左が外したエンジンマウントですがゴムの剥離が見られます。右のは強化エンジンマウンティングです。

そしてデフマウントも交換


右側が強化タイプですが、ゴムの大きさがかなり大きくなっています。S30のこのマウントは切れている場合が多く、強度不足だったようです。これがきれると強発進の時に後ろの方でドンと音が出るようになります。

ステアリングラックインシュレーター交換


これもボロボロですが、このようになるとラック自体が左右に動きハンドルの遊びが多いように感じられます。これを治さないでラック遊び調整しても遊びは治らない事になります。

そしてハンドル周りではこのステアリングインシュレーターもあいまいなゴム部品になります。本来はステアリングへのキックバックを軽減するためのものですが、砂利道なんかなくなった現代では無用のパーツかもしれません。


これもウレタンに交換します。

もうほとんどのブッシュがウレタンに変わりました。

そしてリヤドラムブレーキはこのように極限まで使いこまれています。ホイールシリンダー周りは奇麗な状態なので、資源を大切に使っているということでしょうか。

残り1.5mmというとこです。


もちろん交換 ○メアリ強化タイプへ


新品にするときはブレーキピストンの遊び調整ネジをいっぱい戻しておかないとドラムが入りません。

ドラム付けたら側面のサービスホールからマイナスドライバーの様なものでラッチをカチカチと回して遊びを詰めていきます。有る程度詰めたら後はハンドブレーキを引いたときに自動調整となりますね。

フロントはMK63ですがパッド厚は一応ありますが、中身はどうでしょう。左右のピストンの出方がちぐはぐ(画像右側の方が出方が1cmほど少ない)ですがなぜ?ベンチ用?

ピストンですがあまりひどい錆びでは無いですが、やはり交換した方が良いですね。8個ともにすべてこんな感じで虫食い錆びがあります。

パッドは経年劣化するのでこれに交換です。

 

ピストンはまだ入手可能です。

 

ピストンシールやダストカバーはピットワークで買えます。

 

そして、ダストブーツリテーナーは私が作って売ってます。

 

ですので全部そろいます。


皆さんはこのピストンを抜くときどうやっていますか?エアー圧でやると4個とも抜けてきてどれか一つが抜けるとエアー圧が抜けあとの3個は抜け残ってしまします。私はシャコ万力3個使って3個のピストンを止めておいてからエアー圧掛けます。そして1個リペアしたらまたピストン入れてシャコ万で固定して順繰りにやって行きます。

それで交換したんですが、ブレーキペダルの遊びがちっとも適正になりません。3度踏みくらいしないと踏力がでません。

最初はエアーが影響してると思って通常のエアブリーダーから以外にブレーキマスターから順を追って配管の繋ぎ全部確認してエアー抜きしたのですが駄目です。丸一日くらい悩んだんですが、なんとか解決できました。


原因はエアー噛みでは無かったです。今回ブレーキピストンもシールも交換したのですがあまりにも精度が良すぎて?ピストンの動きが渋かった様です。ブレーキペダルを目いっぱい踏んでいるときでもローターが回ってしまいます。またパッドを手で確認するとローターとの隙間が0,5mmくらいもあります。どうもシールとピストンが張りつきぎみのようです。添付のブレーキ用グリースを使ったのですがそれが良くなかったのかもしれません。シール面とピストン面にはブレーキオイル塗るべきでした。結局もう一度分解して修整出来ました。最終的にはパッドを付けない状態で4コ全部のピストンがスムーズに動くかそれぞれを押して見て確認することが必要条件でした。



後この画像で気づくことはブレーキのバックプレートが有りません。最初からなかったのですが、見た目すっきりしていていいですが機能的にはどうだったけかな。純正のバックプレートはMK63の場合追加工しないと付かないのですが、それが原因で外してしまったのかな?




サスは前後共にフルタップ車高調で、この部分だけが妙に最新アイテムになっています。そしてリヤのスプリングですがこのように2cmあまり遊びができてしまっています。

 

取り付けた人は単なる車高調と間違えて調整しなかったのかなと思って簡単に直ると思っていました。

サスアーム側のロックリング緩めて筒をねじ込む方向へ動かせば2cmは簡単に短くなるはずで、それがフルタップの利点です。ところがこの車のフルタップは2cmどころか5mmも入らないで胴付いてしまいます。筒がもともと長すぎる様です。おそらくS31用のを使ったのではと推測しますが何とも分かりません。或いは低くできる限界を越えているのかもしれません。判らないのでこのまま行くしかありません。ちゃんとする場合は車高を2cm上げれば見掛け上遊びは無くなります。


車高調を生かすにはフルタップ筒を短かくすればいいですが自分が付けたのではないので内部構造が不明で強度などの面のところが判断できません。

前期型のs30zはほとんどがウインカーの入りが渋くなっています。場合によっては点くには点くが手で押さえていないとレバーが戻ってしまうという場合があります。これは説明が難しいですがウインカーのキャンセラー(画像一番手前)の機構の細いピンが裏側に出ているのですが時間の経過で何回もウインカー操作力を受けそれが曲がってくるためです。


解決策はそのピンの動く範囲のガイド穴ストッパー部を少し余分に削ってあげることです。画像でも少し見えていますが、私はエンドミルフライスで加工しますが、手やすりでもできる所です。

この部分ですが、時計は3針ストップウォッチ付時計ですが動いていません。オシレーターは有りましたが止まったままです。

グローブボックスは蓋は有るのですが、中の箱が無くて蓋をあけるといきなり配管配線ファンが現れます。なんかビルの天井裏見たようですね。

まだまだ行きます。


こんなプラスチックシートを準備します。

結構弾力のある、表面にはシボ模様の様なものが有るこのシート。有るものにぴったりの材質です。


適度な弾力があるこの樹脂シートは折り曲げが可能で、しかも割れないので適した材料です。

このように組み立てて各部をブラインドリベットで固定してゆきます。取り付けネジも純正と同じ位置ですのでダッシュ側の追加工は不要です。

箱はグローブボックスの中に、また時計は稼働状態で再度復元取り付けます。

 

私は時計の修復もやるので有る程度在庫を持っています。詳細はこちら。そこで現品を修理するとすごく時間がかかるので日差1分以内に調整した整備済み品とリプレイスしてゆきます。

そして次はこれ。


ドアロックがなぜか左右ともに出来ない状態でした。ロックノブでもキーでもどちらも出来なかったです。


ドア内張りを外すとなぜか赤い塗料が有ります。不明


ドアロックノブの作動不良とキーでのロック不良は原因が異なります。ロックノブはドアが完全にしまっていないとロックできませんので、ドアロックストライカの調整不足でした。ハンドア状態だったみたいです。


それを治してもでもキーの方は回しても空振り状態でだめです。

原因は前にもやったことが有るのですぐに分かりましたが、キーシリンダーの回転爪が摩耗してしまう為で、私はこれを180度反対側へ創生し直します。新しいキーシリンダー買った方が良いですが、このほうがお金がかかんないしキーもそのままいけるのでキー本数が3本にならずに済みます。(実際は手間をかけるならキーシリンダーの中の3枚、4枚だったかな入っているロジックプレートを入れ替えることでキーを共通化出来ます)

さあ、今までの普通の車だったらば当然何ともないところを修復する地味な作業がなんとか一通り完了して、やっと詰めの作業部分にたどり着きました。


エンジンはレストアしてあるということで外観は奇麗な状態ですが・・・・。


なんとなくパワーが無い感じを受けます。




手始めにプラグ見てみようかと外してみたら、なんとBP6ESが付いています。この誇り高きレーシングレプリカエンジンに6番は無いでしょう。標準指定は7番だし、ちょっといじれば8番やレーシングプラグ使う場合も有ります。


使い勝手や車検などの都合でこうしているのでしょうか。

この車、ほかのZ432などよりずっとかぶりやすい感じです。


とにかくプラグはBP7EXのイリジウムプラグに交換します。


 


















そしてジェット

    

    このZ     標準指定

メイン 160番    135番

エアー 220番    180番

アイドル 55番     55番

ポンプ  45番

 

となっていましたがメイン160番はどうしたわけでしょう?2800ccクラスが使うくらい大きくないですか。

 

燃料油面高さを測ったら18mmとなっていましたが、これも21mmが正規のはずなんだけど。

 

アイドルミクスチャーアジャストスクリュー戻し回転数 3回転半!?

 

 

 

つまり全てが標準からかけ離れているということになりますが、

なんでこのようなセッティングなんでしょう?

 

    

プラグの状態左1番から順次気筒ですが、 全気筒バラバラで特に3番が変な堆積物が有り、5番だけが真っ黒な煤状態です。

わけわからん


先ずはジェット調整に入りますが凄く試行錯誤が必要です。そんなときに強い味方となってくれるのがこれらの工具です。


中央4本は私の自作考案オリジナル商品で販売のページヤフオクで扱っています。


左からジェットホルダードライバー

メイン&エアージェットドライバー

アイドルジェットドライバー

ジェットホルダー固定具

(ニックネーム ジェットスタンパ)

となります。右端は油面ゲージ

左端はプラグレンチ


ビジェット用フルキット

モノジェット用フルキット

ウェーバー用フルキット


が準備できます。

 

例えば、この隅にあるアイドルジェットは通常のドライバーでは周りの壁にドライバーがこすれてしまいますが、これらの専用ドライバーにはずれ止めの工夫が有るのでずれません。


さて、ジェットですが私は自分のS30Zには空燃比計(A/F計)を取り付けて濃淡を判断しています。その場合はいちいちプラグ外してみたりしなくても時間かけずにセット出来ます。慣れてくるとアイドルミクスチャー調整まで取れるようになります。キャブ車にも凄く利用価値のある計器です。

 

でも今回はA/Fは取り付け出来ないのでジェット交換して走ってプラグ見ての繰り返しとなります。

結果的にはメイン#150 エアー#180 アイドル#57.5で落ち着きました。高回転での立ち上がりが鋭くなったと思います。メイン#140も試しましたが、安全みて150としました。


そして同調を取るのですが、S20エンジンの弱点の一つがこのリンケージだと思います。この軸受のブッシュが摩耗してしまいますのでガタガタになります。

 

根本的に直すには軸受を直す必要が有りますが、形状が難しくなかなか部品も有りません。スカイツリーに棲む快人Z432面相でもご紹介したようにここをピローベアリングに交換している方もいます。

 

でもそこまで出来ない場合は調整に工夫が必要です。ここを静止状態で同調合わせると実際の動きは1番2番が遅く、5番6番が早い開きタイミングになります。かなりの差(2mmくらい)となりますがこのZ432もやはりその様になっていました。

 で、どうするかと言うと私はアクセルリンケージに負荷を掛けた状態で同期するようにします。ま、普通みなさんそうしていると思いますが・・・・。

 

 

 

最終的にここで落ち着きました。

左から順次1番から6番まで


このエンジンのプラグは中心電極とネジ部の焼け具合が極端に違います。s20エンジンはこういう傾向何でしょうか?

それともこの個体特有なのでしょうか?s20エンジンに詳しい方情報いただければ幸いです。


なんとか完成しました。


日中と夜間

 

朝と夜に分けて何回か始動と試走を繰り返します。

 

ミッションははもちろん変速に問題は有りませんが、4速がすこし重い感じです。ポルシェは最初は固い傾向が有りますので少し様子を見なければなりません。



加速は鋭くカーンという感じで回転があっという間に上がり、やはりL型とは異なるフィーリング、素晴らしいです。ひょっとするとカムか圧縮、或いは排気量などいじってあるかもしれないという迫力が感じられます。


   


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