2025年9月17日
BMW のエアーファンコントロールスイッチ修理
今回はS30Zの部品修理では無いですが、S30Zつながりでお知り合いの方からBMW(他にもたくさん自動車をお持ちで)のエアーファンコントロールスイッチの修理を依頼されました。現象はエアーファンが回りっぱなしになり、そのまま稼働していたらとうとうコンソールから煙が出てきたという事です。
オーナーさんが苦労してコンソールパネルを外してきました。見てわかるようにダッシュ周りの組み立てで一番最初に取り付けるところなので、周りの部品をほとんど取り外さないとならなかったようです。
ところでエアーファンコントロールスイッチはどこにあるのかなと思ったら、なんと時計の周りにある回転ベゼルの様なデザインのギザギザが付いたものがそのスイッチでした。
裏側から見るとこんな感じ。配線がぎっしりです。問題のスイッチ+時計はこの配線の裏にあります。
配線や配線ステーと少し見えているリレーを取り外しました。最初はこのリレー(ボッシュかな)の内部スイッチが固着しているのかなと思ったのですが、テストしてみると問題なし。もうコントロールスイッチを分解するしかありません。時計とスイッチはこのフレームにカシメスナップの様な金具で固定されていますのでこれを何とか外します。
右側に見える白い笠歯車は横についているクーラー温度コントロールスイッチの回転装置で、ここにこんな立派なギミックを仕込むとはさすがドイツ設計
何とか時計とスイッチをセットで取り外しました。時計はおなじみのヨーロッパ車御用達VDO製=日本的でいえばJECO
時計の周りについている回転ベゼル状のエアーファンコントロールスイッチが左側の部品です。
こちら側から見るとこのようになっていて、この上にスイッチがかぶさってきます。
基盤風のパーツがもっとも注目するところで、左側に黒い帯状の部分が有りますが、これは通常良くあるボリュームと造りは似ていてこの部分に抵抗性のある物質を張り付けていると思われます。よく見るとこの帯状のセンターライン上に細い線がわずかに光って見えますがこれがヒータースイッチの接触端子が滑った跡で、ここが金属地肌となってしまっているためヒータースイッチがどこの位置でも導通しっぱなしになっていると思われるのですが、それにしては少しおかしなところが有ります。通常はこの抵抗性の帯はベークライトなどの板に張り付けるのですが(そうでないと機構が成り立たないはず)このパーツは厚い真鍮版の様な物の上に張り付けています。間に非伝導性の膜の様なものをかましているのでしょうか?また更に左側に見える半田付けされている部品(抵抗がつけられている)はどんな働きをしているのだろうか?わからん
裏側はこのようになっていていわゆるプリント基板的な感じなのです。一番左の端子はプラス端子の様で、ここに刺さっていたメス端子のスリーブは黒く焦げていてこれがコンソールから煙が出た原因と思われます。火災にならなくて良かった。
そして時計の周りに意味ありげに端子が5個並んでいます。
この基板状のものを取り外すとこんな感じです。