電流/燃料系
2015年12月5日
これは中期の電流計と燃料計のコンビメーターで、初期のものはメーターの外観が異なりますし、後期からは電流計が電圧計に変更になりました。
今回、この燃料計の指示値がふらつくという事で補修を依頼されました。メーターは上がるには上がるが、あるときは高い値になったり、少ない値になったり指示値がふらつくとどれが正しい値か見当がつかなくなります。ずれているだけならまだ頭の中で補正していればいいんですが、ふらつき変動すると当てにならず困りますね。
この時期の燃料計には右隅に60Lの表示がありますが、これは100Lメーターも必要だったために区別するために記入されていると思われます。
裏側です。ケースが鉄板絞り成型で作られているところが泣かせますね。現在では間違いなくエンプラで作られるところでしょう。
修理の為燃料計だけ外すとこのようになります。(60L表示が有りませんが複数やっているのでこの画像で代表です)
横から見るとこんな感じ。
かなりシュールな画像に撮れました。ポスターにしたいくらいです。アナログの世界。
この中の機構を見てゆくとアナログ故の限界が見てとれます。
修理完了してテスターで指示値を当たってチェックです。実際にはフェールレベルゲージとセットでチェックしないと完全では無いですがメーターだけ送られてきたのでテスター値で確認です。
なんとか改善しているようです。やはり40年も経つといろいろ寿命となりますね。同じような事でお困りの方、まだ対応可能ですのでご連絡ください。
メモ
レギュレーター側54オーム IGN ONで235mA~240mAマスト
メータ側 42オーム ユニットF5オームE80オーム
2016年3月1日
上記の燃料計の方から引き続き油圧計の修理を頼まれました。
内部を調整して後方に見える機械式油圧系と比較して確認してゆきます。調整後、3kgでほぼ合致しています。
これも古くなってくると指示値がずれたり、針がふらふらする場合が出てきますね。
ついでに、エンジン温度計もチェックしましたが、少し値が低いようですが、個々には調整できないのでこれで行きます。
2016年11月26日水温・油圧計
外観では普通でもカバーをあけてみるとこんなことになっていました。水が入ったのでしょうか?
こんなに錆びています。
これを復活は難しいです。
仕方なくほかの手持ちのメーターと交換ですが、この前期タイプのメーターはケースや文字盤が異なりなかなか手に入りませせん。
何とか修復してテストですが向こう側に見える機械式油圧計が6k指示でメーターは若干低いですがほぼ良さそうです。
一緒に水温計も調整して、エンジン暖気後でこの指示値で良い感じとなりました。
2016年9月25日
今回これを頼まれました。s31zのフェールメーターですが、オーナー様がチェックしたのですがやっているうちに煙が出てきたとのことで、修理依頼です。症状は満タンでも3/4以上にメーター針が上がらないとのことでした。
早速見ていきますがこの奥に見えるコイルがやはり茶色く変色して焼けている状態です。
分解した状態ですが抵抗値は基準内でした。
少し形は異なりますが手持ちのサンプルと比較するとこんな感じです。
ベースプレートが形状が異なりますが、何種類かあるようです。
左の変色したユニットは別の問題のないユニットと交換します。
比較のために私のS31Zのメーターを分解して確認します。
現状でこの状態です。この後カプラーを外してオーナー様のメーター修理品と入れ替えてみます。
するとこんな感じで少し指示値が低目ですが、ほぼ同じ値を占めしていますのでこれで良しとします。
実はオーナー様が燃料計のタンクユニットも送ってきたのですが、そちらでチェックするとこの同じメーターで指示値は大幅に低い値になります。1/3ぐらいの指示です。
送ってきた燃料計ゲージユニットがタンクの横につけるタイプなので変だなと思いました。S31Zはゲージユニットはタンクの上についているはずです。
この画像はs30zの燃料タンクですがこのタイプのタンクではタンクの横にゲージユニットがついています。ドレンプラグが少し凸形状のところについているのが特徴です。S31Zの場合はこの凸が無いと思います。年式によりいろいろあるかもしれませんが、もしこういう状態ならメーターはS31ZでゲージユニットはS30Zという状態になっているかもしれません。(タンクだけをS30Z用に交換した?)
それで指示値がおかしいのかもしれません。いずれにしてもオーナー様からS31Z仕様ですと連絡いただいているので私のS31Zで問題ないのでこれでOKとするしかなさそうです。
もしそうだとするとS31Zのタンクユニットの抵抗値とS30Zのユニットの抵抗値は差があるということになります。送られてきたタンクユニットは満で12オーム S31Zは5オームの記憶が・・・・。
以上はすべての年代と設計変更ををチェックしてのことではないので私が見れる範囲での推察です。
もしそうだとすると解決策は 1)タンクを正しくS31Z用か確認し異なっていれば正しいものに交換。
2)S31Zのゲージユニットを入手してS30Zのゲージユニットの抵抗線のところを入れ替える。(現物を見てないので実現性は無視してですが)
3)S30Zの燃料計を入手してメーター内部だけ入れ替える。(ケースは異なりますので)
2016年11月23日
フェアレディーZのFUELメーター
どうもZのFUELメーターは40年経った今やはりいろいろ支障が出てきている例が多いようです。今回メーターとゲージユニットが送られてきたので早速修理です。現象は満タンでも針が2/3ぐらいより上にはいかないというもので、ゲージとセットで何とか修理する方法を見出しました。
修理途中経過が画像ないですが、修理後ゲージを繋いで満タン状態の時の指示値。
これがゲージユニットでガソリンタンクの横についています。(前期タイプ)
中側にコイルを巻いてあるところが抵抗線になっていて、そこに金色に見える端子がスライドすることで抵抗値を変えています。抵抗値は12オーム~88オーム 振れ幅が76オーム スライダックですね。
この部分はタンク内でガゾリンと接していますが、スライドするときに火花や熱が発生しないのでしょうね。心配ですが。
2016年11月17日
アンメーターの不思議
今回こんなこともあるんだという例を見ましたので掲載します。アンメーターを分解したところです。
このアンメーターについてフェアレディーは48年式以前の車両にはこのアンメーターがついていましたが、それ以降は電圧計に代わっています。昔はバッテリーや発電機の性能が弱く、ドライバーはアンメーターを見ながらライトなどの節約をしたり、充電系の故障などをチェックする必要があったのですね。
構造は渦巻き状に見えるコイルに大電流が流れることで針のついているところの磁界を変化させることで針を動かしているようです。ここに常に20A近くが流れるのですから恐ろしいです。
こちら側は正常な端子で半田が丸くがっちりと乗っています。
ところがもう一方の端子は半田が外れています。やっかいなのはこの状態で車が動いていたということで、完全に切れてしまえば車は止まってしまいますが、このようにコイルの弾性でかろうじて接触通電している場合は、瞬間的に電源が断続的に切れている状態だったと思います。踏切を通り過ぎる瞬間急にエンジンが不調になってすぐに又復調するって感じですかね。ライトが瞬間的に消える、また常に突入電流が流れていたわけですからフューズが飛ぶ、配線が焼けるなどのことも起こると思います。
半田付けしなおしましたが、その前によく観察するとはがれた半田の痕が亀裂ではなく溶けたような感じです。ということは多分半田が溶けるくらいの大電流が流れたのかもしれません。通常はそうなる前にフュージブルリンクが切れますがどうだったのでしょう?
バッテリーに繋いで5wのランプをつけてみて0.33Aですのでまあまあかなと思います。5wランプも大古品ですからあまりあてにはならないですが。
アンメーターの動きがおかしいとのことで見てみますとコイル部分が焼け焦げて煤が出ています。過去に過電流であったことがありそうです。
念のためこちらのタイプのコイルに交換します。形は違いますが機能は同じです。
アンメーターの動きがおかしいとのことで見てみますとコイル部分が焼け焦げて煤が出ています。過去に過電流であったことがありそうです。
念のためこちらのタイプのコイルに交換します。形は違いますが機能は同じです。
2016年10月16日
メーターの外し方について
先ず、グローブボックスを外します。グローブ入っていないですけど。
取り付けビスをどんどん外していき、フロントのカバーはストッパーをひねりながら抜きます。上についている栓抜きのようなキーキャッチもはずし、右側の白い照明スイッチも外します。そうするとボックスだけ引っ張るとかなり固いですが抜けてきます。
ボックスを抜くと内部の右側の奥にメーターの後ろ側が見えるようになります。
次に、このクラスターを外します。周囲4か所にあるプラスねじを外し、空調レバーのゴムカバーを引き抜いて外します。おっと私のこのゴムカバーはオリジナルではありませんね。前に乗ってたB310ので、こっちの方が白いラインが入っていてかっこいいので交換したものです。
外しました。配線カプラーは外しても外さなくてもできます。復元するときは配線カプラーが間に挟まれないように気を付けてください。奥に見える空調口のスポンジはたいていボロボロになっているので隙間テープ付スポンジでやり直したものです。
そうするとメーターの真下にそれぞれ一か所プラスねじが見えてくるので、それがメーターを固定しているバンドの止めねじなのでそれを外してバンドを開放します。
そして前に外したグローブボックスの方から手を入れて配線カプラーを外した後メーターを引き出してきます。左側から順番に目的のメーターまではずさないとなりません。
決して簡単ではないですが根気よくやっていけば外せます。気の短い人はやらない方がいいです。
このようにメーター外して送ってくれれば、時計をはじめ各メーターの修理をお受けすることができますのでチャレンジしてみてください。ちなみにS30Zの場合はクラスターは外しきれないのでグローブボックス側からすべてやる必要があり、より上級者向けですが固定がすべて裏側のステーなので、それにアクセスできればやることはできます
。
2022年4月29日
S31Zのメーター全部5個まとめて修理依頼されました。
これは水温計の修理です。
S31系水温計メーター上半分がそうですが(下半分は油圧計)で仮配線つないで、実際にお湯を沸かしてセンサーを沈めてその時の測定値の比較をしています。画像では少しメーター側が低く出ていますので、この後調整します。ただ、これらのアナログメーターに精度を求めても無意味なのでおおよその目安
となります。
これらのアナログメーターは、40年も経った今となっては内部の機構も劣化し、結果として指示針が 泳ぐ=ハンチング=いったりきたりする ことが起こります。これは完全には直しようがないので、気にならない程度まで修理調整して良しとしてもらうしかありません。程度問題ではありますがこの手のメーターでは避けられない現象です。
指示値の調整ですが私は絶対温度が近くなるようにするというよりはS31Zの通常のエンジン温度85度~90度くらいでメーター真ん中の基準線に指針が重なるように調整します。運転中はそのほうがわかりやすいですね。
タコメーターが変な動きをするという事で修理します。始動してしばらくは普通に動いているが、時間が経つと3000RPM付近を指してそこから動かなくなるという故障です。
S30Z、S31Zのこのタコメーターで故障したというのはめったに聞かないくらい、このタコメーターは優秀ですので、なんでだろうと不思議でした。
S30Zの初期型は電流式でいろいろ取り扱いが厄介でしたが、イグニッションコイルのプラス側に流れる電流を測定してそれを回転数に換算しているもののようで、したがってフルトラやCDIにすると流れる電流が変化するのでタコメーターが動かなくなるなどのことが起こりました。S30ZS31Z中期型以降になり、タコメーターは電圧式といわれるものに設計変更されました。それが画像のタイプです。電圧式と言っていますがイグニッションコイルのマイナス側で発生する電圧の変化=スパークシグナルをパルスとして拾ってそれを電気回路で演算処理して電圧計と同じ原理で指示針の動きに置き換えているという事のようです。こちらだとパルス=トリガー電圧約5Vの変化を拾っているだけなので電圧差さえ出ればフルトラだろうがCDIだろうが動作には問題が出ないと考えられます。
今回のタコメーターを分解して針を手で回してみると画像のように現在位置から戻ってきません。本来は手を離せば0に戻るように設定されていますので、これは変です。
内部はこのようになっていますが、IC回路が内蔵されていてこれが破損する場合がままあるようですが、私はそのようなものに遭遇したことはありません。
中央部に小型の電気モーターをきれいにしたようなものがありそこのコイルにかける電圧の差で回転角度をコントロールしていると思います。
今回はこの部分をオーバーホールして修理となりました。
修理後ちゃんと0に戻るようになり、手で動かして針を上げてもゆっくりと戻って0に行きます。またこの指針には7500rpmの位置から0に急激に戻ったときに衝撃で壊れないようにダンパーのようなものがついておりそれで0に戻ったときに少しバウンスするような動きがあります。
この後実際に私のS31Zにこのタコメーターを仮配線して自分のメーター(ウルトラステッピングタコ)と誤差が無く、回転数の示し方も同じか確認しています。