ME-4
L型魔界エンジン、ME、フルチューン、L6、L型、77度カム、鍛造ピストン、軽量コンロッド、圧縮比、ビッグバルブ、アルゴン盛り、ツインアイドラー、ポート加工、
その1 素材エンジン
その2 ヘッド加工 その1
その3 シリンダーブロック加工
その4 パーツ類リフィール 現在のページ
その5 エンジン組み立て
その6 補器類
今回使用するピストンです。
亀有の鍛造レーシングピストン290gという驚異的な軽量ピストンです。ピストン径はφ88.5~φ89.5までありますが今回は通常仕様なのでシリンダー肉厚をできるだけ減らさないことと、再ボーリング代をできるだけ残すことを目標にφ88.5のピストンで行きます。
購入時の説明書でピストンスカート下部とバルブリセス部の仕上げ加工を指示されていますので、実施してゆきます。
左側はレーシングピストンリング1.2mm厚品です。今回φ88.5ピストンではSPLチタンコート品在庫が無かったため通常のレーシングピストンです。
ピストン下部
きれいに仕上げられていますが機械加工のままなので加工ピン角が出ています。ここをRつけしてゆきます。
これは使用品ですが、ピストンスカート下部を入念に仕上げたつもりなんですが使用後はこのように何本もの縦傷が入っています。この縦傷がひどくなってゆくとしまいにはシリンダーとかじりついてゆき焼き付きが発生しますので、この部分の仕上げは重要です。
しかしそれでは大きくRを付けておけばよいのかというとそうでもなく、あまり大きくしすぎると燃焼室にオイルが入り込むオイル上がりを起こしやすくなるようです。ここのピストンスカートである程度オイルを掻き落とす役目をしているのだと思います。
もう一か所のバルブリセス部ですがやはりこのように加工角がピン角になっています。ここがあまりピン角だと燃焼時熱が集中しやすくなりそうなので面取りをしてピン角をなくしてゆきます。
ピストン手直し後重量測定です。
0.1g単位まで精度保証されている精密ハカリで測定しますが測定結果281.4g~281.6gと0.2gの差しかありません。0.1g単位が表示されないハカリならすべて281gで表示されるか、また281gと282gに分かれて表示されることになり、かなりあいまいになります。おそらく製造元で出荷時に重量測定して同じ重さ品を集めてセットする選択選別出荷をしていると思いますのでこのセットならこの重量差ですが、ほかのピストンを持ってきたらある程度の重量差は発生することでしょう。
次はピストンリング合口すきまの調整です。
亀有のピストン説明書にピストンリング合口すきまを調整するよう指示があります。亀有のピストンリングは今回の条件ではそのままの状態で0.20~0.25mmとなっていました。
指示値は0.25~0.35mmですが、ぎりぎりそのままでも良さそうに見えますが、シリンダーの上部と下部で値が変化する傾向にあり、自分はシリンダー上部で上限0.35狙いで加工しています。
このようにシリンダーに仮組して矢印のところの隙間を測定します。
拡大するとこのようになっています。
ここを追加工してゆくのですが隙間の平衡を崩さずに加工するのが結構難しいですし、12本もこれをやるのも根気が必要です。