(サブギヤ)
ギヤは厚歯で回転伝達が滑らかになり対摩耗性も向上
ボールベアリングは金属粉を跳ね返すセミシールド
シフトフォークはアルミ製で軽量化された巨大な断面強度+銅合金チップ
2,3速は大径ダブルシンクロ
M38サイドロックボルト
1速 3.3から始まるスポーツ志向のギヤ比
5速は高速道路での静粛性と燃費向上に貢献する0.75ギヤ比
ギヤ精度
1ST 2ND 3RD 5TH
EP0.38 0.15 0.22ーーー0.13
BR0.09 0.06 0.10---0.07
バックラッシュが気持ちよく揃いました。
シフトフォーク側から
1-2速シフトロッドはシフトの誤作動を防ぐφ16強化仕様(通常はφ14)
今回より識別刻印のロゴを画像のように変更しました。
今後、ミッションのロゴは全てこれに統一します。
完成です。
2018年10月16日
71BコンパチC α71
三重県からオーダーいただきましたαバージョンを作ります。
いろいろ準備しています。
メインシャフトは新品使用します。
内部のコンパチ部分のギヤ組み付けが完成しました。
精度測定をしています。
EP0.35 0.13 0.21 -- 0.22
BR0.18 0.24 0.24 -- 0.12
良い値になりました。
完成です。ブラストをかけていますのでケース外観は新品のようにきれいになっています。
2018年11月13日
71BコンパチC α72
静岡市内からご来訪いただいてこのαタイプをS30Z用に造ることになりました。
ギヤ部分が組みあがりました。
1ST 2ND 3RD 5TH
EP 0.33 0.15 0.25---0.18
BR 0.10 0.10 0.09---0.07
良い値です。
5THはハイギヤード高速型の0.75で組みました。バックにバックシンクロが付くタイプです。
チャタリング防止シザースギヤ付
メインシャフト・シンクロ・ベアリングはニードルも含めて全て新品。M38ナットサイドロック加工
シフトフォーク類を取り付けました。
71Cはこのようにがっしりとしたアルミ製でスリーブとの摺動部にはメタルが埋め込まれています。
ケースに組んで回転シフト試験中です。
問題ありません。
今回はフランジタイププロペラシャフトからの乗せ換えということで、S30Z用プロペラシャフトもセットで準備しました。
αバージョンはプロペラシャフトがスプラインタイプでないと成り立ちません。
プロペラシャフトをフランジタイプのままでという場合はβバージョンでの選択となります。
2019年4月27日
71BコンパチC α73
一番最初に造った仕様で有り製作方法も安定してきたαバージョンのご依頼を、これまた御ひいきにしていただいてほとんど定期的に発注してくださるショップさんからのご注文です。
今回はコアとなる71Bミッションを御支給いただきましたがリヤエクステをフランジからスプラインに変更してほしいというご依頼です。
メインシャフトは純正新品
1-2速組み立て
71Cはこの時点ですでにがっしりしていて強度がありそうな感じを受けます。
3速はもちろん大径ダブルシンクロ
メインインプットを組み付けました。
メインインプットは下側のカウンターの4速=一次減速ギヤを打ち込みつつシンクロリングが脱落しないように保持しながら支えていなければいけません。いろいろなやり方があると思いますが、私はこの状態で治具を工夫して打ち込んでいますが、ベアリングにストレスがかからないように常に打ち込み内輪で裏受けするように治具を工夫しています。
5速ーバック側の組み付けに入ります。
バックにシンクロが付くバックシンクロタイプです。
5速ギヤ比はいろいろ選択できますが、通常71Cは0.75となりますのでハイギヤードとなります。
5速でもトルクフルに加速したいという場合は0.83ギヤ比とできますがオプション設定となります。今回もこのオプション新品の0.83ギヤで組みます。
バックシンクロのスリーブも使い方が激しいと舳先が坊主になってしまっているものもありますので今回のこの左側スリーブでは坊主がひどすぎると判断して右側の新品スリーブでリプレイスしました。
新品の0.83ギヤ比ギヤセット
5速はこのセット交換が指定されていてどちらか片方だけ他のものにすることができません。4速=一次減速メインインプットも同じセット交換指定ですが、この2セットのギヤは各ギヤのバックラッシュに大きく影響するようです。
ギヤ部分の組み立て完了
1ST 2ND 3RD 5TH
EP0.37 0.12 0.26---0.22
BR0.10 0.22 0.10---0.17
良い値だと思います。
完成して回転試験に入っています。
71BコンパチC αバージョン 5速0.83オプション バックシンクロ バックチェック付き
スプライン差し込みリヤエクステンション
回転試験で全シフト、回転振動など問題はありません。