2025年6月7日
R180デフ製作 R47
現在はオーナー様のご実家である愛媛に帰っているサファリZですが、オーナー様からデフが調子悪いようだと連絡がきました。お話ではこのデフは車の購入前からおそらくケンメリのと思われるR180デフに交換してあったという事です。ケンメリ用という事は殆んどの場合ギヤ比が4.1となるような気がしますので、S30Zの純正である3.9とはギヤ比がそもそも異なることになるかもしれません。又、オーバーホール履歴もわからないという事でここで一度S30Z純正R180の3.9ギヤ比のデフをオーバーホールして交換したいという事になりました。まずはデフは私の手持ちの中から探し出してちょうど良いのが有りました。
ピニオンも分解してテーパーベアリングを交換します。
ベアリングをどんどん取り外してゆきます。
画像ではすでにピニオンベアリングを交換して、ピニオンプリロードをシム調整した状態になっています。
デフ玉ですが、今回はLSD無のオープンデフで使い勝手最優先でという指示なので、久々にオープンデフを準備します。
オープンデフの場合このサイドベアリングを抜く手段がなかなか難しいです。ベアリングプーラーをかけても本体がオーバーハングしているのでプレスで押すことができません。今回は2爪のプーラーで引き抜きました。リングギヤ内径はφ110のタイプです。(R180にはΦ115のタイプもあります)
リングギヤです。39歯あります。
長い間メンテナンスしないでベアリングがボロボロになるまで使ったデフのギヤは歯面に変な模様とか段付きとかが出てくる場合が多いです。そのようギヤ歯はどんなに調整しても異音などが出てしまいます。そのようになる前にベアリング交換するのがダメージを減らす手段ですが、ギヤ歯までダメージがでたデフはその時点でオシャカです。
リングギヤをデフ玉に組付けました。
デフ玉の内部にデフが差動する要となるピニオンギヤが見えていますが、このギヤがガタガタになっている場合もあります。またピニオンの裏にはシムプレートが入っているのですが、これが摩耗している場合もあります。このデフ玉はしっかりしていて良い状態です。
ピニオンプリロードは18Kgトルクで締めて16.9Kg/CM(以下CMは省略)
サイドプリロードは 1.16Kg
この状態でバックラッシュは39歯のうちの半数を測ってすべて0.10~0.13に入っています。チャタリング音が気になるとよろしく無いので少し狭めにしました。
刃当たりについては途中経過の画像はいちいち載せませんがいつでも何回かやり直して(=全バラ)少しずつ刃当たりを詰めていく作業をしています。
最終的な正転側刃当たり
少しトー寄り(内側)ですがほぼ良い状態だと思います。
逆転側
ほぼど真ん中です。
最終組付けに入りました。
フロントにボールベアリングを組付け、オイルシール打ち込み。
この後、純正のフロントコンパニオンフランジを取り付けます。
サイドカバーのオイルシールを打ち込み最終締め込み。サイドコンパニオンフランジはこの後の回転試験の為に仮付けしています。実際に発送時は取り外して送りますので、現在使っているものを交換して取り付けることになります。
リヤデフカバーを取り付けた状態です。