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71BコンパチC 各バージョンの詳細については こちら をご覧ください。

 

2021年4月29日

71BコンパチC α78クロス

 DR30オーナーの方からミッションクロス化を依頼されました。DR30とL型はミッションフロントケースが異なるだけで中身は共通ですので機種が異なってもミッション組としては全く同じです。同様のことはもっと後の世代のS13、S14にも同じことが言えるのですがこれらの71系についてはすべて私はその構造、技術を網羅していますので問題ありません。

いつものように1速2速側から組み立てに入ります。クロスギヤはカメアリ3速クロスを使います。それ以外にも71系のギヤ、例えばOS技研クロス、かつてはルート6など有りましたがこれらも使うことが可能です。

フロント側を一気に組み上げます。今回は通常のαバージョンですので4速メインインプットは純正の71C(71Cにも種類が有りますのでドナー準備時は注意が必要です)を使います。このタイプにはカウンター前にアイドリング時チャタリング防止シザースギヤ(サブギヤ)が装置されていることが特徴です。

リヤ側 5速-バックも組みました。

リンクタイプです。R32と同じ機構となります。

 

ギヤ精度

 1ST  2ND  3RD    5TH

エンドプレイ

0.28 0.20 0.22ーーー0.21

バックラッシュ

0.17 0.16 0.19ーーー0.12

値が平均していて良い傾向です。

全体的にしっかり感が出ています。

 

 

 

 

 

シフトフォーク系

これもR32と同じ仕様となります。

今回はDRケースに組んで回転試験して製作完了です。今回もケースブラストしたので新品のようにきれいになりました。

上から見るとこんな感じです。

71BコンパチC α79 は欠番となります。


2021年8月21日

71BコンパチC α80 カメアリクロス

 

 今回はカメアリクロスでスポーティーな仕様です。

しかもオーナー様のご希望ですこしレアなチューニングを施します。

 αバージョンは71Bの中身を71Cにするものですので、クロスギヤはR32用2速3速ダブルシンクロを使います。そうすると1速が2.4から始まるクロスギヤ選択1択となります。 対して71Bのクロスは2.7からと2.4からの2種類が可能でカタログ上もそのようになっています。

 純正は3.3から始まるギヤレシオが普通で、240クロスが3.0から始まるギヤレシオですので2.4はかなりかけ離れている完全スポーツ仕様ですが、一般街乗りで全く不自由は無いかというともちろんそれなりに無理が出る場面もあります。実際2.4クロスで街中のスタートダッシュで回転がのりきるまでもたついて遅れを取るなどのフラストレーションもあります。よくある脇道の接続道のすごい坂道からの坂道発進なども恐怖です。

 今回はこれを71Cでも2.7からはじまるクロスギヤ組でコンパチ化するということになります。

パーツ準備していますが、上からカメアリクロス・71C純正新品メインシャフト・71Cメインインプット

その他シンクロやベアリング、画像に入りきれないものももちろんたくさん準備しています。

 

例えばシフトの度にシンクロ・舳先と作用するスリーブは扱いの良し悪しで痛みに差がでます。シフトミスしてジャリンツとしたときはこのパーツが変形しているときです。あまりスリーブの痛みがひどい場合は新品や程度の良い中古を選別して交換して行きます。

この辺の詳細は シンクロ研究会 こちら

今回の肝となるメインインプット 歯数が21-32

となりしかも厚歯でしかも大径シンクロ、実はこれは純正では存在しない仕様となります。

 メインインプットの内側にはメインシャフトと橋渡しとなるつなぎ部分が必ずありますがこのメインインプットはそこに使われているベアリングが大きいタイプが使われています。下左側がその大径ニードルベアリング、右が一般的に使われているニードルベアリングでニードルの太さがだいぶ違います。これによってインプットとメインシャフトのつなぎ部の剛性を強くしている=ギヤが撓まない、逃げない 仕様と言えると思います。

フロント側 カメアリクロスで組んでいますが、カメアリクロスは最初から表面潤滑化学処理をしてありますので色が真っ黒です。この中でギヤ類は全て新品シャフトもベアリングもメインインプットも新品、つまり90%が新品です。

リヤ側を組んでいきます。

ここも消耗の出やすいバックメインギヤとシンクロスリーブは新品で交換です。仕様としてはバックにもシンクロが付くバックシンクロタイプとなります。

 

さて、5速のギヤ比ですがもっとも一般的な71Cの場合5速ギヤ比は0.75(71B純正は0.86)となり、かなりハイギヤードとなっていてこれはパワーの上がってきたR32やシルビアSRターボなどで高速を快適に走るために設定された仕様と思います。

 これを旧車に使う場合0.75の場合はL3.0以上のトルクの有るエンジンが望ましく、そうでない場合は一般道やちょっとした坂道で5速巡行が苦しくなります。つまり5速4速のチェンジをこまめにやる状況が出てきます。私はここを改善する為71Cで0.83のギヤ比を選択できるように5速ギヤ比オプション設定しています。(0.86も奥の手で選択できます)

ところで、今回の場合はどうなるかというとオーナー様のご希望でオプションを使って0.82という5速ギヤ比を設定しました。(今回の仕様では0.83でなく0.82となります)

 

ギヤ部が組み終わって精度確認をします。

フロント側に見える四角い板は私の作った特製精度測定治具で、これを使うことで実際にミッションケースに組んだ状態を再現してより現実的な精度確認ができます。この特工は純正の整備解説書にも記載は有りませんよ。

ギヤ精度

 1ST  2ND  3RD      5TH

エンドプレイ

0.27 0.20 0.27 ーーー 0.23

バックラッシュ

0.14 0.12 0.13 ーーー 0.15

すごく値が安定していて良い値です。ほとんどが新品部品ですので当然と言えば当然ですが。

ミッションケースに組みました。

ケースはウェットブラストをかけていますので新品の輝きです。ケースとしてはS130タイプの小判付き(バックチェック機構)

ミッション回転試験機イーザナライザーへ取り付けて検査してゆきます。

シフトレバーについてはクイック式に改造しています。黒い部分の通称「ウサギの耳」の純正のシフトレバー支点穴(下側)の上部に追加で支点穴を加工します。この加工はストライキングロッドをリヤエクステから分離することが必要なので先ずその作業ができるスキルが必要で、さらにシフトブロックへの支点加工時の保持治具も必要となります。まさかハンドドリルで丸ごとの状態で 手持ちドリル加工するのはとても無理ですから。シフトレバーそのものもS30Zと同じものをクイック仕様に改造しています。作り方はこちらで説明しています。

今や貴重なS30Zの純正シフトレバーを探し出してきて根元でカットして71C系の小判型のシフトレバーの下側を切り出してそれらを中間につなぎノック加工した後に溶接で固めます。この後小判型のプラスチックブッシュ(これはまだ純正がザクザク出ます)を上下逆に取り付けることで支点がずれるのでその分だけクイックになります。