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71BコンパチC Ωバージョンは71Bミッションの中身を71系最終バージョンの71Cに入れ替えて性能回復を図るバージョンです。Ωバージョンは純正でも存在しない4速まで強烈なシンクロのかかるダブルシンクロとするバージョンです。バージョンとしてΩ、α、β、γ各バージョン×クロス組バージョンが有ります。

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2025年10月10日

71BコンパチC Ω64 マイルドクロス魔法の箒

 シフトノブの特別バージョンをいくつもご注文してくださったオーナー様から、今度はシフトノブが取りつくミッション本体のご注文をいただきました。S20エンジン用にパーツを集めてきました。フロントベルハウジングはケンメリ2分割復刻版です、リヤエクステは71B用、他メインシャフト・クロスギヤ・5速オプションギヤ・メインインプットギヤなどとなります。 

組み立てに入ります。メインギヤはカメアリクロスギヤを使います。このクロスは1速が2.4から始まるクロスですのでGTR純正の71Aの2.9から始まる純正クロスと比較してかなりハイギヤードですので、今回はこれを一次ギヤ変速レシオを落とすことで補正しますので、ある意味マイルドクロスとなります。

1-2速のパーツです。

ハブスリーブは中古良品を使いますが、それ以外はメインシャフト含めてすべて新品で組んでいきます。

1-2速まで組みました。カメアリのクロスギヤは最初から表面処理してあるので黒い色をしています。

次に3速となります。ダブルシンクロです。

そして今回のマイルドクロスの要となるメインインプットギヤです。一般的にある71C流用のギヤセットは殆んどが22-31のギヤ比ですが、今回はこれを21-32というギヤ比で組みます。

こうすることでカメアリクロスは2.624から始まるギヤ比となり、GTR純正ギヤ比の2.9から始まるギヤ比にかなり近づけることになります。もちろん1速だけでなく1-5速すべてのギヤ比が変化してきますので、マイルドクロスという事になります。これは高回転型のS20エンジンの場合はそのトルク特性にマッチしたギヤ比になると思います。

今回の場合はΩバージョンですから、もちろんこのメインインプットもダブルシンクロへの改造を行います。(純正71Cは大径にはなりますがシングルシンクロです。従いましてこの仕様は純正では存在しません。)

メインインプットの中に入るパイロットニードルベアリングはこの大きな強化タイプのニードルに変更しています。このメインシャフトとブリッジになる部分の強化はメインシャフト、メインインプット双方のタワミを削減してくれますので重要だと思います。

メインインプットを組みました。

71Cのカウンター側にはアイドリング時のチャタリング音を軽減するシザースギヤが付きますので、これも構成しています。

今回メインインプットのギヤ比を変更したため、シザースギヤもこのようにサイズが変わってきます。重ねた後ろ側が今回使うギヤ歯数21-32用のシザースギヤです。

次に5速ギヤとなりますが、ここもGTRに合わせたマイルドクロス(超クロスといっても良いかも)とするため、一般的な71Cの0.75ギヤ比(ギヤ歯数21/39)は使いません。71Aや71Bの純正は0.86ギヤ比ですので0.75では離れすぎてしまい、5速ではまともには走れないという状態になりかねません。特に排気量が2000ccだったり、低回転のトルクが薄いS20エンジンではなおさらです。

 そこで今回は画像のギヤ歯数22/37を使いギヤ比は0.83となり、しかも一次減速を落としているので相対的には0.9というギヤ比になりますので高速で5速で使いやすいギヤ比となります。

ギヤ部の組み立てが完了した。

精度測定をいたします。

エンドプレイとバックラッシュを測定するのですが、以前はギヤを組んだままの状態で測定していたのですが、それだとボールベアリングのクリアランス分メインシャフトが動くので測定があやふやなものになる場合がございました。そこで、画像の様な四角の治具を作り、フロント側のボールベアリングを固定することでよりミッションケースに組んだ時の状態を再現してはっきりした測定値を得られるようにします。

 

 

 

 

 

ギヤ精度

        1ST    2ND  3RD     5TH 

 エンドプレイ 0.15 0.12 0.18 ーーー 0.25

バックラッシュ 0.15 0.22 0.15 ーーー 0.18

ほとんど新品ギヤで組んでいるのでさすがに各測定値は揃ってきます。良好です。

 

ミッションケース側の準備をいたします。

フロントベルハウジングはケンメリ用として復刻されたS20エンジン用の新品です。

鋳肌や機械加工の状態がきれいす。

これはバックランプスイッチの取り付け穴ですがケンメリ用(71Bポルシェシンクロ)を忠実に再現しているので、このようにケースリブに対して後ろ側に設定されています。71B後期ワーナー~71Cはすべて前側で設定されているので、このままではバックランプが点かなくなります。この場合は内部の機構を改造してこの位置でバックランプスイッチが入るようにしておく必要が有ります。

ミッションケース内部の加工状態。こちらも切削面となる部分を上手く鋳出ししてあり、そこをを切削しているのできれいです。

リヤエクステンション側

今回オーナー様からシフトレバーの中立位置をキープするようにできないかというご要望が有りました。

71Aはシフトブロックに腕が出ていてそこを左右プランジャーで押していますのでシフトレバーはニュートラルでは常に中立(Hパターンの3-4速のライン)に戻るようになっています。これに対して71Bは1-2速と3-4速の間はフリーにガタガタ動く状態です。気にしない人はあまり気にならないで慣れてしまうのですが、71Aからの移行だと気になるのでしょう。71Cも中立ははっきりしているのですが、今回はシフト関係は71Bとなるのでこの状態となります。

71Bは画像の様にプランジャーが付いていてシフトブロック側にカムが刻まれていて5速の側にクリック感が出るようになっています。画像でも少し見えるように1-2速と3-4速間にはカムが無く隙間が見えているのでこの間はスカスカとなります。71Bではなぜこのように変更したのかは不明ですが、1-2速側へのクリック感が煩わしいというような意見が有ったのかもしれません。

今回はシフトブロックを改造して1-2速側にもクリック感が出るようにして、シフトレバーの中立位置を出すようにします。

プランジャーがこのように中央の溝を常に押すようになるのでシフトレバーも中立するようになります。

そして今回さらにイーザ方式クィックシフトに対応するためシフトブロックにシフトレバー支点を追加工しておきます。画像上側の丸穴が追加した支点穴となります。下側の穴は最初から開いている支点穴がそのまま残りますので、通常シフトに戻すのもワンタッチです。

ミッションケースに組付けて回転試験しています。回転試験で今までの中でも最良の状態と判断いたします。

完成です。