ME-5 L型魔界エンジン #5

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1) シリンダーブロック加工

 2)シリンダーヘッド

3)補器類取り付け・エンジン始動

 


シリンダーヘッドの加工

 今回シリンダーヘッドは組み換えなのですでにあらかたチューニングはされています。

 ビッグバルブ・アルゴン盛り・ポート拡大・レーシングバルブシートなどです。

 バルブのすり合わせは確認方々実施してい行きます。

マニフォールド拡大形状

インレットはダミーΦ38が通過するように加工しています。

バルブを取り付けています。

ビッグバルブです。

 

10000RPMバルブスプリングとリテーナー

スプリングシートは1.0mm

スプリング取り付け長は43.5mm

10000RPMスプリングはインレットとアウトレットで強度が異なりますので入れ違い注意で、カメアリ品は識別のペイントマーク色が異なります。インレットは青、アウトレットは白 このマークを下側にセットします。

見てわかる通りインレットとアウトレットでスプリングリテーナー材質を変えています。インレット側はビッグバルブの重量増加補完の為チタンリテーナー・アウトレット側は強度重視でクロモリリテーナーです。

ロッカーアームビボットブッシュをねじ込みますが、ここの締め込みトルク15Kg/mは少し強すぎると思います。私は10Kg/mで締めこみました。

カムホルダーを取り付けていますが前に出てきたとおりカムホルダーの固定ネジはヘリサートを打ち込んで補強しています。そしてボルトも強度区分12.9の強化ボルトに変更しています。

画像で少しわかりにくいですがカムホルダーの手前側の長いボルトのほうは単独でカムホルダーを抑える働きをしていますが、ここがM8でしかもアルミヘッド直締めなので強いトルクでは締められません。

 対して向こう側の短いほうのボルトはそのすぐ左横ですでにヘッドボルトで共締めされているのでほとんど締め付け力は不要で、仮止め程度の役目しかないと思います。

 カムホルダーボルトは強度区分12.9の高強度ボルトに変更しています。

さてこの状態を見てみるとあることに気が付きます。

カムホルダーなんですが左右の2本はフルピッチで取り付けられていますが中央部の1本は左右ピッチのところのカムホルダーを省略されており、随分と負荷が大きいことになります。設計条件は同じなのでフルピッチでカムホルダーを取り付けることはできたと思うのですがここを省いた理由はよくわかりません。

カムはバルブスプリングを押し下げるために上側へ力を受けますがこの中央部のカムホルダーは8本分のスプリングの過重を受けます。その横のカムホルダーは4本分を受け持てばよいことになりますし、一番両サイドに至っては2本分を受け持つだけです。なんとも不公平なことです。

その結果がどうなるかというとこれが真ん中のカムホルダーの天井側の摺動面ですが段付きが目で見てわかるほど発生しています。ノーマルのバルブスプリングで通常回転で使用されていたものがこれですから、これから強化バルブスプリングでバルブリフトも増して7000回転でぶん回そうというんですからここはかなり心配です。 時々カムが折れたなんて話を聞きますがカムは回転中にかなり弓なりに反りながら回転しているのだと思います。カムが折れたらバルブタイミングは無茶苦茶になりますのでエンジン全損になることでしょう。

これが2番目のカムホルダー

うっすらと摩耗痕が見られます。

両サイドのカムホルダー

きれいです、このような状態でいて欲しいのです。

カムです。

カメアリ77度Iカム カムリフト10mm

バルブリフト14.7mm

真っ黒ですがパルホス処理をかけています。

このようにL型エンジンのカムはカムホルダーに合わせて軸受け部が5か所しかありません。

本来は7か所あるのが自然なのではないかと思います。DOHCエンジンのように半割のジャーナルでないことがこの不自然な構成になっている理由なのだろうか?

ロッカーアームです

これも煤けていますがパルホス処理です。

若干、軽量化のような加工を加えています。

ロッカーガイドです。

このパーツはロッカーアームを載せるためのパーツの様な感じで、地味なパーツですがある重要な働きがあります。

その働きとはハイカムとロッカーアームとの滑り運動の関係を正しく保つ働きで、それはロッカーアームにマジックなどでペイントして当たり確認をするとはっきりとわかることで、画像のようにカムが当たって光っている部分の残り代=青矢印の部分がちゃんとあるかどうかで判断します。画像ではほぼ0.3mmぐらいの残り代しかありませんがこの状態で反対側も同じくらいしか残っていませんのでこれで限界という事になります。ハイカムでは大抵このようなぎりぎりまで追い込んだ仕様となります。純正ではこの残り代は前後でそれぞれ3mmぐらいありますのでいかに目いっぱいかがわかります。もしこれが残り代が全くないという事になるとカムプロフィールがロッカーアームの摺動面から外れてスライド面の角で当たっている状態になるのでその状態ではカムがあっという間にかじりつくことでしょう。もしそのような状態になったらば、前に出てきたロッカーガイドの重要な働きであるこのカム当たりの調整を、ロッカーガイドの板厚を変えることで調整します。

私はこのようにロッカーガイドの板厚違いを2個ずつ持っていて、これを組み替えながら前述のカム当たりを確認しています。厚みを変えていくと前述のカム当たり面の残り代が前側に行ったり後ろ側に行ったりと変化しますので前後が均等になるように調整してゆきます。この2個で問題が無い板厚が判明したらその板厚で12個分を組み込んでいきます。

カムタイミング調整

カムの特性に合わせてバルブの開くタイミングを調整します。方法については皆さんいろいろなやり方でやっていると思いますが、私も試行錯誤しながらより良い方法を模索しています。私は自分がやっている方法を「カムタイミング設定虎の巻」というのを作ってまとめてきています。バルブタイミングはチューニングエンジンでは1度のずれがかなり影響しますので重要です。純正ノーマルでは5度くらいのずれは許容範囲といっていいのでその差はかなり大きいと思います。

 

さて、カムスライドスプロケットの背後で何やら見慣れないものが見えると思うのですが、これに気が付く人はかなりいることでしょう。これは今回のME-5エンジンで新規開発している部品です。今まで述べてきたカムホルダーの脆弱性を補完するためのパーツです。今回のMEー5エンジンでその効果について確認していきます。

ME-5 L型魔界エンジン #5

L型魔界エンジン、ME、フルチューン、L6、L型、77度カム、鍛造ピストン、軽量コンロッド、圧縮比、ビッグバルブ、アルゴン盛り、ツインアイドラー、ポート加工、

1) シリンダーブロック加工

 2)シリンダーヘッド カムタイミング

3)補器類・始動