71BコンパチC エクストリウムバージョン 2013年6月6日
2013年6月5日
71BコンパチCミッションですが、外観71Bで中身は71Cとしてゆきますがやり方としては今までとほぼ同じですが、毎回少しずつ進化?していますので、細部が異なります。
これはバックにシンクロが付く71Cとしても最進化型の機構のものです。
今回の特筆は究極のこれです。
・全ボールベアリング・ニードルベアリング・スラストベアリング全とっかえ。これまでは、ニードルベアリングは負荷が少ないので流用としていた。しかし、使う71Cミッションは中古なので使用履歴によってはダメージを受けている場合もありうるので、無駄になっても仕方ないが無条件交換しています。(実際には目視・回転感触どちらも中古でも問題なさそうでしたが。)
・1速から5速までの全シンクロリングを交換。これも今まではシンクロ残量が規定値中央値を超えていなければ流用していましたが、ベアリングと同じ理由で交換です。2-3速のダブルシンクロはまだまだ問題ないけど贅沢に交換です。
もちろん一番消耗するメインシャフトやカウンターシャフトの軸受けボールべアリングはいつもどうり すべて半密閉シールドの特殊クリアランス品に全とっかえです。
もうこれ以外で残るのは各ギヤやシャフトだけですが、こちらも目視や測定で問題ないことをチェックして、少しでも怪しければ他のものと交換していきます。
左が2速とシンクロ・二ドルベアリング
右が1速ギヤとシンクロとニードルベアリング
上に見えているのはメインシャフトです
これは3速とシンクロおよびニードルベアリングです
これは4速 インプットシャフトです。内臓ニードルベアリングが通常とはことなり、太いタイプが使われています。シンクロも新品に交換。
5速です。シンクロを交換します。ニードルベアリングは細いものを2列で使います。当初は幅広の1列でしたが、耐久性アップの為にこの幅狭2列に設計変更になったようです。これとは別に幅広で180度2分割と言うものもありますが、そちらは整備性アップのためでしょうか。
組み付け前にこのようにしてインプットシャフト・メインシャフト・カウンターシャフトに曲がりが出ていないかチェックしていきます。0.03以内で判定しています。
さあ、フロントリヤともにギヤ類は組み付け終了です。
消耗品類はほとんどすべて新品ですから、なんかシャキッと見えます。
まわした感触も心なしか滑らかな感触・・・・
もう一度71Cの大まかな特色を挙げると
・全ギヤーの歯厚が3mmほど厚く耐久性向上
・2-3速がダブルコーンシンクロ(もちろんワーナーシンクロ)
・1速 4速のシンクロ径の拡大(もちろんワーナーシンクロ)
・1-2速・3-4速のシフトフォークの強度アップ
・1-2速シフトロッドの径がφ14→φ16へ強化
・カウンター先端にギヤフラップ音消しシザースギヤ追加
・バックギヤにシンクロ機構追加
・ストライキングロッド径φ14→φ16へ強化
・2速 5速 ギヤ比がハイギヤード化
最終チェック測定値
バックラッシュ エンドプレイ シンクロ残量
1速 0.07 0.30 全NEWなので目視のみ
2速 0.02 0.12
3速 0.05 0.25
4速 0.07 ----
5速 0.10 0.15
すべてベストの状態です。
この71BコンパチCギヤASSYを71Bのケースに組み込んでいきます。
この組み立ては、いろいろ工夫しないとコンパチブルには出来ません。
どこをどうするかは使うミッションが千差万別なので臨機応変的にやらねばなりませんが、絶対に押さえなければならないポイントがありまして、これを試行錯誤の上やっと把握できました。
そこを外すと、コンパチ化は破綻します。
そして最近は必ずやっているようにミッション簡易試験機e-zanaraizerに取り付けて、ミッションオイルをいれ、500rpmで5速に入れて1時間稼動します。そのときの音・振動・温度変化を調べていきますが、今回の温度上昇量は 8度でした。
1速からバックまで回転中にギヤチェンジしてみますと、問題なくシフトできますが、動きがまだまろやかさが少ない感触ですが、シンクロがすべて新品なのでそのようなのだと思います。
完成です 。
この画像だけ見ると71Bとしか見えませんが、中身はあの71Cです。
クラッチもミッションマウントもシフトレバーも完全コンパチブルです。
この状態で中身が71Cであることは2速と5速のギヤ比が異なることでしか類推できません。
また重さが少しちがうとは思います。