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2026年5月1日

R200 オーバーホール R54 BNR32

 

今回はこのR200ですがショートタイプという事になります。私は通常はR200はロングしかやってこなかったのですが、今回は何のご縁かこのBNR32 スカイラインR32GTRのデフを引き受けることになりました。

しかもデフカバーはアルフィンデフカバー付きの特殊仕様です。

デフカバーをはぐりました。

リングギヤが見えてきました。

この時点でバックラッシュは測定不可能(”0”)でしたが、固いオイルが入っていたのでこの時点でははっきりとは値が判らなかったです。

LSDは1.5WAYの様です。

リングギヤは熱処理焼けが見られない真空炉タイプで仕上げたようなきれいな仕上げとなっています。

 

ピニオンプリロード、サイドベアリングプリロードともにこの時点で測定不可能”0”の状態でした。

サイドベアリングはこのような感じで左右ともに当たりが不均一でセット状態が悪かったことを感じさせます。

ギヤ比は48:13で3.692となりかなりハイギヤードといえると思います。

このピニオンギヤ、こんなに歯数の多いのは見たことが有りません。

 

ギヤの状態はピニオン、リングギヤともに悪くはない状態ではないかと思います。

ピニオンを取り出しました。テーパーベアリングにはかなりスジ状の摩耗痕が見られます。

ピニオンリヤベアリングを抜きましたがなんか変です。フルパワー500馬力を受ける一番大事なピニオン座面に変なマークがあります。

あまりにもおかしいので原始的にサシを当ててみても間違いなく傾きがあります。この面はベアリングと当たる面なので絶対に凸凹があってはなりません。品物としては最終的に仕上げた状態で平面度(凸凹)が0.02mm以下としたいところです。できるなら0.00mmつまり真っ平が理想です。

あまりに解せないのでダイヤルゲージで当たってみるとことにしてここを”0”セットして・・・・

 

当たりのある所を測るとなんと0.08mmも出っ張りがあります。さらにこれが円周方法で周期的に変化していますのでこれはどういう事でしょう?

引き続きLSDとリングギヤを調べます。

まずイニシャルトルクですが・・・

LSDのイニシャルトルクは18Kgと出ましたので競技用としてはこれは良好な範囲だと思います。

スポーツ走行用なら13kgぐらい

街乗りなら5~8Kgくらい

緊急用のみなら5Kgぐらいが

適すると思います。

この競技用18Kgイニシャルだと

車庫入れでハンドルがものすごく重いとか

すえ切りでハンドル切っているのに曲がらないとか

90度くらいハンドル切ってスタートしようとするとエンストするとか

Uターンでデフからバリバリいう音が聞こえるというような状態になります。しかし競技用ならこれくらいのイニシャルが必要かもしれません。

ピニオンの変な仕上げの事もあり、リングギヤも外して確認することにしました。

LSDのリングギヤ取り付け部の径寸法を測っていますが127.96mmと出ました。(このサイズのマイクロはなかなか使わないので私はこの超古いミツトヨをヤフオクで買って使っていますので精度は保証が難しいですが)

先ほどのマイクロからシリンダーゲージを”0”合わせしてこのようにリングギヤ内径の寸法差を当たります。

リングギヤの内径は取り付けるLSDの取り付け外径に対して0.065mm大きいと出ました。

これではリングギヤの中心がLSD中心に対して0.03mm以上ずれる可能性があることになります。これではわかりやすく言えばガタが大きいという事になります。

私の考えでいえばこのクリアランスは0.02以下(偏心で0.01mm以下)としたい、できたら”0”合わせの軽圧入が望ましいところなのですが隙間0.065は少し大きすぎます。ここのガタが大きいと刃当たりが偏心することになりますので調整ができないと思います。

ここのクリアランスは専門メーカーも最も気を使って設計していると思いますのでいろいろな要素が有ってこのようにしていることも考えられますので一概には言えないところではあります。又LSDとリングギヤが異なるメーカーである場合寸法設計とか寸法管理とかのやり方が異なっていることも考えられますので、そのことも難しい判断になります。

私も本当にこんなことがあるのか半信半疑だったのでもっとも原始的にこのように指先でこのリングギヤアッシーをゆすってみますと間違いなくカコッカコッとうガタが感じられます。このリングギヤは0.065mmガタが出ています。このままの状態では組むことはできないと思います。

暫定的な対策方法としては

・クリアランス分の0.03mmのフィラーゲージを挿入して組むか

・リングギヤの内径をところどころ点付け溶接して内径仕上げ機械で寸法だしする

等の暫定対策となるかもしれませんが、最も良いのは別のギヤセットに交換することですが無理かな・・・。

以上の事で

今回のピニオンギヤ・リングギヤともにかなり問題があります。

このままでは組んでも精度が出せないと思います。