2016年3月20日
今回はこれを依頼されました。
普通のL型のように見えますが違います。
外観からまだあまり使い込まれてはいないようですが良くこれが残って存在しているものです。
同じクラブ内のいつも各地のイベントでお会いする方から依頼されました。
こちら側からみるとミッションに詳しい人はすぐにわかりますね。いまや幻と言っていいパーツ、
おそらくS20エンジンユーザーにはのどから手が出るほど欲しいパーツ、あの71B2分割ミッションのS20エンジン用フロントベル。
ケンメリGTR用のミッションでしかありえない仕様ですので数がすごく少ないと思います。
今回はこれに71BコンパチC Ωバージョン=4速まで71Cの大径ダブルコーンシンクロ仕様でクロスミッションを組んで欲しいというS20用としては現段階で究極のミッションになると思います。
71BコンパチC α28 魔法のほうき#1 はこちら
71BコンパチC α39 魔法のほうき#2 はこちら
今回は71BコンパチC Ω8 魔法のほうき#3となります
要となるアダプタープレートですがこれを使います。私が見た中では極めてまれなパーツ(2件目)ですが、下部にワンウェイフラップがついています。手前側が1-4速側で、これは日産車でもある特殊な車両はフル加速時にリヤエクステ側にミッションオイルが偏りフロント側が潤滑不足になる現象が発生して講じられた対策であることは情報得ています。日産純正パーツです。
ちなみにもう一件は私のレッドのS31Zについていてサーキットで使用しています。こちら
メインシャフトは純正新品を掘り出してきました。
クロスはこれを準備
ほとんどが新品ですから記録する必要もないですが一応保存します。
スリーブはWPC処理品を使います。
ハブは中古ですがこれはあまり問題はないです。
新品もありますが費用がかさむので問題ないものは使っていきます。
3速も同じやり方です。
スリーブ wpc
メインインプットですが4速も大径ダブルシンクロたる部分ですが、右奥に見えるのが通常の71C純正大径シングルシンクロ、手前が私が供給するダブルシンクロ。
これでクロスギヤ・2-3-4速大径ダブルシンクロとなり、R32やS13も含めて存在しない仕様となります。
フロント側が組めました。
ここでちょっと息抜き
このところミッションオーダーが続いていて筋肉痛になっています。
いつのまにか庭の桜が満開になっていました。
こいつは犬なのに寒がりで冬はずっと丸くなって寝ていますが、やっと春の日向で動き出しました。
一年中外で飼っているので埃だらけでシャンプーとは無縁の状態ですが、自分でぺろぺろしてきれいにしてしまいます。
虎ロープでかなりの範囲を動き回れるのでその範囲を移動して食べれるものは食べてしまいます。
5速ですが71Cは通常0.75のギヤ比でハイギヤードですが、S20ということで高回転を生かす目的でオーナーの要望により0.83のギヤを探してきました。
ギヤ部が組み付け完了
ギヤ精度確認
エンドプレイ
0.25 0.13 0.16 --- 0.19
バックラッシュ
0.18 0.13 0.18 --- 0.10
今回もM38ナットの緩みを撲滅するためにやっているスペシャル加工サイドロックボルト
シフトフォーク類を組付けました。
バックリンクタイプです。
バックシンクロタイプもできますがお好みとなります。
ケースに組み付けました。
外観71BS20用2分割ミッションですが、中身は
71C 2-3-4速ダブルシンクロ
1速2速3速クロスギヤ
5速0.83
チャタリング防止のシザースギヤ付き
WPCスリーブ
メインシャフト新品
ワンウェイフラップ付きアダプタープレート
上に乗っている黒いホースはエアーブリーザーですがこれにするとオイルの吹上が少なくなるのでリヤエクステがオイルまみれになることを防げます。
完成した状態で簡易回転試験器e-zanaraizerで1時間回しっぱなしにしてチェックします。
e-zanaraizerも今年から回転数を1500rpmまで上げる改造をしています。