2024年2月26日

SR311 メーター類チェック修理

SR311のメーター類一式チェック修理して欲しいというオーダーです。

先ずは時計ですがこれはS30Zのジェコー2針式と機構は同じですが、中身的にはS30Zよりかなりお金をかけてしっかり作ってある感じです。

駆動モーターですがギヤが金属でできており丈夫そうです。回転もしっかりしていました。

主要部を分解してゆきます。

このパーツがいつも消耗が出てくるので補修していきます。

これも面白い形をしています。

各部を清掃修理給油して組み戻してゆきます。

画像左側がSR311 右はS30Z

この後だいたい1か月くらい回し続けて、時間の遅れ進み調整をします。かなり詰めても月に5分程度の前後が出てしまう場合があります。


次に燃料計とセンダーゲージです。

 

ケースから取り出しました。

センダーゲージとメーターを仮配線で繋いで、センダーゲージが燃料エンプティ―の時のメーター指針です。

燃料フルの時の指針

メモリのマックスを越していますが日産のゲージは大抵この傾向です。燃料の減ったほうのメーター精度を良くしておくためこの設定でセットしておきます。

 

上の電流計は目視で見た限りでは問題ないように見えました。過電流が流れたものはコイルが真っ黒に焼けているのでわかります。このメーターはきれいでした。

こちらは水温計です。

こんな感じでテストしてずれを修正します。

温度計で85.8度で右側のメーターはだいたいそのあたりを示すようにしました。

 

温度センサーは日産の汎用品を使っているので、SR311の現車に取り付けた時は若干のセンサー誤差があるかもしれません。


油圧計の現状です。

後ろの機械式油圧計が0kg/cmなのにメーターは1・5Kgくらいを指しています。

 

このメーターを信じてエンジン稼働していた場合はかなり危ない状態だったことになります。これだと何かの原因で(例えばドレンプラグが緩んで脱落したとか)オイル漏れしてオイルが全くない状態になっても、油圧計はこの1.5kgの値を示すことになります。

 


同じく油圧計の現状です。

後ろの機械式油圧計が6kgの時にメーターは

8Kgくらい(メモリの範囲外)を示しています。

メーターとして全体的にアッパー側に指示値がずれているようです。

調整して

機械式油圧計が2Kgの時

メーターは2Kgを示すようにしました。

機械式で4kgの時

メーターは4.5kgくらいを示しています。

機械式が6kgの時

メーターは5,8kgくらいを示しています。

いろいろ調整したのですがこちらを立てるとあちらが立たないの状態になり、これが目いっぱいの状態となりました。最初のメーター振り切りよりは見やすくなっていると思います。


SR311のスピードメーター

このスピードメーターはケースがカシメられていて分解するにはメーターリングのカシメを外さなければなりません。オーナー様からメーターリングは触らないようにしたいという事で、スピードだけチェックすることにします。

 まずは100km/h ほぼ設定どうりの値です。

針は±10Kmくらいブレますが分解しないのでこのままいきます。

このインバーターの周波数とスピードメーターの速度の関係を割り出してありますのでそれで確認しています。メーターはモーターで回しています。

そして240Km これも針のブレは±10Kmありますが思ったよりブレは大きくはなりません。スピードメーター針が付いているメーターシャフトは軸受けで支えられているのですが、その軸受けにガタが出るとスピード針がブレとなって出ているのではないかと思います。メーターシャフト軸を何らかの方法でしっかりと保持できるように軸受けに手を入れればスピード針ブレは治る可能性は有りそうです。


さてだんだんと問題の大きなメーターに作業を進めてゆきます。

このタコメーターは機械式のタコメーターとなっています。後ろ側の回転ケーブルが入るところに工具を指して回してもピクリとも回転反応しません。

また画像の通り指針は1000RPMを指したまま動かず、0に戻りません。

このメーターの厄介なところはケースがこの部分でプレスカシメされており、ここを開かないと分解ができない構造であることです。メーターリングのスペアが有ればどんどんとカシメを外してゆくのですが、スペアが無い場合カシメ開き作業でメーターリングは必ず変形するので、どうするか思案です。

しかも機械式のタコメーターで有ることより、ケースを開いても修理ができる故障であるかどうか確証は有りません。

 この後画像見ながらオーナー様と相談して、今回は手を入れないで置こうという事になりました。